クレジットカードサイズのコンピューターを35ドルで提供

 英Raspberry Pi Foundationは2月29日、クレジットカードほどの大きさの小型コンピューターRaspberry Pi(ラズベリー・パイ)を発売し、わずか数時間で完売した。値段は35ドル、日本円にして3,000円弱だ。

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 英Raspberry Pi Foundation(ラズベリー・パイ・ファウンデーション)は2月29日、クレジットカードほどの大きさの小型コンピューターRaspberry Pi(ラズベリー・パイ)を発売し、わずか数時間で完売した。値段は35ドル、日本円にして3,000円弱だ。

 Raspberry Piは、英ケンブリッジ大学のコンピューター科学課程への志願者が減ったことと、プログラミングの知識がない学生が増えたことを不安視した研究者たちが開発を始めた。これからの子どもたちにはコンピューター・プログラミングに興味を持ってもらいたいという願いが込められているという。

 プログラミング用に作られた同商品の第1弾は、ケースが付いておらず、回路基盤がむき出しの状態で発売された。基盤にはUSBポート、インターネット接続のためのイーサネットポート、記録やソフトのインストールに使うSDカード用のポートなどが用意され、内容はコンピューターそのものだ。

 充電器、モニター、キーボードなどは一切付属されていないが、充電には携帯電話の充電器が利用でき、モニターはテレビや通常のパソコン用モニターなどで代用できるという。OSはオープンソースのリナックスを搭載し、必要最低限の画像処理ソフト、ワードプロセッシングソフト、ファイル管理ソフトなどが入っているという。

 企画の立ち上げから、第1弾の商品化まで約6年かかったというが、この価格とサイズにたくさんのユーザーが興味を示した。今後はさらに低価格な25ドルのコンピューターも発売する予定があり、今後の動向に注目が集まる。

 日本国内の教育現場では、ICT導入の必要性が主張され続ける中、必要な端末とソフトを揃えるだけの予算がない学校も多い。Raspberry Piの今後の展開と、開発されるソフトによっては、日本の教育現場にとって救いの手になるかもしれない。

《湯浅大資》

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