タブレットを使った学習サービス、通信教育など注目5社を徹底比較

 通信教育をはじめ、学校現場や塾などでタブレットを使った学習サービスが注目を集めている。専用タブレットを提供する通信教育、タブレット向けの学習サービスなど、注目される5社の内容をまとめた。

教育ICT インターネット
サービス比較表※消費税増税を控えた現在、価格の表示方法は各社によって異なるため、今回の記事では一部を除きすべて税抜き価格を適用した。
サービス比較表※消費税増税を控えた現在、価格の表示方法は各社によって異なるため、今回の記事では一部を除きすべて税抜き価格を適用した。 全 6 枚 拡大写真
 通信教育をはじめ、学校現場や塾などでタブレットを使った学習サービスが注目を集めている。専用タブレットを提供する通信教育、タブレット向けの学習サービスなど、注目される5社の内容をまとめた。

 文部科学省では、「2020年度までに児童・生徒1人1台の情報端末整備」を目標にICT(情報通信技術)教育を推進しており、学校現場でもデジタル教材の活用が急速に広がってきている。塾でも、浜学園の講義映像配信システム「Webスクール」、希学園の授業動画販売サイト「Nozomiオンデマンド」、Z会進学教室の「映像コース」など、講義映像を自宅のパソコンやタブレットで受講できるサービスが出てきている。

 タブレットなどの情報端末やICTの活用は、家庭学習の在り方も変えつつある。学校や塾に行かなければ受けられなかった授業が自宅で視聴できるようになり、リアルタイムで質問できるサービスも出てきた。ネイティブの英語発音を反復練習したり、苦手なポイントを分析・学習したりすることにも力を発揮。視覚や聴覚を刺激し、やる気を引き出す仕掛けなどで、子どもが自ら楽しく学ぶことにも期待が寄せられている。

◆アプリゼミ
運営:DeNA(ディー・エヌ・エー)
対象:小学1年
教科:算数・国語・英語(入学準備号は「ひらがな」「かず」)
月額利用料金: 2014年6月末まで無料、それ以降は907円(アプリストアでの購入は926円)、無料の「小学校入学準備号」は2014年3月末で配信終了
対応端末:iOS 6.0以上、Android4.0.3以上

 DeNAがモバイルインターネットのノウハウを活用し、子どもたちが楽しく学べるようにと具現化した通信教育アプリ。自分のタブレットやスマートフォンなどに専用アプリをダウンロードして利用することができる。2013年12月に年長児を対象とした「小学校入学準備号」(2014年3月末で配信終了)、2014年4月に「小学1年生講座」の配信をスタート。今後、2015年春に小学2・3年生など、対象学年を順次拡大し、最終的には高校生までを対象とする予定。

 「1日10分」を目安にした教材設計で、「小学1年生講座」は国語、算数、英語を提供。「小学校入学準備号」は「ひらがな」と「かず」が楽しく覚えられるように工夫されている。

◆学研iコース
運営:学研エデュケーショナル
対象:小学1年~中学3年
教科:国語・算数(数学)・理科・社会・英語(小1~4年は理科・社会なし)
月会費:小学生10,482~14,288円、中学生14,473~19,713円、きょうだい割引あり、受講開始時には入会金4,760円が必要(4月15日までの入会手続き完了で入会金0円キャンペーン実施中)

 全国展開している学研教室に専用タブレット「マナボード」による解説や指導を追加した新コース。週2回の教室では、先生によるプリント教材学習に加え、タブレット学習を導入。さらに自宅でも、マナボードが家庭学習をサポート。教室で学習した内容を繰り返したり、前の学年の問題を復習したり、予習に生かすなど、自由自在に活用することができる。

 小中とも、「算(数)・国+iプレミアム」と「算(数)・国・英+iプレミアム」の2コースがあり、主要2~3教科を重点的に学びながら、5教科の学習をカバー。学校の進度に合わせて、学研教室と家庭で学習に取り組むことができる。

◆進研ゼミ
運営:ベネッセコーポレーション
対象:小学1年~高校1年(小学6年は2015年4月開講予定)
教科:国語・算数(数学)・理科・社会・英語(小1~2年は理科・社会なし、高1は英語・数学)
月会費:小学講座2,505~4,615円、中学講座5,000~5,229円、高1講座2教科6,400円(1年契約時の税抜き月額単価、高1講座のみ消費税5%を適用)

 通信講座「進研ゼミ」が、2014年4月号から専用タブレット端末を導入して大幅にモデルチェンジ。先行導入している中1講座に続き、小学講座、中2~3講座、高1講座でも希望する会員は専用タブレットを使って学習できるようになる。

 ライブ授業や動画解説、自動採点、間違いに応じた問題出題、保護者への学習履歴メールなど、発達段階に応じた専用タブレットの活用によって、よりきめ細かな学習サービスが実現。赤ペン先生の問題などは、従来通り紙で提供される。また、小学講座はアラーム機能やごほうびアプリ、中学講座はカメラで質問する機能などもあり、魅力的な端末開発にも力が注がれている。

◆スマイルゼミ
運営:ジャストシステム
対象:小学1年~中学3年
教科:国語・算数(数学)・理科・社会・英語(小1~2年は理科・社会なし)
月会費:小学講座2,980~5,100円、中学講座5,980~6,980円(1年契約時の月額単価)、継続割引あり

 小学校へのデジタル学習導入に10年以上の実績をもつジャストシステムが、効果的な家庭学習の在り方を追究して誕生させた通信教育。専用タブレット1台ですべての学習が完結するため、いつでもどこでも反復練習や個別学習に取り組むことができる。

 小学講座では勉強をがんばるとアプリで遊べたり、中学講座では学習した分だけポイントを貯めて通常のタブレットとして利用できたりするなど、学習の励みになる仕組みも多数用意。その場で答え合わせし、タッチ1つで解説表示されるほか、重点的に学習すべきポイントなども提示してくれるので、保護者がそばにいなくても子ども1人で学習できるという。

◆テレビドラゼミ
運営:小学館グループ
対象:小学1年~6年
教科:国語・算数
月会費:600~1,000円

 通信添削学習「ドラゼミ」の小学生会員を対象とした動画配信サービス。2013年度からオプションコースとして始まり、浜学園の選抜講師陣によるドラゼミ専用講義を提供している。会員は、自宅のテレビやタブレットなどで授業映像を視聴した上で、紙のテキストで学習。さらに自分で解いてわからなかった問題は、解説映像を視聴して理解を深めることで、「通信教育・塾の枠を超えた、良いところどりの新しい学習スタイル」が実現するという。

 ドラゼミでは、保護者が見守る中で学ぶ「リビング学習」を目指しているが、学習指導を授業映像が担うことで、保護者の負担軽減という利点も期待されている。

※消費税増税を控えた現在、価格の表示方法は各社によって異なるため、今回の記事では一部を除きすべて税抜き価格を適用した。税込価格については、各提供社に問い合わせるか公式サイトで確認してほしい。サービスは五十音順。

《奥山直美》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集