教育ICT用語

未来の教科書をみんなで考えよう… DiTT5/25<前編>

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会場には、DiTT会員企業を中心に、ICT企業、教科書会社、ICTコンテンツベンダー等約170名が参加した
会場には、DiTT会員企業を中心に、ICT企業、教科書会社、ICTコンテンツベンダー等約170名が参加した 全 8 枚 拡大写真
 5月25日(月)に、慶應義塾大学 三田キャンパスにて、デジタル教科書教材協議会(以下、DiTT)シンポジウム「未来の教科書をみんなで考えよう!」が開催され、教科書会社、IT企業などから約170名が参加した。

 DiTTは、すべての小中学生がデジタル教科書をもつ環境を実現することを目的に、中村伊知哉氏(慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授)らを発起人として、2010年に発足した(会長:小宮山宏氏。三菱総合研究所理事長 東京大学総長顧問)。

 アクションプランでは2015年までの普及を目的に掲げているが、現時点では目標達成にはほど遠い。そこでこの度、デジタル教科書はどこまで普及したか、何が問題なのか、パネルディスカッションで議論した。

 パネラーとして登壇したのは、遠藤利明氏(衆議院議員)、川瀬徹氏(東京書籍 ICT事業本部 第一営業部長)、黒川弘一氏(光村図書出版 取締役 編集本部長)、菊池尚人氏(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任准教授)、中村伊知哉 DiTT事務局長(慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授)、石戸奈々子 DiTT理事(CANVAS理事長)ら5名。当初参加を予定していた夏野剛氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授)は、ビデオメッセージによる参加となった。

◆ようやく本格的な議論がスタート

 当日は、中村氏よりこれまでのDiTTの歩みについて発表があった。

 DiTTは、2012年に、(1)デジタル教科書実現のための制度改正、(2)デジタル教科書普及のための財政措置、(3)教育の情報化総合計画の策定・実行の3点について政策提言を行った。文部科学省も動き、知的財産推進計画(以下、知財計画)2012で「デジタル教科書・教材の(法的な)位置づけ、教科書検定制度、著作権制度上の課題を検討する」と発表した。

 しかし、論点ははっきりしたが、「検討する」と言いつつ検討は始まらなかったという。そこでDiTTは、検討を急ぐよう要求するとともに、政治家、官僚、学者らを含む有識者会議を発足し、デジタル教科書法案を3年前の秋に提出した。

 国も「学びのイノベーション事業」「フューチャースクール推進事業」などでICTの有用性を検証してきた。昨年の知財計画では、2014年度中に課題を整理し結論を出して、2016年度までに必要な措置を行うと発表。年次が切られたので、前進することは間違いないだろう。

 これを受け、DiTTでは、(1)教育のICT化に向けた環境整備、(2)教員のICT活用指導力向上、(3)クラウド基盤とネットワークの整備、(4)学校での無線LAN環境整備、(5)教育情報化に向けて制度整備、の5つの項目を提言。

 国も超党派で「情報化教育促進議員連盟」を発足し、今年5月12日に「『デジタル教科書』の位置付けに関する検討会議」がスタート。今回のパネラーである黒川氏もメンバーになっている。中村氏は、「3年前から要求してきた議論がようやくスタートした。遅すぎると不満だが、ぜひ後戻りをしないでスピード感を持って進めてほしい」と意見した。

 後編では、当日のパネルディスカッションで交わされた議論と、おもな意見を紹介する。

《石井栄子》

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