15歳から2年間、白山麓で全寮制英語教育…金沢高専の挑戦

 恵まれた環境で教員と生徒が共に生活し、英語で学び、協働する――グローバル社会で活躍できる人材育成を目指す、国内でも類を見ないユニークな学校が2018年、誕生する。

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金沢高専
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 日本三大名山のひとつ、白山の麓という恵まれた自然環境にある寮で15、16歳の学生と教員が共に生活し、英語で学び、協働する――グローバル社会で活躍できる人材育成を目指す、国内では類を見ないユニークな学校が2018年、誕生する。

 金沢工業高等専門学校(以下「金沢高専」)は2018年4月、グローバルイノベーターの育成を目的とする、15歳から大学院修了までの一貫教育スタートの場として石川県の白山麓に「白山キャンパス」(構想中)を開設する。金沢高専のルイス・バークスデール校長は「先進的な工学の知識や洞察力を有するだけではなく、創造的な解決策を用いて、さまざまな分野の専門家や多様な文化・価値観を持つ人々と協働し、グローバル社会において新たな価値を創り出すプロフェッショナル」とグローバルイノベーターを定義する。

◆5+4一貫教育でグローバルに活躍する人材を育成

 1、2年次は白山麓での全寮制、3年次は海外留学、4、5年次は金沢工業大学と共有するキャンパスで専門を学ぶという高専での5年間ののち、金沢工業大学3年次に編入し、大学院修士課程へ進学することで、5+4年間の一貫教育プログラムを修了することになる。

 金沢高専 白山キャンパスのカリキュラムは、まずは金沢市内からクルマで約1時間ほどの白山麓で全寮制でプロジェクト活動と英語を軸に学ぶ(2年間)、英語での授業に慣れたうえで全員ニュージーランドの現地校に留学(1年間)、帰国後は金沢工業大学と共有するキャンパスで英語で専門を学ぶ(2年)という、ほかに例を見ないユニークなものだ。学年が進むにつれ教育環境を変えていくことで、より複雑な課題に取り組めるようになるとする。

 バークスデール校長によると「1、2年時の授業は、数学、理科科目を英語で行う」という。全員を英語で授業を受けられるレベルまで引き上げたうえで、海外に送り出し、留学先では、同校向けのプログラムと現地校の授業を組み合わせた教育を行う。

 帰国後の4、5年次は、国内有数の充実した教育・研究環境が整う金沢工業大学と共有するキャンパスで、専門を英語で学ぶ。卒業後は就職や国内の他大学、海外大学への進学といった選択肢もあるが、4学部14学科を有する金沢工業大学3年次に編入し、大学院修士課程を終えることで、5+4年間の一貫教育プログラムを受けることが可能だ。

◆少人数と全寮制の教育環境だからこそできる英語での授業

 気になるのが求められる英語レベルだが、入学後は専門の資格を持った外国人教員による少人数制の英会話授業で、実践的な英会話力を身につけることができるという。教員は学生と寝食を共にし、理解度の確認やフォローを行い、予習復習をサポートする。1学年男女合わせて90人(予定)という少人数制と、全寮制という環境であるからこそ、英語での授業をどこまで理解しているかをきめ細かく確認し、指導することが可能となるのだ。また授業ではアクティブラーニング、ディスカッションやディベートを取り入れ、効果的なコミュニケーションスキルを磨き、真のリーダーを育成する。一方で、「英語で授業をすることで、帰国子女や留学生の受け入れが容易になり、異なる国や文化の人々と協働する機会をつくることができる」(バークスデール校長)のだという。

◆海外現地校での学びとインターンシップ

 同校の特徴である、3年次1年間のニュージーランド留学では、ニュージーランドの総合国立専門学校であるオタゴポリテクニクで、数理工の科目を、世界各地の学生とともに学ぶ。卒業研究、プロジェクト活動を行うほか、現地企業でインターンシップに参加することも可能だ。全寮制で学ぶ1、2年次に「英語で学ぶ準備」を整えることで、留学先での学びがより効果的になるというわけだ。

 恵まれた環境で仲間たちと学生生活を満喫しながらも、高いレベルで学び続け、グローバル社会において新たな価値を創り出す力が身につくという金沢高専 白山キャンパス。今後の発表にも注目したい。

◆オープンキャンパス・入試説明会

 金沢高専は、2016年10月8日にオープンキャンパス、11月26日に入試説明会を開催する予定だ。

・オープンキャンパス
 2016年10月8日(土)9:00~13:00
・入試説明会
 2016年11月26日(土)9:00~13:00
 ※いずれも申し込みは不要。

 なお、記事の内容は取材時点での計画中の情報であり、変更となる場合がある。今後の情報については、同校Webサイト等で確認いただきたい。

《編集部》

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