若者の投票率、子どものころの経験で20ポイント以上差

 子どものころに親の投票について行ったことがある若者の方が、実際の選挙で投票した割合が20ポイント以上高いことが12月27日、総務省による意識調査の結果からわかった。高校生が選挙や政治に関心を持つためにすべきことでは、「学校で模擬選挙を体験」が最多だった。

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子どもの頃に親が行く投票について行った人の投票
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 子どものころに親の投票について行ったことがある若者の方が、実際の選挙で投票した割合が20ポイント以上高いことが12月27日、総務省による意識調査の結果からわかった。高校生が選挙や政治に関心を持つためにすべきことでは、「学校で模擬選挙を体験」が最多だった。

 「18歳選挙権に関する意識調査」は平成28年10月20~31日、全国の18~20歳の男女3,000人を対象にインターネットで調査した。

 全体のうち、「投票に行った」人は52.5%、「投票に行かなかった」人は47.5%。投票に行かなかった理由は、「今住んでいる市区町村で投票できなかったから」が最多の21.7%。「選挙にあまり関心がなかったから」(19.4%)や「投票に行くのが面倒だったから」(16.1%)という回答も少なくなかった。

 投票に行かなかった人に対し、今後の投票意向をたずねたところ、「今後は投票に行こうと思う」が66.3%と6割を超えた。「今後は毎回行こうと思う」と回答した「18歳」は23.8%にのぼり、「19歳」11.7%、「20歳」11.1%と比較すると、2倍以上の差がみられた。

 子どものころに親が行く投票について行った経験の有無で「投票に行った」人の割合を比較すると、「ある」63.0%、「ない」41.8%。親の投票について行ったことがある人の方が、投票した割合が20ポイント以上高かった。

 親との同居・別居で「投票に行った」人の割合を比較したところ、「一緒に住んでいる」61.5%、「一緒に住んでいない」32.6%と、親と同居している人の方が約30ポイント高かった。「親と一緒に住んでいない」人では、住民票を現住所に「移している」人の方が、投票した割合は約10ポイント高かった。

 また、高校で選挙や政治に関する授業を「受けたことがある」人の方が、「受けたことがない」人よりも投票に行った割合が約7ポイント高い傾向もみられた。

 高校時に受けた選挙・政治に関する授業の内容は、「選挙の仕組みや投票方法を学ぶ授業」がもっとも多い25.9%。ついで「『私たちが拓く日本の未来』(副教材)を使用した授業」17.2%、「選挙や政治に関する新聞記事を使った授業」9.2%であった。

 高校生が選挙や政治に関心を持つためにすべきことをたずねた結果では、「学校で模擬選挙を体験する」が最多の23.1%だった。続いて、「学校で選挙や政治に関するディベートや話し合いを行う」16.8%、「議員や政党の関係者に来てもらって政治の話を聞く」13.3%など。

 このほか、全国の選挙管理委員会1,963団体を対象に平成27年度と平成28年度(7月10日まで)に実施した「主権者教育等に関する調査」の結果によると、平成25年度と比較して、選挙出前授業の実施団体数は3倍以上、高校や高等専門学校における出前授業の実施学校数は約30倍、受講生数は約50倍に増加した。模擬選挙のテーマは、「特定の地域課題」がもっとも多かった。

《奥山直美》

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