オリンピック・パラリンピック教育の認知度44%…都調査

 東京オリンピック・パラリンピックに関心がある人は多いが、平成28年度より都内の公立学校でオリンピック・パラリンピック教育が行われていることを知っている人は半数以下だったことが、東京都教育モニターアンケートにより明らかになった。

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平成28年度より、都内全ての公立学校で「オリンピック・パラリンピック教育」が行われていることを知っているか
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 東京オリンピック・パラリンピックに関心がある人は多いが、平成28年度より都内の公立学校でオリンピック・パラリンピック教育が行われていることを知っている人は半数以下だったことが、東京都教育モニターアンケートにより明らかになった。

 東京都教育委員会は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会、さらにその先に活躍するために必要な力を子どもたちに身に付けさせるため、平成28年度より、すべての公立学校でオリンピック・パラリンピック教育に取り組んでいる。

 平成28年度第1回東京都教育モニターアンケート「オリンピック・パラリンピック教育の推進について」は、平成28年9月に実施。男性40人、女性41人の計81人より回答を得た。回答者の年齢層は、10代~20代が3人(3.7%)、30代~40代が40人(49.4%)、50代以上が38人(46.9%)。

 東京オリンピックに「とても関心がある」「ある程度関心がある」と回答した人は90.1%、東京パラリンピックに「とても関心がある」「ある程度関心がある」と回答した人は83.9%にのぼり、多くの人が関心を持っていた。

 しかし、2016年度より都内のすべての公立学校で「オリンピック・パラリンピック教育」が行われていることを「知っている」と回答した人は44.4%と半数以下だった。

 オリンピック・パラリンピック教育で、東京都教育委員会が児童・生徒に対して重点的に育成している5つの資質のうち、「社会に貢献する意欲や、思いやりの心などのボランティアマインド」が重要だと考える人が46人と最多。そのためには、「思いやりの心をもって行動し、家族や地域社会に貢献しようとする意識などを身に付ける道徳教育」に取り組んでいくべきだという意見が多かった。

 そのほか、「障害者スポーツの観戦や体験」「オリンピアンやパラリンピアンなどのアスリートとの交流やスポーツ観戦など、本物に触れる体験をする」「東京や日本の伝統文化・芸能など(和楽、国技、特産品、祭りなど)を体験する」「地域在住の外国人や留学生、国際団体などと交流する」などの取組みが必要という回答が多かった。

 オリンピック・パラリンピック教育を家庭や地域と連携して進めるために、「地域ボランティアやスポーツ大会などの地域行事に積極的に関与する」「学校での学習活動に、地域住民・保護者も参加できるようにする」などの取組みが効果的であると考えられていた。

 また、オリンピック・パラリンピック教育のレガシー(遺産)として、「オリンピック・パラリンピックの感動が、子どもたちの心と体にかけがえのないものとして残り、人生の糧となること」「学校における多様性への理解、国際交流、伝統・文化の理解、ボランティアなどの取組みを、大会後も長く続く教育活動として発展させていくこと」などが期待されていた。

《外岡紘代》

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