住居の部屋数、学習時間に影響…東京都「子どもの生活実態調査」

 東京都は2月23日、子どもと子育て家庭の生活状況などに関する「子どもの生活実態調査」結果の概要(中間まとめ)を公表した。首都大学東京と連携して、小中高校生と若者(15~23歳)を対象とした2つの調査を実施。今後の子ども・子育て支援施策の参考にするという。

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 東京都は2月23日、子どもと子育て家庭の生活状況などに関する「子どもの生活実態調査」結果の概要(中間まとめ)を公表した。首都大学東京と連携して、小中高校生と若者(15~23歳)を対象とした2つの調査を実施。今後の子ども・子育て支援施策の参考にするという。

 都内の4自治体(墨田区・豊島区・調布市・日野市)在住の小学5年生、中学2年生、16~17歳の子どもとその保護者を対象とした「小中高校生等調査」の調査期間は平成28年8月5日~9月7日。子どもの就学状況、学習状況、生活状況などの項目について、子ども8,367票と保護者8,429票の回答を得た。

 子どもの住む住居の広さは「4室以上」が多いが、居室の数が少ない住居では子どもの学習時間が少ない傾向にある。16~17歳で居室が「3室以上」の場合、9割以上が家の中で勉強する場所を持っているが、「2室」の場合は82.2%にとどまる。授業以外の学習時間について「まったくしない」とした割合が「4室」では22.2%だったのに対して、「2室」では37.8%と15ポイント以上の差が生じていた。

 16~17歳の在籍する学校は「私立」52.2%がもっとも多く、「公立」は44.1%、「国立」は1.6%となっている。私立高校に進学した理由を聞くと、全体では「私立高校の方が教育の質が高い」がトップだったが、生活が困窮している層では「公立高校の入試に合格しなかった」という理由が54.4%を占めた。

 授業の理解度に関する質問では、小学5年生の85.6%、中学2年生の74.6%が「いつもわかる」「だいたいわかる」と回答。一方、授業がわからないと回答した子どもにその時期を尋ねると、小学5年生の36.6%が小学3年生までにわからなくなり、中学2年生の34.4%が小学校段階でわからなくなったと答えた。

 学習塾に通っている(または家庭教師に来てもらっている)小学5年生は49.8%、中学2年生は51.6%だが、16~17歳では30.3%に減少。家で勉強できない時に静かに勉強できる場所を使ってみたいかを聞くと、小学5年生の35.3%、中学2年生の37.7%、16~17歳の44.8%が「使ってみたい」と答えた。

 3自治体(新宿区・足立区・八王子市)在住の15~23歳の若者とその保護者を対象とした「若者(青少年)調査」の調査期間は平成28年5月14日~6月13日。子どもの就学・就業状況、生活状況、保護者の就業状況などについて、若者1,056票、保護者1,022票の回答を得た。

 高校卒業後の進路について、低所得・非低所得ともに私立大学への進学が6割以上を占めた。また、短大・専門学校へ進学する割合は低所得が多く、国公立大学は非低所得の方が多かった。

 学校をやめたくなるほど悩んだことがあるかを聞くと、36.4%が「経験あり」と回答。15~18歳については、29.8%が「学業の理由」、14.7%が「人間関係の理由」、12.3%が「心身の健康の理由」、7.0%が「経済的な理由」で学校をやめたくなるほど悩んだことがあると答えた。

《黄金崎綾乃》

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