子供の5人に1人「口ぽかん・いびき」口育にはフーセンガム

 ロッテは、2022年6月8日、全国の3~12歳の子供を持つ親を対象に実施した「子供の口腔機能発達」に関する意識調査の結果をまとめた。調査期間は2022年5月20日(金)~23日(月)までの4日間。全国の3~12歳の子供を持つ親にWebアンケート調査を実施。

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口腔機能発達不全を示す症状の割合調査とリスク
口腔機能発達不全を示す症状の割合調査とリスク 全 8 枚 拡大写真
 ロッテは、2022年6月8日、全国の3~12歳の子供を持つ親を対象に実施した「子供の口腔機能発達」に関する意識調査の結果をまとめた。

 同調査は、「口腔機能」が広く認知されていない実態を明らかにするために実施。「口腔機能」とは、噛む、舌を動かす運動を含めた「食べる機能」「話す機能」「呼吸する機能」等、口周りに関する基本的な機能を指す。2018年には、15歳未満の子供において「口腔機能」が正常ではない状態に「口腔機能発達不全症」という病名が制定され、公的医療保険での治療も認められるものの、「口腔機能の重要性」は虫歯予防等に比べると認知度は低い。そこで、子供の「口腔機能」に対する意識について、全国3~12歳の子供を持つ親を対象にWebアンケート調査を実施した。有効回答数は400名。調査期間は2022年5月20日~23日までの4日間。

 「口腔機能発達不全症」のサインには、気がつくと口が開いてしまう「お口ポカン」な状態や、鼻詰まりがないのにも関わらず「いびきをかく」症状があげられる。これらの症状の割合を調査すると、「お口ポカン」18.0%、「いびき」18.8%と約5人に1人の子供に症状がみられた。また、6~7人に1人の子供に「やわらかいものばかり好んで食べている」16.0%、「食べ物をなかなか飲み込まない」15.5%、10人に1人の子供に「滑舌が気になる」11.5%、「片側の歯・顎ばかりで噛んでいる」11.0%といった症状があることが判明した。さらに、子供の年齢を2歳ずつ区切って分析。すると、3、4歳の子供の22.5%に「お口ポカン」、3、4歳と9、10歳の子供の25%に「いびき」の症状があることがわかった。それぞれの症状を総合的にみると、低年齢の子供ほど症状を持つ割合が高くなる傾向に。この調査に対してみらいクリニック今井一彰院長は、「子供にそれぞれの症状があることを自覚していない親も多い。いびきやお口ポカンは、感染症や歯並びの悪化、アレルギー性疾患の重要なサイン。我が子を注意深く観察してほしい」とコメントしている。

 「子供の成長において、虫歯予防を普段から意識しているか?」の問いに、「虫歯予防を普段から意識している」64.2%の回答に対し、「口腔機能の発達を普段から気にしている」と回答したのは29.5%で3割以下の結果となった。また、子供が通う幼稚園・保育園・学校での虫歯と口腔機能の発達に関する取組みに関する質問では、「虫歯予防の取組みが行われていた」58.3%に対し「口腔機能に対する取組みが行われていた」は27.5%、「わからない」が約半数に及んだ。「口腔機能」に対する関心度合いの違いが垣間見えた。

 2018年に制定された「口腔機能発達不全症」については、67.3%が「病名を知らなかった」と回答。その一方、虫歯や歯周病、痩せ、肥満等、「口腔機能発達不全症」によるリスクを伝えると、74.0%の親が「症状を改善したい・対策が必要だと思う」と回答。病気の認知度は低いが、症状やリスクに対する危機感は高く、改善・対策の必要性を感じる親が多いことがわかった。

 「マスクを外す時間が増えたことによって、子供の歯・口の健康状態に対する意識に変化はあったか?」の問いに「意識に変化はあった」51.4%、「コロナ禍以前と変わらない」37.2%、「意識が低下した、変化に気づきにくくなった」11.4%という結果に。今後、マスクを外す時間が増えることにより、口腔に対する意識もあがることが予想される。

 みらいクリニックの今井一彰院長は、「日常的なマスク習慣により、テレビを見たりして集中しているときの『お口ポカン』『口臭』といった将来の病気のリスクが文字通り『マスク(覆い隠される)』されている。口元への意識が薄れると、いびきや歯並びの悪化等の増加も懸念され、慢性的な口呼吸を引き起こしかねない。口呼吸は虫歯や歯肉炎、歯並びの悪化といった口の問題だけでなく、鼻炎、アデノイド(咽頭扁桃)肥大、中耳炎・副鼻腔炎等の鼻疾患も引き起こす。普段から発音、話し方等に注意し、マスクの中の口の状態を気にかけ、心配な場合は小児歯科医等の専門家に診断を仰ぐ必要がある。口腔機能の健全な発達は全身の健全な発達を促すため、噛み応えのある食事を積極的に摂ることや口周りの筋肉を鍛える運動も推奨される。健康な口作りは将来の病気を予防したり、健康的な生活を送ったりするための第一歩」とコメントしている。

 なお、口育のトレーニングには「お口遊び」が効果的。「シャボン玉」や「吹き戻し」等口を使った遊びや、「フーセンガム」では「噛む」ことに加えて「舌を動かしてガムをまとめる・伸ばす」「口をしっかり閉じる」等、繊細な動きと筋肉運動が必要で口周りのトレーニングとして有効と考えられている。

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