【高校受験2023】東京都立高入試、コロナ対応や選抜改善等を報告

 東京都教育庁は2022年9月22日、2023年度(令和5年度)東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書を公表した。2023年度入試では新型コロナウイルス感染症対応策を前年度と同様の方針で進める他、男女別定員制の緩和、合否判定の点検を強化する。

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報告書の概要(一部)
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 東京都教育庁は2022年9月22日、2023年度(令和5年度)東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書を公表した。2023年度入試では新型コロナウイルス感染症対応策を前年度と同様の方針で進める他、男女別定員制の緩和、合否判定の点検を強化する。

 東京都教育委員会は、5月に「2023年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会」を設置。2022年度(令和4年度)入学者選抜を検証する中で、これまでの入学者選抜方法の成果と課題を明らかにするとともに、2023年度入学者選抜以降の改善策等を検討し、報告書を取りまとめた。

 報告書の概要にまとめられた項目は「新型コロナウイルス感染症に係るおもな対応」「学力検査に基づく選抜の改善」「入学者選抜における合否判定の点検」「再発防止・改善策に基づく採点・点検の取組」「その他の制度」の5項目。

 「新型コロナウイルス感染症に係るおもな対応」は、濃厚接触者等の受検機会を確保するための別室受検を継続する方向で検討。推薦に基づく選抜は、集団討論は行わず、文化・スポーツ等特別推薦の基準に大会の実績や資格・検定試験等の成績に関わる内容を含めず、「実績等を証明する書類等の写し」の提出も求めない方針で検討。学力検査に基づく選抜は、検査を1日で実施し休憩時間を30分間とする等、基本的に前年度(2022年度)と同様の方針で検討を進めている。

 「学力検査に基づく選抜の改善」では、男女合同選抜への移行措置として、男女別定員制の緩和を3段階に分けて段階的に移行する方向で検討。2023年度は2段階目となる20%緩和で実施する方針。中学校英語スピーキングテスト結果の活用については、今後も中学校へ丁寧な周知を図るとともに、高校での学びにつなげる方法の検討を実施。分割募集については、実施状況の検証結果で大きな課題は認められず、学校のさまざまな状況に応じて分割募集の割合を設定したことはおおむね効果的であったことから、今後も募集人員について柔軟に対応していく方向で検討を進める。

 「入学者選抜における合否判定の点検」では、合否判定の誤りを防止する観点から、10月ごろに管理職を対象とした研修を、12月ごろに入学者選抜関係教職員を対象とした研修を新たに導入。また、採点システムを合格候補者決定システムへと改修し、システム内で合格候補者の決定から合格発表までに必要な帳票を作成できるようにする等、入学者選抜業務に関する確認・点検を行い、合否判定の誤り防止を強化する方向で検討を進める。

 また、「その他の制度」では、入学者選抜出願に係る提出書類の様式について、男女の性別を受検者に記入させることで受検者に心理的に負担をかける状況が生じることもあるため、入学願書における性別を記入する欄は削除する方向で検討。複雑な事務負担を軽減するべく、出願手続については全校でインターネットを活用した出願を実施する方向。練習用サイトの開設、考査料の支払い方法の拡充、学校説明会等での周知等、システム面、運用面でそれぞれ検討を重ね、万全を期する。

 東京都教育委員会では、今回の報告を踏まえ、2023年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目で詳細を設定。前年度との変更点や改善の趣旨等をまとめ、Webサイトに掲載している。報告書は、東京都教育委員会Webサイトにて公開、詳細を閲覧できる。

《畑山望》

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