約8割「子育て・家事は夫と妻が同等がよい」ベネッセ調査

 ベネッセ教育総合研究所は2023年8月24日、「乳幼児の保護者のライフキャリアと子育てに関する調査」の結果を公表。「子育て・家事を同等」に賛成する一方、半数以上は「実際には難しい」と感じており、子育て支援として、経済的な支援・軽減への期待が高いことがわかった。

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妻の就業の有無にかかわらず、家事・子育ては、夫と妻が同等にするほうがよい(職業の有無別)
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 ベネッセ教育総合研究所は2023年8月24日、「乳幼児の保護者のライフキャリアと子育てに関する調査」の結果を公表した。「子育て・家事を同等」に賛成する一方、半数以上は「実際には難しい」と感じており、子育て支援として、経済的な支援・軽減への期待が高いことがわかった。

 「乳幼児の保護者のライフキャリアと子育てに関する調査」は、2023年3月に、国内に住む0~6歳(未就学児)の第一子をもつ母親・父親各2,891名を対象に、Web調査を行った。なお、母親、父親は夫婦ペアデータではない。

 「妻の就業の有無にかかわらず、家事・子育ては、夫と妻が同等にするほうがよい」について、母親・父親ともに8割前後が賛成(「よいと思う」)しているが、その半数以上は「よいと思うが、そうするのは難しい」と回答。特に、無職母親と、有職父親(母親は無職)は、全体の5割前後が「よいと思うが、そうするのは難しい」と回答した。

 子育ての分担について、有職母親の49.1%、無職母親の70.1%は、子育てを自分が「8割~10割」担っていると回答。一方、有職父親(母親は有職)の場合50.0%、有職父親(母親は無職)の場合67.7%が子育てを「0割~3割」担っていると回答。職業の有無にかかわらず、実際の育児・家事分担比率は、母親に大きく偏っていることがわかる。

 親、家庭人、職業人、個人の役割意識について、「親としての自分」「家庭人としての自分」の役割意識は、母親は理想より現実の方が高く、特に無職母親であきらかに高い。一方、父親は、「職業人としての自分」の役割意識が、理想より現実の方が高く、母親(妻)が無職の場合、より高い結果となった。

 子育てやキャリアの悩みについて、「子供と長く一緒にいることで疲れることがある」については、父親より母親の方がそう感じる頻度が高く、特に無職母親が高い傾向にある。無職母親は、「子供を預かってくれる人を見つけるのが難しい」と感じており、「家庭のこと(子育てや家事等)と両立できる条件の仕事を見つけるのが難しい」にも8割が「よくある+時々ある」と回答している。

 妊娠・出産・子育て支援への期待として、母親の第1位は「子供を安心して預けられる園における保育の質の確保」86.0%、父親の第1位は「父親が家事・子育てに参加しやすい職場の制度や環境」78.8%だった。なお、「とても期待する」の回答でみると、母親・父親ともに第1位は「子供の医療費の軽減、無償化の取組(母親59.1%・父親38.7%)」、第2位は「子育てや教育にかかる費用の支援、軽減(母親55.7%・父親36.7%)」と、経済的な支援・軽減への期待が高かった。

 母親・父親の子育て観や仕事観、性別による役割観に影響を与えている人や環境の上位は、「配偶者/パートナー」「自分の親」「配偶者/パートナーの親」などの親族だが、母親の約半数は「世の中の風潮や常識」と回答している。ベネッセは、「社会を構成する私たちひとりひとりが、性別による役割観や子育てに関する考え方を見直し、社会の風潮・常識を変えていく意識が必要ではないか」と考察している。

《中川和佳》

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