ロボコン世界一「お薬管理ロボット」に実用新案登録証を授与

 追手門学院大手前中・高等学校は2023年12月18日、ロボットサイエンス部の中学生チームが開発し、国際ロボットコンテスト2022で世界一となった「お薬管理ロボット」の実用新案登録証授与式を開催する。

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WROに出場した古本さん、水谷さんと お薬管理ロボット「Pal」
WROに出場した古本さん、水谷さんと お薬管理ロボット「Pal」 全 2 枚 拡大写真

 追手門学院大手前中・高等学校は2023年12月18日、ロボットサイエンス部の中学生チームが開発し、国際ロボットコンテスト2022で世界一となった「お薬管理ロボット」の実用新案登録証授与式を開催する。

 追手門学院大手前中・高等学校の中学生チームのロボットサイエンス部は、2022年に医師が処方した薬を画像で認識・分別し、必要な量と種類を患者に提供する「お薬管理ロボット」を開発した。そして、世界最大級の国際ロボットコンテスト「WRO(World Robot Olympiad)2022」で世界一となり、実用新案権を取得した。12月18日、日本弁理士会の担当者が訪問し、ロボットを開発した古本美月さんと水谷風花さん(現在、いずれも高校1年生)に実用新案登録証を手渡すという。

 「心に寄り添うお薬管理ロボット『Pal』」は、少子高齢化や核家族化を背景に、医療支援を目的として開発。必要な錠剤薬の種類や数を登録し、包装された状態で挿入口に入れると、AI搭載のカメラが識別し、アームが必要分を包装から押し出して薬を提供する。また、患者の音声を認識して、健康状態を家族や医師に知らせる機能を備えている。

 このうち、実用新案権として認められたのは「錠剤を取り出す装置」のアイデア。開発した中学生らは、錠剤を真上から均等に力を加えて押し出すよりも、斜めから押し出したほうが、少ない力で取り出すことができることを発見し、アームの動作機構に組み込んだことが評価されたという。

 今回の権利化は日本弁理士会の助言によるもので、ちょっとしたアイデアが特許、実用新案登録に繋がることで、若者の発明への関心を高める狙いがあるとしている。古本さんと水谷さんは、「試行錯誤したアイデアが権利として認められて嬉しい」とコメントしている。

 ロボットサイエンス部は、11月にパナマで開催された「WRO2023」でも、世界85か国中8位に入賞した。今後もロボット開発を通じて、社会課題解決への貢献を目指すとしている。

◆実用新案登録証 授与式
日時:2023年12月18日(月)15:00~
場所:追手門学院大手前中・高等学校 テックラボ (大阪市中央区大手前1-3-20)
参加:日本弁理士会関西会2名、ロボットサイエンス部、教職員

《いろは》

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