科学技術研究費、過去最高20.7兆円…研究者数は7年連続増

 2022年度の科学技術研究費の総額が、過去最高の20.7兆円となったことが2024年4月12日、総務省統計局の調査結果より明らかとなった。研究者数は7年連続で増加し、女性研究者は18万3,300人で過去最多となった。

教育・受験 その他
研究主体別研究費の推移
研究主体別研究費の推移 全 5 枚 拡大写真

 2022年度の科学技術研究費の総額が、過去最高の20.7兆円となったことが2024年4月12日、総務省統計局の調査結果より明らかとなった。研究者数は7年連続で増加し、女性研究者は18万3,300人で過去最多となった。

 科学技術研究調査は、日本の科学技術に関する研究活動の状態を調査し、科学技術振興に必要な基礎資料を得ることを目的として総務省統計局が毎年実施しているもの。2023年(令和5年)科学技術研究調査報告は、企業1万3,500件、非営利団体・公的機関が約1,100件、大学など約4,000件の計1万8,600客体を対象に、5月中旬に調査票を郵送し、うち92%から回答を得た。調査日は6月1日。

 2022年度の研究費の総額は、対前年度比4.9%増の20兆7,040億円で、2年連続増加し過去最高となった。研究主体別の内訳は、企業が73.1%(15.1兆円)、大学等が18.6%(3.8兆円)、非営利団体・公的機関が8.4%(1.7兆円)。国内総生産(GDP)に対する研究費の比率は、3.65%と前年度に比べ0.09ポイント上昇した。

 政府が戦略的に取り組むべき基盤技術として位置付ける特定目的3分野に使用した2022年度の研究費は、AIに2,725億円(対前年度比56.3%増)、バイオテクノロジーに3,850億円(同55.1%増)、量子技術に1,322億円(同13.2%増)で、前年度と比較するとAIとバイオテクノロジーの増加が大きい。

 2023年3月31日現在の研究者数は、対前年度比0.2%増の91万400人と7年連続で増加し、過去最多。研究者1人あたりの研究費は、2,274万円(対前年度比4.6%増)で、2年連続増。女性研究者数(実数)は、18万3,300人(対前年度比4.5%増)で、研究者全体に占める割合は18.3%(前年度比0.4ポイント増)と実数・割合共に過去最高となった。

《川端珠紀》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集