日本、教育費高いが公的支出は低い水準…OECD調査

 経済協力開発機構(OECD)は9月11日、加盟国の教育施策に関する調査「図表でみる教育2012」を公表した。日本は、他の加盟国に比べ、子ども一人当たりの教育支出が高い反面、教育に対する公的支出の水準が低く、家庭負担が重い実態が明るみになった。

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主要国の高等教育における授業料と学生支援
主要国の高等教育における授業料と学生支援 全 2 枚 拡大写真
 経済協力開発機構(OECD)は9月11日、加盟国の教育施策に関する調査「図表でみる教育2012」を公表した。日本は、他の加盟国に比べ、子ども一人当たりの教育支出が高い反面、教育に対する公的支出の水準が低く、家計負担が重い実態が明らかになった。

 日本の国内総生産(GDP)に占める公的教育支出は3.6%(2009年)、一般政府総支出に占める割合も8.9%(09年)と、いずれも比較可能な加盟国中最下位だった。一方、在学者一人あたりの教育支出(学校外の教育負担は含まない)は高く、すべての教育支出に占める私費負担の割合も31.9%(2009年)と、チリ、韓国に続き3番目に高かった。

 また、日本の高等教育の授業料は高く、2008~2009年度の公的な大学型高等教育機関の授業料は、アメリカ、韓国、イギリスに次いで高かった。その反面、学生への財政的支援は他の加盟国に比べて乏しく、公的な貸与補助や奨学金、給与補助を受けている学生の割合は、アメリカ76%、イギリス94%に対し、日本は33%にとどまった。

 このほか、日本は就学前教育を受ける子どもの割合が高く、4歳児が幼稚園などで教育を受ける割合は97.2%(2010年)と、加盟国中7番目に高かった。しかし、日本の就学前教育支出の対GDP比は0.2%(2009年)と、加盟国中で4番目に低い水準。日本の就学前教育に対する支出のうち、55%が私費負担で、その多くが家計支出となっている。

《奥山直美》

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