インドの栄養失調児対策、国境なき医師団の活動で一歩前進
インド・ビハール州の資金管理団体「ステイト・ヘルス・ソサエティ」が深刻な合併症をともなう重度急性栄養失調児のための栄養失調集中治療室(MICU)を3月1日、同州のダルバンガ医大病院に開設した。
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
国境なき医師団(以下MSF)と同医大保健省スタッフが共同で運営することになるMICUは、ダルバンガ地区での合併症をともなう最重度栄養失調児の治療拡大が目的で、命の危険の高い子どもを対象に入院施設が整った専門的な治療を行うインド国内で初めての施設となる。
2005~2006年に行った第3次インド全国家族健康調査(NFHS-3)によると、ビハール州では5歳未満児の8.6%にあたる子どもたちが重度の栄養失調にかかっており、ダルバンガ地区だけで27,000人以上の子どもたちが重い栄養失調にかかっているという結果が出ている。
ダルバンガ医大学長であるS.N.シンハ医師は「この施設によって、ビハール州における栄養失調対策の規範が確立されることを期待しています。そしてそれがダルバンガ地区から栄養失調をなくす一助になると確信しています」と、ひとりでも多くの子どもたちを救おうと立ち上がるMSFの活動に期待を寄せている。
1990年からインドで活動を続けてきたMSFは、現在アンドラプラデシュ州やチャッティースガル州など合わせて6つの州でもプログラムを展開している。
《田邊良恵》
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