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代表取締役として子どもたちの将来を見据えた教育理念を掲げ、かつ子ども目線で教鞭をとるのは早稲田大学法学部4年生の白石優太さんだ。現役大学生が率いる「AiQ」が目指す、教育理念や取組みについて話を聞いた。
「論理的思考力」がないと生き残れない時代へ
--「AiQ」では算数とプログラミングをベースに「理数脳」の育成を目指すとお聞きしています。それにはどういった目的があるのでしょうか。
ご存知の方も多いと思いますが、2020年度より、全国の小学校で 「プログラミング教育」が必修化されます。これは、グローバル化やICT技術の加速度的な進歩、少子高齢化時代にどう向き合っていくかという課題に対し、国や社会が「理系シフト」戦略を明確に打ち出したということにほかなりません。
ただ、必修化といっても「プログラミング」という教科が新しく加わるのではなく、国語や算数、理科、社会といった従来の教科それぞれで学ぶべき論理の部分を、プログラミングをツールとしてより深く身に付けさせようというもの。プログラミング言語やコーディングのスキルを習得するのではなく、プログラミングによって育まれる論理的な思考パターンを早いうちから身に付けることが目的と明言されています。
このことからもいえるように、これからの世の中を生きていくためには、論理的に考える力が備わっていないと取り残されてしまう、わからないことが多くなってしまう世の中になりつつあると思います。不安定な時代だからこそ、お子さまが将来どんな職業に就かれる場合でも生かすことができるような「理数脳」を育み、社会に新たな価値の創造やブレイクスルーを自ら興すことのできる人材を育てていきたいと考えています。
--世の中が「理系にシフトしている」ということですね。では、具体的に「理数脳」とはどういったものなのでしょうか。
当塾が育成していく「理数脳」とは、1つの問題に対して複数の解答方法を提示できる「論理的思考力」だと考えています。答えのない問題であっても、それまでに学んだ論理的思考力や知識をフルに生かしたうえで、いくつもの仮説を打ち立てて、さまざまな観点から論証に挑んでいくこと。算数・プログラミングを使いこなすことで、そんな「理数脳」を伸ばすことができると考えています。
たとえば、算数の問題を解く場合。一見、幾何の問題であっても代数での解き方を考えさせたり、同じ図形であっても着目する点を「辺の長さ」なのか、「面積」なのか、それともそれらの「比」なのか……などを考えさせるような指導を行います。そうすることで、自らの力で解答の筋道を組み立てることができる力を養うことができ、それが論理的思考力取得へとつながっていきます。
初めて見る問題でも、解法を作り上げていける。その過程はプログラミングにも共通しているんです。算数とプログラミングは表裏一体のもの。プログラミングを使って算数を解くこともできれば、算数の知識がないと高度なプログラミングはできません。

算数とプログラミングには本質的な共通点がある
--「算数とプログラミングは表裏一体」。具体的にはどういうことなのでしょうか。また、両方を同時に学ぶメリットを教えてください。
算数は、問題の提起から解答に至るまでの間にある「論理的プロセス」がとても大事な教科です。「1+1」という問題があって、いきなり「2」という答えが出るのではなく、そこには必ず「どう考えたらその答えが出るのか」という理屈があるんです。ある問題をいろいろな角度から見て、最適な思考法を選び出したり組み合わせるなど、いろいろな過程(=論理的プロセス)を経ることが、算数の問題を解くためには不可欠です。
一方でプログラミングは、この答えに至る「プロセス」を、コンピューターが解釈できるプログラミング言語によって記述する行為。自分の思いどおりにコンピューターを動かすためには、どのような指示が必要で、どのように組み合わせたらいいのか、論理的に考えてプロセスを組み立てていくことが求められます。
つまり、算数にもプログラミングにも、問題と答えの間にある「論理的プロセスを組み立てる」ことが必ず必要になるという本質的な共通点があります。もちろん、国語や社会といったほかの教科にも論理的な考え方は必要ですが、もっとも親和性が高いのが算数です。プログラミングにも論理が必要、算数にも論理が必要。お互いを補完し合うことで、それぞれを単体で学ぶより、セットで学ぶことの相乗効果が期待できると考えています。
論理的に考えるクセを付けるのは低学年のうちから!
--「論理的プロセス」というとなんだか難しそうな印象です。小学校低学年でも理解できるのでしょうか。
むしろ、余計なことを考えたりしない、苦手意識のない幼児から小学校低学年の時期こそがベストだと思います。素直に物事を吸収するこの時期に、「算数が好き、得意」という意識をもってもらうことが第一。そして、「物事にはこういう過程があってこうなっている」と、仕組みや論理的プロセスを考えるクセを付けていくことが大事です。
--具体的にはどんな指導を行っているのでしょうか。
準個別指導という形で、1人の講師に対して生徒は1、2名。1コマの授業のなかで算数の問題を解いたり、息抜きにプログラミングしたりするなど、その子の集中具合などを見て柔軟に対応しています。
プログラミングについては、まずは「スクラッチ」という、ブロックタイプのプログラミング言語から始めます。「10歩動かす」「○回繰り返す」といった命令を組み合わせることでアニメーションが動くので、自分が作ったものを視覚的に見ることができ、小さなお子さんが考えながら手を動かすのに適しています。
その後、徐々に難易度を上げていき、プログラム言語などを使用してゲームアプリを作ったりWebサイトのページを作ったりといった実践的なプログラミングにステップアップしていきます。
算数の教材に関しては、算数オリンピックのような思考力が問われる問題をセレクトしています。一見難しそうでも、ヒントやアプローチを与えることでスッと理解してしまうのが子どものすごいとろですね。学校での進度にこだわらず、できる子には上の学年のものに挑戦させたりしながら能力を伸ばしていきます。

プログラミングが算数のモチベーションアップにつながる
--プレ校舎での授業を開始してから3か月が経ちますが、通われている生徒さんにどんな変化を感じますか。
ゲームが大好きな子どもたちが多いのですが、当塾でプログラミングを学んでいくなかで、そのゲームがどのような構造で作られているかがわかり、ただ漫然とゲームをするのではなく、意味をもってゲームをするようになってきていますね。
算数とプログラミングをセットで学習させることで「やるだけ」の興味から「作る」興味へシフトした小学校1年生もいます。同じくゲーム大好き少年だった6年生も、初めは算数が嫌いでしたが、プログラミングも一緒に学習することで算数のモチベーションが上がり、偏差値も上がりました。
実際、プログラミングに算数の考え方が必要になることも多くあります。パソコンの画面上のキャラクターを斜め方向に動かすために、X・Yの座標軸や角度などを理解して、ゲーム感覚で使いこなしている子もたくさんいますね。
算数は机上で行う座学ですが、プログラミングは実際に手を動かしながら行うもの。自分が命令したプログラムでキャラクターが動いたり変化したり、実際にビジュアルで理解できるのはプログラミングならでは。「座学と実践」として、セットで学ぶ効果は高いと思っています。算数とプログラミングをミックスしたカリキュラムは、ほかの塾や家庭教師ではなかなかできないと思います。
--算数に対して、すでに苦手意識をもっている子どももいると思います。どんな部分に目を付ければ伸ばしていけるとお考えでしょうか。
算数が得意でない子は、親がおしつけた勉強や塾などの影響で、苦手意識をもっていることが原因なのかなと思います。そのような苦手意識をなくすため、机上の論理での法則や式にこだわるのではなく、「なぜ、この問題が出ているのか?どんな役に立つのか?」を、子どもと同じ目線で、わかりやすく指導しています。
問題を間違えてしまったとしても、間違いは誰でもあることなので落胆せずに、次に同じ問題が出たときには間違わないようにしようといった意識、気持ちを伸ばすことは大事だと思います。
また、講師は大学生や大学院生が中心。講師自身が中学受験や大学受験を経験しているので、受験の大変さや子どもの心理についてもよく理解しています。子ども好きな講師を集めているのはもちろんですが、年齢が近いぶん生徒との距離が近いのも特長です。わからないことを質問しやすい雰囲気でいられるように心がけていますね。
思考力の土台があれば中学受験は乗り越えられる
--リセマム読者のなかには、中学受験を検討されているご家庭も多いのですが、「AiQ」での学びは、中学受験を考える子どもにとってどういったメリットがあるとお考えでしょうか。
今後、中学受験対策をするうえで、いわゆるテストで得点を得るための勉強をしたり、過去問を解いたりといった必要性が出てくると思いますが、そこに至るまでに培った論理的思考力のベースがあるのとないのでは大きく違います。
論理的に考えることが当たり前になっていれば、いざ中学受験対策の塾に通い始めて思考力が問われるような問題に直面したとしても、「いきなり問題の質が変わった」とは思わないはず。数学・プログラミングを使いこなす理数脳を伸ばすことで、中学受験を突破できる能力は自ずと備わってきます。
また、当塾でもゆくゆくはAI分析を導入することで、子どもの苦手分野や考え方の傾向を緻密に分析し、学習効率をアップさせることを目指しています。
--最後に、入塾を検討されている方にメッセージをお願いします。
必修化を前に、世の中はプログラミング教育ブームといっても過言ではありません。プログラミング教室はたくさんありますが、プログラミングと算数を同時に学べる場所というのはあまりありません。プログラミングのスキルだけではなく、考え方自体を本質的な理数脳に変えていくことで、子どもの成長の可能性をさらに広げられることを「AiQ」が証明していきたいと考えています。
--ありがとうございました。

「本質的な理数脳を育む」という教育方針を掲げ、年内には豊洲にも新校舎が開校する。さらに、受験を熟知した講師陣を揃え、今後は中学受験対策に特化したコースも新設していくという。考える技術を身に付けた子どもたちの能力が、どう開花するのか。「AiQ」の今後に期待したい。