NHK学園高校、年額10万給付の奨学金などを来春スタート

 広域通信制の「NHK学園高等学校」を運営するNHK学園は、2020年度より独自の奨学金制度をスタート。返還不要の奨学金「学習サポート金給付(年額10万円)」と、自然災害や家計の急変などに対応する「緊急支援見舞金給付」により、生徒の学習継続を後押しする。

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NHK学園高校 東京本校(東京・国立市)全国に40か所のスクーリング会場がある
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 広域通信制の「NHK学園高等学校」を運営するNHK学園は、2020年度より独自の奨学金制度をスタート。返還不要の奨学金「学習サポート金給付(年額10万円)」と、自然災害や家計の急変などに対応する「緊急支援見舞金給付」により、生徒の学習継続を後押しする。

 NHK学園高校は、日本初の広域通信制高校として1963年に開校。近年は中学校時代に不登校や引きこもりを経験するなどして全日制高校に馴染めなかったり、スポーツや芸術の分野で活躍したりする生徒たちの学習継続の場として、多様な学びを提供している。

 通信制高校に通う生徒は増加傾向にあるが、中には経済格差を抱える生徒も多く、NHK学園高校にも経済的な理由から住民税が非課税となっている家庭の生徒が相当数いるという。NHK学園は経済的理由で学びをあきらめないでほしいという思いから、従来の「推薦入学者の入学金免除」と「教材費給付」に加え、2020年4月から新たな制度をスタートさせる。

 ひとつは、返還不要の奨学金「学習サポート金給付」。世帯収入がおおむね250万円未満で住民税が非課税とされた家庭の生徒を対象としており、学習意欲が高く、学校生活・学習状況ともに良好・優秀な生徒に対して、選考のうえ年額10万円を給付する。初年度は1年生15人、2・3年生若干名への給付を予定している。

 もうひとつは、「緊急支援見舞金給付」。自然災害で被害を受けたり、家計が急変したりした場合などに、3万円を支給する制度を開始する。

 さらに2020年度から「学納金の分割納入」も導入。入学時に納入する費用を入学金や施設設備充実費などに限定し、受講料は先送りすることで、家庭の負担を軽減する。国に高等学校等就学支援金を申請して認められた生徒は、翌年1月に支援金との差額分のみを受講料として納入。就学支援金を申請しない生徒についても、受講料の納入を9月まで先送りし、入学時の負担を軽減する。

 なお、奨学金はNHKの関連会社からの寄付金を基金として運営する。NHK学園高校は、NHKグループの協力を受けながら、経済的な事情を抱えた生徒たちを支援していく。

《黄金崎綾乃》

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