子育て家庭「余裕ない」7割以上…負担重い1位「食費」

 新型コロナウイルス流行による景気悪化などで、高校生以下の子どもをもつ家庭の7割以上が「金銭的余裕がない」と感じていることが2020年7月20日、エデンレッドジャパンの調査結果から明らかになった。家計で負担が重いと感じる費用は「食費」がもっとも多かった。

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以前と比べた際の家計の金銭的余裕
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 新型コロナウイルス流行による景気悪化などで、高校生以下の子どもをもつ家庭の7割以上が「金銭的余裕がない」と感じていることが2020年7月20日、エデンレッドジャパンの調査結果から明らかになった。家計で負担が重いと感じる費用は「食費」がもっとも多かった。

 「コロナ共存時代における家計と生活支援に関する調査」は、福利厚生の食事補助サービス「Ticket Restaurant(チケットレストラン)」を提供するエデンレッドジャパンが2020年6月26日~30日、全国の高校生以下の子どもをもつ30~50代の男女を対象にWebアンケート形式で実施した。有効回答数は600人。

 家計の金銭的余裕については、「余裕はない」58.5%、「まったく余裕はない」18.3%をあわせて、全体の7割以上が「余裕がない」と回答。2019年の消費税増税に続き、2020年の新型コロナウイルス感染症流行などの影響による景気悪化で、家計に余裕がなくなっている人が多いと推測される。

 家計において「負担が重い」と感じる費用は、1位「食費」62.2%、2位「住宅関連費」42.8%、3位「保育・教育費」37.0%、4位「光熱費」34.0%、5位「保険料」31.7%。金銭的な理由で食べ物を子どもに我慢させた経験があるのは、全体の31.2%。世帯年収400万円以下に限ると46.5%だった。金銭的な理由で食べ物を自分が我慢したことがある人は59.2%、世帯年収400万円以下では75.6%に達した。

 食費における「理想の金額」は月6.7万円、一方「現実的に出せる金額」は月5.3万円。理想と現実で、月額1.4万円の差があった。現実的に出せる金額は、低所得者(世帯年収300万円以下)では約4.2万円、高所得者(世帯年収900万円以上)では約6.5万円と、世帯年収による差額は2万円以上になった。

 新型コロナウイルス感染症に関連する政府からの「特別定額給付金」の金額(1人10万円)に対しては、「満足している」は51.7%、「満足していない」は48.3%だったが、低所得者に限ると「満足していない」が76.7%にのぼった。特別定額給付金の使い道は、1位「食費」41.8%、2位「貯金」35.8%、3位「日用品費」27.8%。食費や日用品など、日常的に必要不可欠な支出にあてるケースが多く、日々の生活費に困窮している人が多い実態が浮き彫りとなっている。

 一方、有職者に対して勤めている企業の福利厚生・手当として「すでに導入されている項目」と「今後導入してほしい項目」を聞いた結果では、「今後導入してほしい項目」は「食費補助」が46.9%と最多で、「住宅手当」37.0%、「育児手当」28.9%と続いた。実際に導入されている割合は「食費補助」16.1%、「住宅手当」35.7%、「育児手当」10.0%だった。

《奥山直美》

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