マスクに飛沫抑制効果、8割の飛沫が捕集
理化学研究所や神戸大学などの研究チームは2020年8月24日、マスクの効果や教室などの窓開け換気効果に関する研究結果を発表した。不織布マスクも手作り布マスクもリスク低減効果は期待できるという。
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
理化学研究所チームリーダーで神戸大学大学院システム情報学研究科の坪倉誠教授は、マスクの性能評価や教室などの窓開け換気効果について、スーパーコンピューター「富岳」を利用して、ウイルス飛沫・エアロゾル感染の予測とその対策提案を行った。
マスクの素材の違いによる飛沫抑制効果について、不織布のほうが手作りマスクより飛沫の粒子数でみた場合の性能は高い。ただし、飛沫の体積でみると、どちらも8割の飛沫が捕集されており、布マスクでもリスク低減効果は期待できるという。
布マスクは不織布マスクより空気抵抗が少なく、その分マスクのフィルタ部分に入る粒子も多い。一方、不織布マスクはフィルタの空気抵抗が大きいため、隙間からの漏れが多い。布マスク・不織布マスクともエアロゾル粒子(気体とその気体中に浮遊する固体または液体の粒子)は全体の約40~50%程度が漏れる。
フェースシールドの飛沫飛散防御効果は、50ミクロン以上の大きな飛沫は捕集効果が見込めるが、効果は限定的であり、エアロゾルはほぼ漏れているという。
生徒40人の公立学校モデル(8m×8m×3m=192立方メートル)を対象に、エアロゾル感染のリスク評価を行ったところ、エアコンを稼働した状態で、すべての窓を左右20cm開け、廊下側の扉も開ければ、100秒程度で室内の空気が入れ替わった。
同研究チームは、目に見えない飛沫を可視化し、社会に発信することで、飛沫・エアロゾルに対する正しい理解とリスク認知、感染予防の啓発を行っている。
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