【高校受験2023】東京都のスピーキングテスト、導入中止求め署名提出

 英語教育研究者らで組織する「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会」は2022年4月12日、東京都教育委員会に電子署名9,392筆を提出した。採点の公平性等の問題点をあげ、テストの導入中止を訴えている。

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オンライン署名「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求めます!」
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 東京都立高校入試に導入されるスピーキングテストの中止を求め、英語教育研究者らで組織する「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会」は2022年4月12日、東京都教育委員会に電子署名9,392筆を提出した。採点の公平性等の問題点をあげ、テストの導入中止を訴えている。

 東京都教育委員会は、英語で話す力を高めることを目的に2022年11月27日(予備日12月18日)、都内公立中学校3年生の全生徒を対象に「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」を実施する。テストは、生徒が専用のタブレット端末に解答音声を録音する形で行われ、6段階で到達度を評価。テスト結果は、2023年度(令和5年度)都立高校入試において、総合得点に20点満点で加算して活用される。

 英語教育研究者らで組織する「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会」は、東京都教育委員会に向けて2022年3月15日、公開書簡を提出。3月29日には、導入見直しを求める市民集会を開き、東京都中学校英語スピーキングテスト事業の延期、再検討を求めている。

 署名サイト「Change.org」では、オンライン署名「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求めます!」を開始。「約8万人分の公平な採点は不可能」「評価の信頼性への疑問」「授業と英語教育への弊害」「家庭の経済格差から学力格差へ」「個人情報漏洩の危険性」等の問題点をあげて導入中止を呼びかけており、4月12日にはそれまでに集まった電子署名9,392筆を東京都教育委員会に提出した。

 オンライン署名では、2021年度(令和3年度)大学入学共通テストにおいて英語民間試験が導入決定後、採点の不公平性等を理由に撤回に追い込まれたことを例に「まったく同根であり、決して導入されてはならないテスト」と強調。「この問題は東京都だけの問題ではありません。東京都を足掛かりに全国に広がっていく可能性も大いにありますが、これだけ深刻な問題にもかかわらず、少数の関係者にしか知られていません」と訴えている。

《奥山直美》

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