2022年4月16日に初回を迎えた同塾主催の説明会「横浜翠嵐高校合格への道」は午前・午後の部ともに満席で盛況。この説明会のメインスピーカーとして登壇した臨海セミナー ESC難関高校受験科の飯沼徹氏は、湘南地域や埼玉、東京等の教室の現場責任者や、新教室の立ち上げ、カリキュラムや教材を作成する教務を歴任。現在、ESC難関高校受験科で自身の綿密な分析を元に多くの生徒を難関高校合格へ導く飯沼氏に、横浜翠嵐高校の入試の特徴と臨海セミナーの強みについて聞いた。
特色検査対策が臨海セミナーの最大の強み
--まず横浜翠嵐高校をはじめとした学力向上進学重点校やエントリー校の特徴を教えてください。
学力向上進学重点校は現在、横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木、川和の5校。続く学力向上進学重点校エントリー校は、横浜平沼、横浜緑ケ丘、光陵、希望ケ丘、多摩、横須賀、平塚江南、鎌倉、小田原、茅ケ崎北陵、相模原、大和、横浜国際の13校です。学力向上進学重点校が目指すのは、将来の日本や国際社会でのリーダーとして活躍できる高い資質や能力をもった人材の育成で、その入試では各校独自の得点比率が定められています。




また、初期倍率の高さに関しても、臨海セミナーでは神奈川県が実施する希望調査や「神奈川統一模試」等から、おおよその倍率を事前に予想することができます。また、倍率が上がるとボーダーラインもそれにつれて上がるイメージがありますが、受験者層によってはボーダーラインが思っているほど変わらないこともあり、過剰に気にすることはないと考えています。
以上の理由から、倍率で一喜一憂せず、どんな倍率になっても気持ちが揺れることのない精神力と学力を身に付けるべきだと考えております。

共通・共通選択問題による特色検査は学力向上進学重点校およびエントリー校の18校が採択しています。共通問題は18校すべて同じ問題、共通選択問題は高校ごとに採択される問題が異なります。共通選択問題は、出題内容が多岐にわたり難度も高めで、横浜翠嵐高校は記述でも差がつきます。
特色検査の対策が難しい理由は「設問の類型化がしづらい」「解法の手順を確立しづらい」「市場にテキストがない」の3点です。
1点目は、たとえば数学なら一次関数や相似だと見てすぐにわかりますが、特色検査はわかりません。それは他の教科なら「設問の類型化」ができ、目にしたらすぐにわかるほどの訓練ができているためです。そのため特色ではどんな問題かを類型化するトレーニングが必要です。

今までやったことがある、あの問題に似てるなと判断していくのが「設問類型化の力」、初めて見る問題だが、これはこうすれば解けそうだと、その場で計画を立てるのが「5つの思考回路」です。この2つを使って特色を解いていく。誰も知らない難しい知識や誰も解き方がわからない問題は出ないので、適切にトレーニングすれば解けるようになります。



ESC難関高校受験科には模擬試験で基準をクリアしない限り入れません。またESCの中でもSV、V、Zと模擬試験の結果によってクラスが変動しますが「SVに上がれる」、「次のテストでVになる」と子供たちは楽しそうにやっています。
臨海セミナーの大きな特徴のひとつに「自分から頑張る子を育成する」があります。塾では少しのきっかけを与え、背中を押してあげて、自分から頑張る子を育成するのが指導の大前提です。横浜翠嵐高校に合格するために特別なプログラムを用意している「横浜翠嵐高校プロジェクト」にも参加基準があり、参加した生徒は次も参加したいとなるようなカリキュラムとなっています。
臨海方式「AQuA(アクア)」という授業スタイルも特徴的です。子供たちにどんどん質問して答えてもらうので、いつ指名されるかわからない授業はとても緊張感があります。ESCでは講師は生徒の頭に汗をかかせるような質問をして、生徒は瞬時に考えたことを発表し、どんどん展開していきます。また課題や宿題も生徒個々に変える「ABC宿題方式」では、生徒の状況に応じて取り組む量のバランスをとります。
--ESC難関高校受験科は神奈川県のみならず東京、千葉、埼玉などでも展開しています。各地での指導の違いや特徴を教えてください。
生徒に考えさせる思考力を培ったり、将来どういう人材になって欲しいかといった人間性の育成を目指す根本的な指導方針はどの都県でも同じです。ただ各地の入試は違いますので指導の内容や方法は変わります。都立高校の入試では、たとえば最難関の日比谷高校ならば理科・社会は神奈川よりも簡単なので、自校作成問題のある英語・数学・国語で差がつきます。埼玉も学校選択問題がありますので、指導は東京に近い形です。千葉公立高校入試では、神奈川と同じく5教科とも共通問題でかつ難関私立高校でも5教科入試を課すものが多くなっています。しかしながら差がつきやすいのは英語・数学・国語であるため、やはり東京や埼玉に近い形での指導を行っています。このようにESC難関高校受験科事業部の中でも、神奈川、東京、千葉、埼玉の各都県で運営を変えています
豊富な情報で志望校選びをサポート
--貴塾での志望校選びのサポートについて教えてください。
まずは、ご本人とご家庭の意志、なぜその学校なのかという理由を確認します。保護者と生徒が持っている情報と、我々の持っている情報では情報量が違うので、ここに行きたいという理由をお聞きしたうえで、データをお見せしながらアドバイスをしていきます。そこには必ず成績が絡みますので、臨海セミナーの分母の大きさと歴史の積み重ねによる過去のデータから、合格率を計算し、適切な進路指導を致します。

本当に原理原則を理解しようとする子が特色検査にも強い」
中3の1学期ごろまでは部活と勉強の両立、ESCの授業についていけるかといった不安、思春期を迎えた生徒に対しての接し方等が多いようです。中3の2学期以降は、どこの学校を受けたら良いかがメインになりますね。私立なら複数校を受けられますが、公立は1校だけで選択が難しくなります。
また、公立と私立の志望順位についての相談もよくありますね。たとえば男子の臨海生は慶應義塾に受かるケースも多く、横浜翠嵐高校がだめなら慶應にという声が多いのは確かです。私どもは両方合格できるよう指導していますが、横浜翠嵐高校の人気の高まりで進路指導も変化していると感じます。
--第一志望に合格できる生徒の特徴を教えてください。
絶対にこの高校に合格するぞという強い気持ちをもつ子や将来こういう職業に就きたいという夢をもつ子が強いですね。この職業に就くには、この大学。この大学に行くには、この高校。だから今、頑張るという逆算ができる子です。今、夢をもっていても、いろいろ学んでいくうちに、やりたいことが変わる場合もありますが、その時、横浜翠嵐高校ならば大学の選択肢の幅も広がります。
129名の横浜翠嵐高校合格者では、小学生から臨海セミナーに通っていた子がもっとも多くなりました。やはり早くからお子さんの目標が明確なので、とても高い確率で合格しています。また小学生のころからいろいろなことに興味をもって、本当に原理原則を理解しようとする子が特色検査にも強いです。もちろん5教科で490点を取るようなコツコツ真面目なお子さんが合格するケースもあります。
ちなみに臨海セミナーでは、高校入試で優位に立てる、算数・数学の力を鍛えるクラスがあります。また小3~小6の方は「りんかい公開テスト」が無料で受けられます。このテストで成績が優秀ならばチャンピオン大会に出場できるのですが、今年の合格者129名のうち31名は、この「りんかい公開テスト」チャンピオン大会に出場していたことからも、早いうちから学習することが望ましいと言えます。
限界ギリギリまで頑張ると限界点は上がっていく
--保護者への心構えやアドバイスをお願いします。
保護者の方はあまり子供に介入せずに、本人の気持ちと塾におまかせするのが良いでしょう。受験が近くなれば模擬試験の結果にイライラもするし、勉強はどうなってるのと言いたくなりますが、それがマイナスに働くことも多いように感じます。そんな時は「おはよう」「いってらっしゃい」「頑張ってね」等の声かけのみに留めて、お子さんが大変だなと感じたら、いつも以上においしいご飯を作るのが良いですね。
またその子に合った学習環境を整えることはお勧めです。家族みんながいるリビングで勉強ができる子や周りに誰かいたらだめという子など、ひとりひとり違います。そこを保護者が理解して学習環境を作る。そして困った時はすぐ塾に電話。保護者よりも塾の先生が言わないと効果がないことはありますね。
スケジュールの共有はした方が良いでしょう。いつ塾や模擬試験があるか、さらに今日は何時から何時までは勉強するが、この30分は休憩にする等。たとえば今日この30分だけは休憩と本人が決めていて、それ以外はもう何時間も頑張っている。たまたまその30分を保護者が見て、「勉強せずに何をしているの?」と言ってしまったら、やはりモチベーションは落ちますので、子供のスケジュールやルーティンも知っておくと良いと思います。
--これから入試に挑む生徒へのアドバイスをお願いします。
「自分が思っている限界は、実は限界ではない」といつも言っています。たとえば横浜翠嵐高校プロジェクトの基準を突破した生徒には、「自分自身は本当に頑張ったと思っているでしょう。でも、まだできる。先輩たちもやれているし2つ目のエンジンをみんなは持っている。今日から第2エンジンに点火しよう」と言います。次の横浜翠嵐高校プロジェクトに来た時は「ほら言ったとおり頑張れたでしょう。みんな成績がすごく上がった。今日、先生がなんていうか知ってる? 限界まで頑張れ」と言うんです。自分で限界を決める必要はなく、いくらでも限界の先がある。そして限界ギリギリまで頑張ると限界点は上がっています。
ただ体調を崩すわけにはいきませんから、睡眠時間とご飯はしっかりとる。合格すれば今の頑張りは何倍にもなって返ってきます。だからこそ限界を自分で決めずにチャレンジしてほしいですね。
--ありがとうございました。
各地域の支部で行われる説明会では、授業や補習のスケジュールなど、その地域の特徴に合わせたカリキュラムや卒業生による実体験も聞けるという。飯沼氏を中心としたESC難関高校受験科のデータ分析が、現場でのきめ細やかな指導に生きるからこそ、横浜翠嵐高校をはじめとした難関校合格の躍進につながっている。そんな印象を強くしたインタビューだった。
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