戦時中、猛獣処分によりゾウのいなくなった恩賜上野動物園には、戦後の1949年(昭和24年)新たに「はな子」と「インディラ」の2頭のアジアゾウが贈られた。当時の日本に明るい希望をもたらした上野動物園は、日本中の子供たちにゾウを見せるため、移動動物園を計画して各地を回った。
今回開催される特設展「あんこさんとゾウ」では、戦時中の上野動物園での猛獣処分から戦後の移動動物園、そして当時の子供たちの思いや、現在のゾウの保全活動等をパネルや映像で紹介する。
当時の移動動物園のようすを記録した動画や、「はな子」が来日したときの写真スライドショー、「はな子」が2016年に69歳で死亡するまでの生涯年表や、日本の動物園のアジアゾウ飼育の変遷等を紹介。さらに各都立動物園の現在の園長から寄せられた、動物園と平和についてのメッセージ等を伝える内容となっている。
なお、「あんこ」とは、年上の女性に対して敬いと親しみを込めて名前の後に付けて呼ぶ言葉。伊豆大島では子供たちと共に、たくさんの「あんこさん」も「はな子」を歓迎していた。
この特設展で、平和とは何か、動物園とは何かを考えるきっかけにしてほしい。
◆巡回特設展「あんこさんとゾウ 戦争が終わった!ゾウがやってきた!」
会期:
【伊豆大島 大島町開発総合センター】
2022年7月21日(木)~8月31日(水)
【井の頭自然文化園】
2022年9月13日(火)~12月4日(日)
【恩賜上野動物園】
2022年12月20日(火)~2023年2月12日(日)