【高校受験】都教委、都立高入試の合否判定誤り受け業務改善へ

 東京都教育庁は2022年9月8日、東京都立高等学校入学者選抜における合否判定業務の改善に向けた取組みについて公表した。教職員研修の強化による業務の確実な遂行に加え、採点から合否判定まで一連の業務をシステム処理できるようプログラムを改修する。

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 東京都教育庁は2022年9月8日、東京都立高等学校入学者選抜における合否判定業務の改善に向けた取組みについて公表した。教職員研修の強化による業務の確実な遂行に加え、採点から合否判定まで一連の業務をシステム処理できるようプログラムを改修する。

 東京都教育庁は、2022年度(令和4年度)都立高校入学者選抜の第1次募集において、2校で本来合格である計3名の受検者を不合格として判定し、発表する誤りが生じたと発表。教育委員会では、入学者選抜の合否判定における誤りは都立高校への入学を希望する受検生の進路に大きな影響を与えるものであり、あってはならないこととして陳謝し、誤りが生じた原因の調査や再発防止策の検討を行ったとした。また、今後各学校において選抜要領等の確実な運用が行われるよう、再発防止に全力で取組み、信頼される東京都立高校入学者選抜の実施に万全を尽くすとのコメントを発表した。

 具体的な合否判定業務の改善に向けた取組みとしては、「入学者選抜に係る教職員に対する研修の強化」「合否判定資料を作成するシステムの改善」「選考委員会における審査の実効性の確保」の3点を明記。

 入学者選抜に係る研修は、校長・副校長、教務主任、入学者選抜業務に係る主任教諭・教諭、経営企画課(室)長といった入学者選抜関係教職員を対象に実施。9月と11月に入学者選抜関係教職員全員を対象とした入学者選抜関連の説明会を開催し、10月ごろには校長・副校長を対象とした合否判定の方法等に関する集中研修会を新たに実施。教職員研修センターが行う職層研修や年次研修においても、新たに入学者選抜に関する研修を実施するとしている。

 合否判定資料を作成するシステムの改善としては、現在、各高校において活用している、受検者の総合成績を数値の大きい順に並べる選考用資料作成のシステムを、総合成績が同点である場合に学力検査の得点が高い者が上位となるようプログラムを改修。加えて、合格候補者数の設定や合否ボーダーラインの設定等、一連の選抜業務をシステム内で処理できるよう機能を追加する。

 また、合否ボーダーラインの設定、総合成績が同点である場合の合格者決定方法、合格者数の確認といった点検個所を明示したチェックリストを教育庁が新たに作成。各学校において、チェックリストを活用して十分審議を行い、選考委員会における審査の実効性の確保を図る。


《畑山望》

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