【大学受験2025】英語の外部検定利用入試は478大学、全体の6割超え

 旺文社教育情報センターは2025年3月5日、「外部検定利用入試 2025年は478大学!」と題した入試分析をWebサイトに掲載した。英語の外部検定利用大学は478大学で全体の63%を占めた。私立大の一般選抜で利用が拡大している。

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外部検定利用入試 2025年は478大学! (c) 旺文社 教育情報センター
外部検定利用入試 2025年は478大学! (c) 旺文社 教育情報センター 全 6 枚 拡大写真

 旺文社教育情報センターは2025年3月5日、「外部検定利用入試 2025年は478大学!」と題した入試分析をWebサイトに掲載した。英語の外部検定利用大学は478大学で全体の63%を占めた。私立大の一般選抜で利用が拡大している。

 同入試分析は、旺文社が全大学の募集要項、入試ガイド、ホームページなどを調査したもの。専門職大学、通信のみの大学、文科省所管外の大学校を除く。推薦型は公募制を集計。募集要項などで一般選抜、総合型・推薦型に分類される入試を集計(特別選抜は含まない)している。2025年度から文科省「選抜実施要項」の変更により、大学入試は3つの入試区分のいずれかに分類されることになったため、2025年度の増加分には区分変更による増加も若干含まれる。なお2024年と変わらず「特別選抜」として実施の場合は同集計に算入していない。

 国公私立大別、入試種別にみると、外検利用大の割合は、一般選抜が「国立大」22.2%、「公立大」7.4%、「私立大」49.6%。総合型・推薦型では「国立大」61.7%、「公立大」30.5%、「私立大」54.2%。合計で「国立大」64.2%、「公立大」30.5%、「私立大」68.1%となった(合計は一般、総推の両方実施する大学があるため、単純に両方の割合を足した数値にはならない)。私立大の一般選抜が大きく数を伸ばした一方、総合型・推薦型では頭打ちの傾向がみられ、両者の差は年々縮まってきていると分析している。

 各外検の採用率は、一般選抜、総合型・推薦型ともにほぼすべての外検入試で英検が利用可能という点に変化はない。また、2024年一般選抜で受験生が利用した外部検定は「英検」が91.6%(2023年調査は90.0%)へ増加し、2位以下に大きな差をつけている。各大学は受験生の利便性に配慮して、さまざまな外検を利用できる入試方式を設定しているが、受験生が実際に利用する外検はほぼ英検一択となっている。また、英検のみ利用可とする外検入試を実施した大学は2025年入試で23大学まで広がっている。

 外検の利用方法では一般選抜、総合型・推薦型いずれも得点換算の割合が前年より増加した。その要因は、2025年の文科省「選抜実施要項」に得点換算が望ましい利用方法としてあげられていることが大きいと考えられるという。得点換算であれば、仮に外検未取得であっても一般的にあからさまに不利になることはない。国としては、入試における4技能評価のため外検入試を拡大させたい意向だが、2021年の入試改革では外検を受験するうえでの受験生の経済的、地理的格差の問題が噴出。得点換算はその問題への対応として、今年度新たに選抜実施要項に加えられたものだという。

 利用できる外検レベルは一般選抜、総合型・推薦型いずれもCEFR A2(英検準2級相当)が増加した。これは前年からの傾向で、比較的入試レベルが易しい大学が英検準2級相当の英語力から優遇を拡大している結果であるという。

 旺文社教育情報センターは「4技能を測定する大学独自テスト、その代替策としての外検入試、いずれも拡大していないとしたら、国立大学協会が示した 4技能評価の方針に各大学が対応できていないのが現状であると考えられる。国立大学全体として入試における4技能評価をどのように考えるか、あらためてしっかり固める必要があろう。」とコメントしている。

《中川和佳》

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