六甲の自然に包まれた神戸の閑静な住宅街にたたずみ、大阪から電車で約17分とアクセス良好な甲南女子大学のキャンパス。心理学部(2025年4月開設)、国際学部、文学部、人間科学部、看護リハビリテーション学部、医療栄養学部を設置しており、2026年4月には人間科学部が社会学部と教育学部に発展(予定・仮称)し、7学部10学科体制へと拡充するワンキャンパス型の総合大学だ。
少人数制によるきめ細やかな教育と、学生ひとりひとりに寄り添った手厚いサポート体制が特徴で、2024年の実就職率ランキングで西日本の女子大学1位(*)になるなど就職力の高さにも定評がある。近年は、新リーダーシップ教育でも注目され、自律した女性の育成を目指す。学生ひとりひとりの「私らしさ」を尊重し、仲間と切磋琢磨しながら未来を切り拓く力を養う。(*大学通信「ユニヴプレス2024年9月号」2024年3月卒業生、卒業生500人以上)
今回は、そんな魅力あふれる甲南女子大学のキャンパスを、文学部メディア表現学科3年生かしおさん、国際学部国際英語学科3年生りなさん、人間科学部心理学科2年生すずかさんのガイドで巡った。
豊かなキャンパスライフと夢の実現を支える充実の環境
芦原講堂
正門から坂を上がった右手に建つ講堂は、学園創立70周年を記念して建てられた。設計はモダニズム建築の巨匠・村野藤吾氏によるもので、六甲山の緑やキャンパスと調和した美しい外観と、アーチや照明など細部に至るこだわりが特徴で、第6回神戸市建築文化賞を受賞。

1,784席を備えたホールに足を踏み入れると、西日本最大級のパイプオルガンと石造りの荘厳な空間に圧倒される。学生にとっては入学式・卒業式や学科のイベント開催の場として馴染みが深く、大学生活の節目を彩る贅沢な空間だ。クラシックやジャズ、舞踏公演なども行われ、学生たちに芸術とふれあう豊かな時間を提供している。
各学科コモンルーム
甲南女子大学では、学科ごとの特性に合わせた設備が揃う「コモンルーム」が設けられており、授業課題や予習復習はもちろん、学生が主体的に学んだり、教員が学修アドバイスや進路相談に応じたりといった交流の場にもなっている。
今回ガイドしていただいた在学生3名が所属する学科のコモンルームを覗いてみよう。まず、文学部メディア表現学科のコモンルームには、イラスト制作や映像編集などに使えるソフトを搭載したパソコンや、3Dプリンタなどの最新機材が設置され、学生は自由に使用できる。

国際学部国際英語学科コモンルームに併設する英語学習拠点「e-space」では、常駐の専任アドバイザー教員への相談や英語学習のサポートが受けられ、留学生との交流や自習にも活用されている。ネイティブスピーカーとの交流イベントも開催される全学の英語学習の拠点でもある。

さらに、2025年の心理学部誕生に合わせてリニューアルした心理学科のコモンルームでは、大学院生がティーチングアシスタントとして相談にのってくれたり、授業の内容や統計ソフトの使い方、レポート作成の相談にも応じてもらえる。ミーティングスペースも備えているため、ランチタイムやグループワークに活用し、繋がりを深める学生も多いそう。

キャリアセンター
2024年の実就職率ランキングでは西日本の女子大学で1位、受験生が評価する「就職力が高い大学」で近畿地区の女子大学1位と「就職に強い大学」(*)として知られる甲南女子大学。確かな就職力を支えるのがこのキャリアセンターだ。企業経験者やキャリアカウンセラーの資格をもったスタッフによる進路相談をはじめ、学内企業セミナーや書類添削、面接練習など幅広い支援を実施。隣接する「キャリア・コモンズ」では、求人情報や関連書籍を閲覧でき、パソコンやプリンタも自由に利用できる。(*大学通信「ユニヴプレス2024年9月号」2024年3月卒業生、卒業生500人以上)

また、業界ごとの就職サポートも充実。「ANAルーム」はエアライン業界を目指す学生にとって甲南女子大学の見どころのひとつ。ANA総合研究所のスタッフやエアライン業界での実務経験をもつキャリアコンサルタントが常駐し、現場を知る人たちから就職に向けた具体的なアドバイスが受けられる。


阿部記念図書館
円柱形式の建築が印象的な白亜の図書館は、約52万冊を所蔵。芦原講堂と同じく建築家・村野藤吾氏の設計によるもので、本館2階の閲覧室は広々とした吹き抜け構造となっている。自習スペースからは神戸の街と海が望めるスペースもあり、ゆとりある空間で勉強に集中できる。


バラエティ豊かなランチ&カフェスペース
池のほとりに建つ全面ガラス張りの八角形の建物には1階から3階まで食堂とカフェが入り、学生は和食から洋食まで豊富なメニューを楽しめる。
1階には大学生協食堂「Clover Kitchen」、2階には和食中心の「甲南そば」、3階には2024年にBookカフェ「Soleil」がオープン。カフェでは、焼きたてパンやサラダ、スイーツなどが楽しめるほか、神戸の街並みと海を一望できる抜群の眺望も魅力である。

学生主体で企画したシーズンごとにメニューが変わる「アフタヌーンティー」のセットもあり好評だ。選書された本に囲まれ、日差しが差し込む心地よい空間で、学生たちは思い思いにくつろぎながら、自由な時間を過ごせる。

現役学生がガイドしてくれた今回のキャンパスツアーでは、美しく安心・安全な学習環境の中で、学生たちが充実した学びを得られているようすがうかがえた。詳しい施設紹介は、動画でご覧いただきたい。
キャンパスを紹介してくれた3名の現役学生に、なぜ甲南女子大学に進学したのか、また、学生生活や大学の良さなどについて話を聞いた。
手厚いサポートで思い切りチャレンジできるキャンパスライフ
■キャンパスツアーとインタビューに協力してくれた学生の皆さん
かしおさん:文学部メディア表現学科 3年生
りなさん:国際学部国際英語学科 3年生
すずかさん:人間科学部心理学科 2年生

--まず、甲南女子大学に進学した理由を教えてください。
かしおさん:もともと芸術系に興味があり学べる大学を探したところ、文学部メディア表現学科は、写真・映画・アニメなど特定の分野を絞らず、幅広く、横断的に学べるところが魅力でした。3年生からはゼミが始まり、デザインやアートを専門として主軸に捉えつつも、幅広い領域を学んでいます。
高校時代は運動部で、芸術系を専門的に勉強したことはありませんでした。母の母校ということもあり気軽な気持ちでオープンキャンパスに参加してみたら、「初心者でも大丈夫」と大学の先輩方に言われ、安心したのを覚えています。

りなさん:高校生のころから英語の授業やダンス部の活動など、人前で表現することに興味がありましたが、将来やりたいことはハッキリしていませんでした。英語ができたらどの業界に進んでも活躍できるかもしれないと思い、国際学部に興味をもつようになりました。
そんな中、オープンキャンパスで国際英語学科にエアライン業界に特化した「ANAエアラインプログラム」があることを知りました。実践的な英語スキルはもちろん、グローバルな視野が広がりそうだと感じ、入学を決めました。
すずかさん:高校2年生の時に学校で職業別ガイダンスがあって、臨床心理士という仕事を初めて知りました。そこから人の心に関わる仕事に興味をもち、オープンキャンパスで体験した心理学の実験も面白かったのがきっかけです。
--皆さん、オープンキャンパスで大学生活が具体的にイメージできたのですね。実際に甲南女子大学に進学し、良かったことや、自分が変わったと感じることはありますか。
かしおさん:高校までは共学だったので、最初は「女子大」そのものにハードルが高く、「コミュニティが狭くなるのでは」と心配もしたのですが、実際はその逆でした。
甲南女子大学は全学部が一緒に学ぶワンキャンパス型で、教養科目などを通して他の学部や学年の人と関わる機会がたくさんあります。いろいろな価値観や知識に触れられて、コミュニティが広がったし、すごく刺激を受けています。また、参加型の授業が多く、女性同士で遠慮せずにリーダーシップを発揮し、挑戦しやすい雰囲気が整っていると思います。
りなさん:大学といえば、広い教室で大人数で授業を受けるイメージがあったのですが、甲南女子大学では少人数制の授業が多く驚きました。自然とメンバーと仲良くなれるし、先生とも距離が近くて気軽に質問でき、より深く学びやすい環境です。
10人前後の授業なので発言もしやすく、自分の意見を伝えるスキルが身に付いてきているのを感じます。国際学部はネイティブの先生が多く、まるで海外大学にいるような環境で英語を使う授業が受けられるのも魅力です。

すずかさん:入学前は、大学生になったらすべてのことが自己責任になるイメージで少し不安でした。でも入学してみると、甲南女子大学はサポートがとても手厚いので安心して過ごせています。困ったことがあれば色々な部署に相談できますし、どこに聞けば良いかわからないことがあっても、コモンルームのスタッフの方に聞いたり、在学生向けのLINEで調べることができます。就職支援も充実しています。

少人数制だから実現できる参加型の授業が楽しい
--好きな授業について教えてください。
かしおさん:2年生で履修した「身体芸術論」という演劇系の授業が面白かったです。この授業では初めて演劇に触れる人や、初対面の人たちとチームを組んで取り組み、脚本や衣装などを全員で話し合って決めて、学年の垣根を越えて1つの作品を作り上げるので、達成感が大きかったです。最終課題では皆で撮影し、完成した作品を一緒に鑑賞しました。
3年生の今は「デジタル音楽編集」の授業で、音楽制作ソフトを使って実際に曲作りをするのが面白いです。童謡をアレンジするなど、楽曲作りの基礎から丁寧に教えてもらえます。ひとりひとり出来上がった曲のアレンジが違うのも興味深いです。
--参加型の授業が多いのでしょうか。
りなさん:はい。私も1~2年生のときは、「English Production and Fluency」というスピーキングの授業が特に好きでした。自分で物語を考えて発表したり、アメリカのテレビ番組のように、グループで商品を企画してプレゼンテーションをしたりする内容で、ネイティブの表現や話し方を実践的に学べました。
3年生からはエアラインプログラムの授業が増えて、エアライン業界の専門的な知識や「ホスピタリティスキルズ」といったマナーを徹底的に学ぶなど、かなり実践的な授業を受けています。空港見学にも行き、実際にCAやグランドスタッフとして働いている卒業生から直接話を聞く機会もありました。

また、同級生には留学や海外インターンに行っている人が多いです。私も夏休みに1か月間、カナダの語学学校に行く予定です。対外協力センター国際交流課で留学のサポートをしてもらえるので心強いです。
すずかさん:私は今、「心理学実験」の授業がとても面白いです。1年生のときに受けた「心理学概論」で学んだ理論や歴史に出てくる実験を、実際に自分たちでやってみる授業なので、より深く理解できます。みんなでワイワイと実験に取り組みながら、結果を数値化してグラフにまとめ、レポートに整理するプロセスを学んでいます。
やりたいことがまだわからなくても、安心して飛び込んでほしい
--キャンパスでお気に入りの場所はありますか。
かしおさん:体育館の地下1階にあるフィットネスルームです。冷暖房完備で、ランニングマシンやバランスボール、ヨガマットなどの設備が揃っています。シャワー室もあるので、空きコマの時間に気軽に運動できるのが嬉しいです。
りなさん:私のお気に入りは、「考える人」の像がある芝生広場です。神戸の街並みと海が一望でき、特に夜景が綺麗で、5限で19時まで授業がある日は、授業を頑張るモチベーションにもなっています。

すずかさん:私は図書館が好きです。吹き抜けの構造が開放的で、本を読むのがもともと好きなので、ふらっと立ち寄って棚を眺めているだけでも楽しいです。
--最後に、甲南女子大学を目指す高校生にメッセージをお願いします。
かしおさん:私自身もそうでしたが、新しい分野にゼロから挑戦することは、最初はハードルが高く感じるかもしれません。でも、思いきって飛び込んでみると、それが杞憂だったと感じるほど楽しく、もっと「知りたい」「学びたい」という気持ちがどんどん高まっていくと思います。ぜひ、「好き」と思うものに、気軽にチャレンジしてみてほしいです。
りなさん:甲南女子大学は、授業や就職のサポートはもちろん、留学先やアルバイト先まで、本当にいろいろな面でサポートが手厚いです。高校生だとまだ「やりたいことがまだわからない」という人も多いと思いますが、ここでは入学後に経験を通してさまざまな刺激を受けられます。私自身も大学で学んだことを通じて、エアライン業界への解像度が上がりました。ぜひ、オープンキャンパスに来て、この環境の魅力を体感してみてください。
すずかさん:私は人見知りで、新しい環境に飛び込むことに不安を感じていました。でも、甲南女子大学は少人数制の授業が多いので、自然と友達ができ、人との繋がりを作りやすい環境なのが良いと思います。そして、りなさんが言ったように、大学生活を支えてくれる人がたくさんいます。ひとりでも多くの仲間が増え、一緒に成長していけたらと願っています。
--今日はありがとうございました。
甲南女子大学は、登録有形文化財にも登録された芸術性豊かな建築群と、現代社会に輝く自律した女性を育むための新しい学びの場が並存する、まさに「新」と「旧」を共に生かす神戸の文化が息づく女子大学だと実感した。そして何より、在学生が授業や就職など手厚いサポートを受けながら、安心・安全に充実したキャンパスライフを過ごしている姿が印象的だった。ぜひ、オープンキャンパスなどを活用し、高校生や保護者に甲南女子大学の魅力を体感してほしい。
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