日本次世代企業普及機構は2025年12月4日、東京・九段会館において第12回ホワイト企業アワードにおける「学生審査部門」の受賞企業を表彰した。 Z世代が自分のキャリアを託したいと思える企業かどうかを軸に選定した結果、HESとニトリホールディングスの2社が受賞した。
ホワイト企業アワードは、ホワイト企業認定を取得した企業の中から注目すべき社内制度や労働環境を表彰・発信する取組み。第12回となる今回の表彰式は、会場参加とYouTube配信を併用したハイブリッド形式で実施された。
近年、内閣府や文部科学省の調査でも、就職先を選ぶ際に重視する要素として、共感できる企業理念や働く人の雰囲気をあげる学生が増加しており、若手世代の企業選びの基準が大きく変化している。
学生審査部門では、就活トレンドを牽引するZ世代の視点を取り入れ、近畿大学経営学部・団泰雄教授ゼミの学生が審査員として参加。学生たちが「この会社で働きたい」と感じたポイントを重視しながら、企業の魅力や取組みを多角的に評価した。
同部門では、「共感できる企業理念」「働く人の魅力・誠実さ」「若手が成長できる環境」「社会への貢献性」の4つの観点から審査を実施。単なるイメージの良さではなく、Z世代が自分のキャリアを託したいと思える企業かどうかを軸に選定した結果、受賞企業としてHESとニトリホールディングスの2社が決定した。
HESは、「フルフレックスタイム制」「奨学金返還支援制度」「人的資本経営の実践」「学び続けられる環境」の4点において、優れた取組みを展開している点が高く評価された。
フルフレックスタイム制について、月平均残業20時間という業界平均を大きく下回る水準は、緻密なビジネスモデルによって労働時間を構造的にコントロールしている成果。さらに、同一建屋内には予約不要・無料で利用できるサテライトフロアを整備し、社員1人あたり席充足率116%を実現している点は、在宅派の従業員だけではなく、出社派の働きやすさにも配慮している。
また、30歳未満を対象とした「奨学金返還支援制度」は、若年層の経済的不安を軽減し、仕事に集中できる環境を実現。人的資本経営の面では、賞与約6か月分という高水準の報酬を実現し、高付加価値ビジネスで得た利益をエンジニアへ再投資する好循環を設計している点に、経営の本質的な誠実さが感じられた。
さらに、資格取得や書籍購入費用の全額補助、自社内検証センターの整備により、エンジニアのスキル維持を支える多層的な体制が整い、「働きながら学び続ける」環境が実現されている。技術変化に対応できるキャリアの基盤を築くこれらの取組みは、「技術力は世界を支える」という企業理念を体現するものであり、社員への敬意と投資の姿勢に共感し、選出に至った。
ニトリホールディングスは、社員ひとりひとりの成長と働きやすさの両立を図るため、多面的な取組みを制度として明確に整備し、実際に運用されている点が高く評価された。
特に、「評価制度」や「キャリアの可視化」を重視し、Talent Paletteを通じて社員の学習状況やキャリア志向を把握し、個別に最適な研修機会を提供されている点は個々の成長を支援する実効性の高い仕組みとして優れている。
また、1on1やキャリアカウンセリングの制度化に加え、上司のカウンセリングスキル向上を目的とした研修も導入されており、社員の主体的なキャリア形成を強力に後押しする文化が根付いている。
さらに、マイエリア制度・マイゾーン制度、勤務時間の柔軟化など、ライフスタイルの変化に対応した働きやすい環境も整備され、どのような状況でも安心して働ける配慮がなされている点も印象的。加えて、若手のうちから経営層と対話できる仕組みや、改善提案が届く制度が整っていることは、社員のモチベーション向上や企業の透明性確保に寄与するだろう。
こうした取組みを通じて、「お客様へ豊かさを提供するために、まず社員の幸せと成長を企業価値として本気で追求する」姿勢が明確に伝わってきたことから、選出に至った。
なお、表彰式では、特別基調講演として採用・人材育成の分野をリードする企業が登壇。パナソニック コネクトは「変化の激しい時代に求められる最新の人材戦略」、リソースクリエイションは「SNSを活用した『Z世代に刺さる採用広報』の実例」をテーマに講演を行った。全国のホワイト企業認定企業が集まり、取組み共有・交流・最新トレンドのインプットができる貴重な機会となったという。

