近年、子供の近視の割合は高い水準で推移している。文部科学省の「令和6年度学校保健統計」によると、小学生の約37%、中学生では60%以上が裸眼視力1.0未満であることが明らかになっている。
視力の低下は、日常生活で不便を感じるにとどまらず、学習への影響が懸念されることもある。成長期の子供にとって「目の健康」をどう守るかは、保護者にとって気になるテーマのひとつと言えるだろう。
こうした状況を背景に、クーパービジョンは、親子で楽しみながら目の健康について考える機会としてイベントを企画した。なお今回のイベントは、同社の主力ブランドである1 DAYタイプのソフトコンタクトレンズ「マイデイ★」が10周年、2 WEEKタイプの「バイオフィニティ★」が15周年を迎え、そして近視進行抑制治療用コンタクトレンズ「マイサイト ワンデー★」が誕生する2026年に、同社がブランド周年キャンペーンとしての一部として実施したものだ。
お絵かき体験では、クーパービジョンとサクラクレパスとのコラボレーションによって製作された、瞳を描くための画材「クーパービジョンオリジナルのクーピーペンシル」が使用された。また、イベント後半では「目の健康ミニ講座」も行われ、親子で楽しみながら「目」への理解を深める機会となった。本記事では、イベントのようすを紹介する。
目のうるおいを観察しよう
初めに、クーパービジョン・ジャパン マーケティング部マーケティングコミュニケーション担当の江田麻由氏より、「健康な目は一生モノの宝物になる。近年、子供の近視割合が増加しているが、目の健康状態は白目の色やまばたきの回数、ピントの合い方などにも少しずつ現れる。まずはそうした状態の変化に気付くことが、目の健康を考える第一歩だと考えている。イベントがそのきっかけになればうれしい」との話があった。

続く「観察ワーク」では、同社マーケティング部プロフェッショナルアフェアーズ・マネジャー小淵輝明氏も加わり、親子がペアになってお互いの目のようすを観察するワークを実施した。

この「観察ワーク」は、まばたきを10秒間我慢したのちに、相手の目のうるおいを観察するという内容だ。小淵氏は、「10秒間、目を開けているのがつらいと感じる場合、目が乾きやすく、疲れを感じやすい状態の可能性がある。乾きやすいうえに、目ヤニが出やすい、白目が赤いといった症状がある場合は、一度眼科で相談してみることが大切」と話した。
こののち、視力検査でおなじみの「ランドルト環」を用いながら、環の大きさと距離によってどのように視力が測られているかといった解説も行われた。

親子で「目の観察」お絵かき体験
今回開催された「親子で“目の観察”お絵かき体験会」は、お互いの目をじっくり観察して絵に描くことで、“だれひとり同じ目はない”ことの気付きを得ることを目的としたプログラム。描く過程で目の特徴や健康状態を意識してもらい、親子で自然と目への関心を深めることをねらいとしている。使用されたのは、クーパービジョンがブランド周年キャンペーンの一環でサクラクレパスとコラボレーションして誕生した、きれいな瞳を描くためのクーパービジョンオリジナルのクーピーペンシルだ。

サクラクレパスのクーピーペンシルは、豊富な色数で年齢を問わずアートの多様性を支える文具ブランド。一方、クーパービジョンは、目の健康を支える企業として、「目はひとつとして同じものはない。だからこそ、ひとりひとりに合うレンズを」という理念のもと、豊富な製品ラインアップを提供し、目の多様性に向きあってきた。こうした背景を受けて江田氏は「十人十色のお絵かき体験を楽しんでほしい」と述べた。

お互いの目をのぞき込みながら、クーピーペンシルを手に画用紙に向かう参加者たち。相手の目をじっくりと観察し、「血管が通っている」「瞳は黒と茶色を混ぜた色みたい」「白目が青っぽい」などと気づいたことを口にしながら色を塗ったり、保護者の画用紙をのぞき込んで「僕の目って、こんな感じなの?」と驚いたり。

思い思いの感想を口にしながら、お絵かきを楽しんでいた。約15分後、それぞれの個性がにじむ十人十色の「目」が描きあがった。

今回のイベントで使用された「クーパービジョンオリジナルのクーピーペンシル」は非売品だが、現在クーパービジョンでは同製品のプレゼント企画などによるブランド周年キャンペーンを実施している。キャンペーンWEBページからアンケートに答えるだけで誰でも応募できる。
クーパービジョン・ブランド周年キャンペーン詳細はこちら
近視予防につながる「日本の学校現場にあったお約束 3つの30」
お絵かきの後は、「目の健康ミニ講座」と題して、同社マーケティング部 マイオピアマネジメントチーム プロフェッショナルアフェアーズ・マネジャー山口正敏氏よりレクチャーがあった。

山口氏は目の仕組みを説明しながら、「目は近くを見るときに筋肉を使う。そのため、スマートフォンや本など、近くを見る時間が長く続くと、目は疲れやすくなる。近くばかりを見ていて遠くを見る機会が少ないと、目が十分に休めない状態が続いてしまう。このような状態が続くと、目は『近くを見るのが当たり前』の環境に適応しようとして、目の奥ゆき(眼軸)が少しずつ伸びていく。すると眼軸が伸びるとピントが合う位置(焦点)が網膜よりも手前にずれてしまい、遠くものがぼやけて見える近視の状態になる。眼軸は一度伸びてしまうと元に戻らないため、近視を進めないようにするには、予防がとても大切」と指摘した。


子供の近視に影響すると言われているおもな要因は、遺伝と生活習慣だ。遺伝については、片方の親だけが近視の場合でも子供の近視リスクが高まるとされている。では、どのような生活習慣が近視に影響するのだろうか。
山口氏は、近視になりやすい行動として、次の3つをあげた。
1)本や画面を見る距離が近い(30cmより近い)
2)休憩をとらずに近くのものを見続ける
3)外で過ごす時間が少ない
近年はタブレットやスマートフォンが普及し、子供も画面を見る時間が増えている。スクリーンを見る時間が長い生活は、近視の進行と関係している可能性があるとするデータも報告されているという。

近視になると日常生活で不便を感じるだけでなく、将来的に網膜剥離や近視性黄斑変性、緑内障などの合併症になるリスクも高まることが報告されているという。できることなら子供自身もこうしたことを意識して気を付けるよう、生活習慣を見直したいところだ。
山口氏は子供たちに向けて、30cm以上離して見ること、30分近くを見たら遠くを20秒以上見るという「日本の学校現場にあったお約束 3つの30*1」を紹介した。さらに、「海外の研究データ*2では、日中の外で過ごす時間が多いほど、近視進行抑制につながることがわかっており、1日2時間以上、外で遊ぶことが奨励されている」と、最新の知見を紹介してくれた。

近視と向き合うための治療の選択肢
とはいえ、このようなさまざまな生活習慣への配慮をしても視力が低下してしまった場合には、眼鏡やコンタクトレンズによる近視の視力矯正が必要になることも少なくない。近年は、近視の進行と関係するとされる「眼軸長」に着目し、近視の進行をできるだけ緩やかにすることを目的とした「近視進行抑制治療」の研究が進んでいる。
山口氏は、「国内で近視と向き合う方法にはいくつかの考え方がある」とし、以下の2つの治療法を紹介した。
ソフトコンタクトレンズ
多焦点ソフトコンタクトレンズは複数の度数をもち、近視進行の抑制に効果があると報告されている。海外では「デュアルフォーカス構造」のソフトコンタクトレンズなど、小児の近視進行抑制を目的としたさまざまなデザインのソフトコンタクトレンズが開発されている。
低濃度アトロピン(点眼薬)
有効成分アトロピンを低濃度で配合した点眼薬による点眼療法。副作用が少なく、近視の進行を効果的に抑えることが多くの研究で示されている。
視力低下が、学校生活の「困りごと」につながることも
子供の視力が低下したまま放置しておくと、生活面で不便なだけでなく、黒板が見えづらいなど学習面でも支障が出る。また、先にも述べたが近視の進行は将来的な合併症のリスクも高まることから、早めのアプローチが重要とされている。
視力低下した場合は、眼科医に相談したうえで、治療方針を決めることになる。山口氏は保護者に向けて、「定期的に眼科で診てもらうことが大切」と強調しつつ、子供たちには「黒板が見えにくいと感じたら、我慢しないで大人に相談してほしい」と呼びかけた。
大人の目の変化(老視)について
イベントの最後には小淵氏から、保護者向けに老視のメカニズムについての説明もあった。

小淵氏は、「目が疲れやすい、近くのものが見えにくい、ピントが合いにくい、特に暗いところでは見えにくいといった症状があれば、老視の可能性が高いと考えてほしい。老視の視力矯正には遠近両用眼鏡や遠近両用コンタクトレンズなどの選択肢もあるので、無理をせず専門家に相談し快適な見え方を見つけてほしい」と述べ、イベントは終了した。

参加していた保護者からは、「(近視の子供は)板書が見えづらいことでノートに書き写すことができなかったなど、学習機会を逸することもあったかもしれない。年1回の学校の視力検査しか子供の視力を把握できる機会がないので、普段から家でのようすを注意深く見る必要があると思った」「子供の視力低下が心配で、デバイスを見る時間を制限するなど気を付けているが、完全にコントロールすることは難しい」「小学4年生の息子は眼鏡を着用している。空手を習っているので、本当はコンタクトレンズのほうが便利だと思うが、自分で着脱できるかなど不安もある。気になっていたことが聞けて良かった」といった感想が聞かれた。
記事監修/東京都立広尾病院眼科医長 五十嵐 多恵先生(屈折矯正、成人以降の病的近視、小児の近視抑制などが専門)
※本記事の医学情報部分(近視の仕組み等)は五十嵐先生による監修であり、特定製品の推薦を目的とするものではありません
日本初承認、近視進行抑制治療用ソフトコンタクトレンズ
「マイサイト ワンデー」とは
イベント後、2026年2月にクーパービジョンから全国の一部眼科、コンタクトレンズ販売店において発売が開始された、近視の視力補正と進行抑制治療を目的とした「マイサイト ワンデー」について、小淵氏と山口氏に話を聞いた。
近視は特に8歳から12歳ごろに進みやすく、18歳から20歳で落ち着くというデータがある。近視が進行しやすい成長期に、その進行を抑えることができる治療選択肢として注目されているのが、「マイサイト ワンデー」だ。

この「マイサイト ワンデー」は海外を含む40か国以上で販売され、これまでに世界で20万人以上の子どもたちに使用されている*3。近視の視力補正および進行抑制を目的とした、日本で初めて承認された近視進行抑制治療用ソフトコンタクトレンズだ。
通常の視力矯正用コンタクトレンズと同様に視力補正を行いながら、見え方に配慮した独自のレンズ設計が採用されている点が特長だ。焦点を網膜上で合わせることで視力を矯正する「屈折矯正ゾーン」、焦点を前方にずらすことにより近視の進行を抑制する「トリートメントゾーン」が交互に配置された同心円型の二重焦点レンズデザイン「ActivControl テクノロジー」を採用。この設計により、近視による視力を補正すると同時に、近視の進行を抑制する機能があるという。

近視の進行が安定するまで、1日10時間以上、週6日以上の装用が推奨されている。扱いやすさに関しては海外の研究で、8歳の児童を含む対象者のうち85%が、一定期間(1か月)の練習後に自力装用を習得したと報告されている*4。1日使い捨てタイプのため、洗浄などのケアが不要で、衛生面でも安心の製品だ。
両氏は、「子どもの近視と向き合う方法はひとつではない。生活習慣の見直しも含め、複数の選択肢がある。大切なのは、自己判断せず、眼科医に相談しながら、子どもの目の状態や生活環境に合った方法を選ぶこと」と話し、締めくくった。
「目は一生の宝」である。参加者からの「親子で目を観察し、専門家の話を聞きながら、子供の近視について考えるきっかけを得られた」という感想も印象的だった。
今回の取材を通じて、近視進行抑制治療の選択肢が増えていることを知り、医学の進歩に心強さを感じた。子供たちの目を守ることについて、ご家庭で今一度、考えてみてはいかがだろうか。
クーパービジョン・ブランド周年キャンペーン詳細はこちらマイサイト ワンデー
詳細はこちら
★ マイデイ(販売名:マイデイ 承認番号: 22700BZX00320000)/バイオフィニティ(販売名:バイオフィニティ 承認番号: 22200BZX00714A01)/マイサイト ワンデー(販売名:マイサイト ワンデー 承認番号: 30700BZX00189000)
*1 監修:広尾病院 五十嵐多恵先生
*2 Acta Ophthalmol. 2017: 95: 551–566
*3 CVI data on file 2025. 2024年6月から2025年5月までの12か月間における、世界の装用者数に関する社内推計
*4 Lumb, E., et al. (2023).Contact Lens and Anterior Eye, 46(4), Article 101849. なお、研究条件下での結果であり、年齢・個人差・指導体制等により習得状況は異なります。同様の結果を保証するものではありません
●コンタクトレンズの使用でご注意いただきたいこと
コンタクトレンズは目に直接装用する高度管理医療機器です。必ず眼科医の検査、処方を受けてお求めください。コンタクトレンズをご使用の前には、必ず添付文書をよく読み、表現や内容で分からないところがあれば必ず眼科医に相談し、よく確認してからご使用ください。
●特にご注意いただきたいこと(1日使い捨てレンズ)
レンズの使用期間(1日)を超えた装用は絶対にしないでください。/一度目からはずしたら、再使用しないでください。/装用時間を正しくお守りください。/取扱方法を守り、正しく使用してください。/定期検査は必ず受けてください。/異常を感じたら直ちに眼科を受診してください。/破損などの不具合があるレンズは絶対に使用しないでください。

