放射性物質飛散予測、全過去データ公表へ
内閣府原子力安全委員会は、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)による過去の予測計算結果データをすべて公表する。細野豪志首相補佐官が25日、統合本部共同記者会見で明らかにした。
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SPEEDIによる放射性物質の拡散予測は、過去2回(3月23日と4月11日)だけ公表された。
これからは3月11日16時から現在までの毎時刻、1日24回分の拡散予測を毎日、また、積算放射線量を随時更新して、同委員会のホームページ「SPEEDIアーカイブ」で示す。
SPEEDIの正確な予測のためには放出源情報が必要だが、福島第一原発の事故では、それが得られないため予測結果の公表が見送られてきた。
「3月半ば、最も放射線が飛んでいたであろう時期に、この予測が利用できなかったことはたいへん申し訳なく思っている」と、細野氏は謝罪した。
公開される予測データは、1時間当たり1Bq(ベクレル)の放射線が放出された場合、どのくらい拡散があり得るのかという仮定に基づいた計算結果だ。
公表は過去にさかのぼるものだが、あくまでその当時の気象条件をもとにした予測を公表するだけで、現時点から振り返って修正が加えられているわけではない。例えば、公表されなかった過去の天気予報が掲載されるようなものだ。
この公表のタイミングのズレについて「実測のデータがほとんどとれなかったので、この予測が実際の数値とどのくらい整合性があるか、そのことについて十分な準備ができてなかった」と、細野氏は語った。
さらに、SPEEDIの運用を、内閣府原子力委員会か文部科学省が担当するのか「調整に戸惑ったこと」も、公表を遅らせる要因になったことを明かした。
過去の放射性物質の飛散予測 SPEEDIアーカイブで公表
《中島みなみ@レスポンス》
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