千葉県印西市の小中学校、MSのクラウド活用で教職員連携強化や災害対策を実現
千葉県北西部に位置する印西市は、市内の小中学校におけるICT活用を重視し、「授業」「教材作成」「校務処理」「保護者と地域とのコミュニケーション」の4つの領域でICTを積極的に活用している。
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
印西市教育センターは、システムの段階的なクラウド移行を見据え、2012年4月から、マイクロソフトの教育機関向け製品「Office 365 for Education」の利用を開始。本製品の選定理由は、今まで使ってきたOffice製品の延長線上で、教職員が違和感なく使え、セキュリティや学外アクセスなどの観点から導入を決めたという。「Lync Online」を各学校の校長、教頭、養護教諭、事務職員同士の横の連携に利用し、「SharePoint Online」を教員と児童、生徒の双方で利用している。教員は教材や指導案の作成に使用することで、仕事の生産性向上を目指す。一方、児童、生徒は撮影した写真や原稿などを蓄積、共有している。クラウドの利点を活用して、運用コストの抑制、災害対策、自宅からのアクセスなども実現したという。
導入前にあったさまざまな制約がなくなったことで、教員は自宅で仕事ができ、教職員間の横のつながりも強くなった。たとえば、東日本大震災の時には電話が不通になったため、他校の校長や教育委員会との連絡が不可能な状況に陥り、校長は児童や生徒を学校で待機させるのか、家に帰すのかといった判断を、他校と連携して決めることができなかった。しかし、今回の導入で、電話が使えない状況でもインスタントメッセージを活用することで、他校との連絡も可能になったという。
印西市教育センターでは今回の導入を皮切りに、今後、校務処理システムも含めて、市のポリシーに沿う形で情報を切り分け、クラウド化を進めていく方針だ。そして、いずれ保護者が自分の子どもの情報にアクセスできるような時代が到来することを見通して、次期システムでのクラウド活用を図っていく考えを示している。
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