日本数学検定協会、PISA2012の結果を考察

 日本数学検定協会は12月11日、2012年に実施したOECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果を受けて考察をまとめ、発表した。2003年と比べ、数学の授業の雰囲気や数学に対する興味・関心、学びがい、自信が向上しているとしている。

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平均得点および順位の推移
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 日本数学検定協会は12月11日、2012年に実施したOECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果を受けて考察をまとめ、発表した。2003年と比べ、数学の授業の雰囲気や数学に対する興味・関心、学びがい、自信が向上しているとしている。

 PISA(Programme for Internat ional Student Assessment:ピザ)は、義務教育の終了段階にある15歳の生徒(日本では高校1年生)を対象に、それまで身につけてきた知識や技能を実生活でどの程度活用できるかを測る目的で、2000年より3年ごとに実施している。今回、結果が公表されたPISA2012は、数学的リテラシーを中心に読解力、科学的リテラシーの3分野について調査。OECD加盟34か国を含む65の国と地域から約51万人が参加した。

 今回の2012年調査では2003年調査と同様、数学的リテラシーに関して多くの問題が出題されており、数学的リテラシーの傾向を見るには重要な調査という。

 日本は2003年から2006年にかけて平均得点が低下したが、その後は平均得点、順位とも上昇してきている。それは、「レベル1以下の下位層の割合が減少し、レベル5以上の上位層の割合が増加していることによる。しかし、記述式問題については、正答率が低く、無解答率が高いことが依然として課題となっている」と同協会では分析している。

 2003年以来2回目の質問紙調査では、「学校における学習環境(数学の授業の雰囲気)」については、国際平均に比べ、各指標で5~20ポイントよい状況にある。また、2003年に比べ、いずれも指標も5~10ポイント程度上昇している。

 これに対し、数学的リテラシーに影響を与える学習意欲等の変化については、国際平均と比べると20~40ポイント低く、依然として課題がある。しかし、「数学に対する興味・関心や楽しみ(授業が楽しみ)」「数学の道具的動機付け(学びがい)」「数学に関する自己効力感(自信)」についての割合ではそれぞれ20ポイント程度の上昇が見られ、改善のきざしが見られるという。

《工藤めぐみ》

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