東大、ハーバード・MIT主導のMOOC「edX」への参加を表明
東京大学は2月18日、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の共同出資により設立された大規模公開オンライン講座(MOOC)「edX」への参加を発表。edXを通じてハーバード大学とMITとの連携を深め、これまでにない3 大学の連携講座を提供するという。
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東大が2013年9月より世界最大級のMOOC「Coursera」に開講した2講座は、150か国以上から8万人以上の登録者を集め、うち約5,400人が修了した。東大の全学生数が現在約28,000人、うち留学生が約3,000人という数字を考慮すると、MOOCを通じて東大が得る世界への情報発信力は大きい。
スタンフォード大学、プリンストン大学、イエール大学、シカゴ大学などといった世界のトップ大学が参加するCourseraには、190か国以上の650万人以上が登録している。東大の2講座に登録した8万人の受講者の多くは、講座担当教授に好感を持ち、研究内容に関心を示すなど、東大の世界的な知名度の向上に繋がったようだ。
2014年度には、Courseraにおける提供講座数を増やし、経済学および情報学を新たに開講すると東大が発表したことは、Courseraでの講座提供が東大の国際的知名度の向上に繋がることが明らかになり、国際化戦略の重要なピースとなっている。
今回東大が参加を発表したedXは、登録者数が約200万人とCourseraの3割ほど。ハーバード大学とMITの共同出資により立ち上げられ、カリフォルニア大学バークレー校や京都大学などが参加している。
東大がedXに参加する理由は、海外における知名度向上だけでなく、ハーバード大学とMITとの教育面での連携だと副学長の吉見俊哉教授は話す。秋に吉見氏がedXで開講する講座「ビジュアライジング・ポストウォー・トーキョー」は、ハーバード大学のアンドルー・ゴードン教授、MITのジョン・ダワー教授との連携講座。3大学の3名の著名な教授が日本の近現代史講座を担当することで、edX以外では不可能な連携を実現するという。
また、edXで開講する講義動画を利用した反転授業を東大の学部生を対象に実施するという。学生は、事前にedX上で講義映像を視聴した上で対面授業に参加し、フィールドワークを行うという内容。edXを東大の国際化戦略のひとつとするだけでなく、edXの講義映像を東大の学生の授業で活用することで、大学内の教育の向上も図る狙いだ。
また、東大は、CourseraやedXといった海外のMOOCだけでなく、4月より運営が開始される国内初のMOOC「gacco(がっこ)」において本郷和人教授が「日本中世の自由と平等」開講。CourseraやedXと違い日本語で行われるため、国内の受講者も参加できる内容となっている。
《湯浅大資》
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