日本e-Learning大賞にドリコムやLoiLoなど、受賞者の声

　eラーニングの優秀事例を表彰する「日本e-Learning大賞」が11月12日に開催され、大賞を受賞した英単語アプリ「えいぽんたん！」を提供するドリコムのほか、各大臣賞を受賞した企業の代表者たちがプレゼンテーションを行った。

　今回で11回目の実施となる日本e-Learning大賞は、企業・自治体・団体などが展開するeラーニングに関する革新的な技術、コンテンツ、導入事例を表彰し、紹介するもの。2014年は、約120の応募事例の中から、ゲーム感覚で英語を学習できるアプリ「えいぽんたん！」を提供するドリコムが大賞を受賞。そのほか、経済産業大臣賞、文部科学大臣賞、総務大臣賞、厚生労働大臣賞の計5つの賞が表彰された。

　日本e-Learning大賞を受賞した「えいぽんたん！」は、スマートフォンユーザーのための英単語学習アプリ。アプリ内には、コミュニティによるソーシャル機能、競争・協力意識を醸成するゲーミフィケーション機能、難易度を調整する学習最適化機能など、「学びを続ける」ための仕組みを有し、SNSと学習を融合させた「ソーシャルラーニング」分野のアプリとして評価された。

　表彰式後のステージでは、ドリコムソーシャルラーニング事業部長の石井学氏が登壇し、「学びを続ける」「学びの機会を拡げる」というアプリのコンセプトについて語った。石井氏は、作っているのは英単語アプリだが、目的はあくまでも「継続する学習環境」の提供だという。学習環境を整備し、標準化した学習体系が実現すれば、英語以外の教科への展開や資格試験のサポート、さらには海外への展開なども期待できると説明した。

　また、教育に関連した事業においては、楽天と合弁の新会社「ReDucate」を立ち上げ、再スタートしていくことを明らかにした。石井氏は、「教育を再デザインしたいという思いで、チャレンジしていきたい」とコメント。「えいぽんたん！」で培ったノウハウを学びの意欲と機会の創造に繋げていくようだ。

　そのほか、ステージ上では、経済産業大臣賞を受賞したアルクテラス「Clear -勉強ノート共有プラットフォーム-」、文部科学大臣賞のNPO法人eboardの「低学力層でも理解できる！小学生から高卒認定試験までサポートした無料学習サイトeboard」、総務大臣賞のLoiLo「タブレット時代の授業支援アプリ”ロイロノート・スクール”」、厚生労働大臣賞のビジネス・ブレークスルー大学の各代表者が、プレゼンテーションを行った。

　その中で、教育の現場におけるeラーニングのあり方について、LoiLo代表取締役CEOの杉山浩二氏は、ICT機器が学校に入ってくることを多くの先生たちは不安に思っていると説明。ただ、ICTを使った授業に対して「効果がない」と感じている先生は少なく、効果を認めつつも「大変でできない」という現状が教育現場にあるのではないかと指摘する。

　LoiLoが総務大臣賞を受賞したアプリ「ロイロノート・スクール」は、タブレット時代に向けた授業支援アプリ。シンプルなデザインと直感的に使える機能を用意し、教員、児童・生徒が容易にプレゼンテーションを作成することができる。また、クラス内でプレゼンテーションやスライドを共有することができ、先生は、例示したい生徒のスライドのみを選んで表示させることもできる。また、生徒同士でプレゼンテーションを送り合うこともでき、協働学習に役立てることが可能だ。

　杉山氏は「ロイロノート・スクール」について、シンプルさを追求したと話す。アプリの狙いは、利用する先生たちが「どんなことができるのか？」とワクワクするような環境の構築だという。ICT機器導入に対する先生の不安を軽減し、授業づくりのモチベーションとなりえる「ロイロノート・スクール」を目指している。

◆第11回日本e-Learning大賞受賞者
・日本e-Learning大賞：ドリコム「えいぽんたん！」
・経済産業大臣賞：アルクテラス「Clear -勉強ノート共有プラットフォーム-」
・文部科学大臣賞：eboard「低学力層でも理解できる！小学生から高卒認定試験までサポートした無料学習サイトeboard」
・総務大臣賞：LoiLo「タブレット時代の授業支援アプリ”ロイロノート・スクール”」
・厚生労働大臣賞：ビジネス・ブレークスルー大学「国際的視野と開拓者精神を有する人材の育成に効果のあるBBT大学とAirCampusの取組」