5歳児期の「学びに向かう力」はやりとり遊びをする家庭ほど高い…ベネッセ

 ベネッセは3月4日、ベネッセ教育総合研究所が実施した「幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査」の結果について公表。親子で知的なやりとり遊びをする家庭ほど、5歳児の「学びに向かう力」が高いことが明らかになった。

教育・受験 その他
イメージ画像
イメージ画像 全 8 枚 拡大写真
 ベネッセは3月4日、ベネッセ教育総合研究所が実施した「幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査」の結果について公表。親子で知的なやりとり遊びをする家庭ほど、5歳児の「学びに向かう力」が高いことが明らかになった。

 同調査は、3歳児期から小学1年生までの4年間、同一の子どもについて継続して学びの様子や母親の意識を調査し、この時期の子どもの育ちや保護者の関わりを明らかにする目的で行われている。

 今回は2013年1月の調査に続く2回目で、2014年1月の4歳児から5歳児の期間について、母親1,074名を対象に調査を実施した。調査にあたっては、小学校入学以降の学習や生活につながる幼児期の学びとして、 好奇心・協調性などの「学びに向かう力」、学習に関係する「文字・数・思考」、「生活習慣」の3つの軸を設定して行った。

 親子での知的なやりとり遊びについて、9割以上の母親が「よくある」「ときどきある」と回答したのは、「ことば遊び」91.4%、「一緒に数を数えている」90.8%。次いで「本の読み聞かせ」71.9%、「絵をかいたり粘土や折り紙で遊ぶ」67.2%が続いた。

 「子どもがかわいくてたまらないと思う」などの子育てに肯定的な感情が「よくある」との回答は、やりとり遊びの頻度が低い群よりも高い群の方が多いことがわかった。さらに、「子どもを傷つけるような言動をした場合は子どもにあやまる」など子どもを尊重する養育行動が「とてもあてはまる」との回答は、やりとり遊びの頻度が低い群よりも高い群の方が多いことがわかった。

 また5歳児の「学びに向かう力」と「文字・数・思考」は、やりとり遊びの頻度が低い群よりも高い群の方が高いことがわかった。「学びに向かう力」では、特に「新しいことに好奇心をもてる」「ルールを守りながら遊べる」などの項目で、「とてもあてはまる」との回答は、やりとり遊びの頻度が低い群より高い群の方が16ポイント以上高かった。さらに「文字・数・思考」では、特に「ことばで多い・少ない・大きい・小さいを正しく使える」が「とてもあてはまる」との回答は、やりとり遊びの頻度が低い群より高い群の方が19.6ポイント高かった。

 一方、知的なやりとり遊びの頻度の低い群・高い群について、母親の就労有無別、最終学歴別でみたところ、どちらも大きな差はみられなかった。

 ベネッセはこれらの調査結果から、幼児期の「学びに向かう力」の土台は幼児期の親子の遊びにあることが示唆されているとしている。親子遊びの充実のために、保護者、幼稚園、保育園、また行政や研究者などが一体となって取り組み、子どものよりよい育ちのために本調査を活用してもらいたいという。

《荻田和子》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集