スマート教育の実現に向けて~DiTTビジョン発表~… DiTT6/15
6月15日(月)に、慶應義塾大学 三田キャンパスで開催されたデジタル教科書教材協議会(以下、DiTT)シンポジウム「スマート教育の実現に向けて~DiTTビジョン発表~」には、約130名が参加した。
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石戸氏:法制化にあたってどのような議論が必要か?
豊嶋氏:不易という言葉があるが、今の子どもたちが20年後、社会人になったときに役立つには何を学ばせればいいのかも、ICT化とセットで考えていただきたい。
新井氏:教科書は、電子データも含む著作物であるという定義のうえで議論されないと前に進まない。著作権問題は教科書のデジタル化の大きな課題。法制化においても議論が必要なところ。
石戸氏:BYOD(Bring Your Own Device)の可能性は?
南氏:BYODは、積極的に検討されるべきではないか。先生方は学習環境や授業の構築に専念していただき、デバイス面は各家庭にゆだねる。そうしないと現状の予算では1人1台端末の実現は難しい。
石戸氏:ネットワークについての問題は?
新井氏:クラウド環境についてはセキュリティ面から躊躇している自治体が多い。各自治体のセキュリティポリシーが縛りになっている。先導的事例の中からいいモデルを示すことができればいい。
南氏:学校が自前でネットワークを構築するよりも、クラウドにまかせたほうが簡単だし、実はセキュリティ面でも安心。また、無線LANに代わるネットワーク、たとえばセルラーモデルなども検討していくべき。
中村氏:通信キャリアの方々にも参加してもらい議論する時期にきているのでは。
豊嶋氏:通信環境の整備とコンテンツの問題はセットで考えるべき。コンテンツが今、どんどん重くなっている。いくら通信環境を整備しても追い付かなくなっている。
石戸氏:ビッグデータの活用は?
南氏:教育プラットフォームの構築の中で、ビッグデータを匿名化して学習データとして活用することも検討中。医療の電子カルテ等も同様だが、そのデータは誰に帰属するのかが今後問題になるだろう。
◆低コストモデルの提案が突破口となるか
石戸氏:最後にひと言ずつお願いします。
新井氏:コンテンツ、デバイス、ネットワーク環境を、コスト配分を考えながら包括的に考えていくべき。
豊嶋氏:国、自治体、民間企業、学校、NPO等、なるべく多くのステイクフォルダーが手を携えて進めていくべき。特に企業には、低コストモデルの提案も含め、いいモデルを出してほしい。それがブレイクスルーになればと期待している。
南氏:企業にはぜひ1台1万円を切る端末の開発をお願いしたい。普及モデルの提供と幅の広い選択肢がなければ、ICTは、一握りの人の玩具になってしまう。
片岡氏:低コストモデルが待たれる。新しいエコシステムを考えて供給者側も買う側も納得できるモデルができるといい。
中村氏:ここまで来た、という思いと、まだここまでかという思い。政府はかなり進んできた。民間が遅れを取っている印象だ。引き続き、産官学が手を取り合って前進していくべきだと思っている。
<参考>DITTが提言する「教育情報化推進法」のポイント
(1)デジタル教科書の正規化
検定制度との整合、著作権の処理等の課題をクリアし、学校教育法など関連3法を改正する。端末やネットワークの整備、システム標準化等も重要な課題。
(2)クラウド、ソーシャル、ビッグデータ
教育環境のクラウド化、教育SNSのようなソーシャルメディアの活用、個人情報を守りつつビッグデータを活用した教育サービスの向上。
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