「除菌」過信は禁物、埼玉県がウエットティッシュの効果を検証
埼玉県消費生活支援センターは、除菌に関する消費者意識アンケートおよび除菌ウエットティッシュの効果検証テストを実施した。多くの消費者が、細菌とカビの区別なく、除菌によって大部分の菌が取り除かれると考えていることが明らかとなった。
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除菌に関する消費者意識アンケートは、消費生活支援センター主催の講座参加者やセンター職員、家族など108名を対象に、平成28年8月25日から9月28日にかけて実施した。
除菌への関心について、「関心がある」と回答したのは84%。除菌の必要性については57%の人が「衛生上必要」と回答した。「目に見えない除菌効果は疑わしい」と回答した人も42%いた。
除菌商品に期待することには、73%の人が「感染症や食中毒の予防」と回答した。ついで「防カビ効果」が約46%。以下「消臭効果」「除菌をしたと言う安心感」に40%以上の回答が集まった。除菌効果については、49%が「除菌によって菌は取り除かれる」と回答し、除菌の量的効果について43%が「大部分の菌」と回答している。
アンケートでは、除菌のほか滅菌・殺菌・減菌・抗菌・消毒のそれぞれのイメージを調べ、消費者には「滅菌」と「殺菌」の区別がないことや、「消毒」のイメージがまったく確立されていないことを明らかにした。一方で、除菌ウェットティッシュの使用目的について、72%が「おもに汚れを拭くために使用する」と回答し、18%が「おもに除菌をするために使用する」と回答した。
消費生活支援センターではこの結果を受け、消費者は学術的には異なる細菌と真菌(カビなど。除菌の対象に含まれていない)を異なる菌として区別せず、除菌の対象に真菌も含まれると考えている可能性があるとみる。そして大部分の消費者は、除菌商品のテレビCMなどから「除菌によって大部分の菌が取り除かれる」というイメージを持っていると考察した。
センターでは、平成28年9月20日から12月20日にかけて、各数種類の除菌ウエットティッシュ(アルコール・ノンアルコール)、除菌表示のないウエットティッシュ、水道水を含ませたティッシュペーパーを使用し、除菌効果の検証を実施した。
細菌の付着したテーブルを拭き取り、細菌数の変化を調べると、いずれも1回の拭取りだけですべての細菌を除去することは困難であることがわかった。アルコールタイプの除菌ウエットティッシュがもっとも効果があったものの、除菌表示のないウエットティッシュや水道水を含ませたティッシュペーパーでも除菌できた。
これによりセンターでは、細菌数を確実に減少させるためには、繰り返し拭取りを行うことが有効と判断。「除菌」という言葉を過信せず、ふだんからこまめな清掃を心がけるよう消費者に呼びかけた。
テスト結果の詳細は、埼玉県Webサイトに掲載する。なおセンターでは、除菌の対象となる菌やその量的効果については公的に定められたものはなく、今回のテスト条件も公的に定められたものではないため、テスト結果は条件によっては異なる可能性があることを断っている。
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