会場には、同大学の学生だけでなく、同じキャンパス内にある附属幼稚園の子どもたちや、近隣の子どもたちも、お気に入りのキャラクターをひと目見ようと集まった。
◆浴衣を着て、日本文化の素晴らしさを実感しよう
2012年からスタートし、すっかり恒例となった「織姫祭」。年に一度の七夕の日、有志の学生や教職員が一日中浴衣で過ごし、日本の伝統文化の素晴らしさを再認識するというイベントだ。
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浴衣姿の十文字学園女子大学の学生(織姫祭2017)
「七夕ベントが始まった当初は、学生や先生が、浴衣を着て授業に参加するというだけのイベントだったのですが、他学科の学生や地域の方々にも声をかけ、少しずつ浸透してきました」と話すのは、文芸文化学科2年生の後藤詩乃さん。織姫祭実行委員を務めている。この日のために新調したという浴衣がとてもお似合いだ。「浴衣を持っていない人にはレンタルサービスもあり、地域の人たちの協力で着付けもしてもらっています。他学科にも校内メールで告知しているので、だんだん浴衣の輪が広がってきました」。
◆人気のご当地キャラクターと、大学のキャラクター、プラスちゃんが共演
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十文字学園女子大学「織姫祭2017」メインイベント「ご当地キャラクターが演じる七夕物語」のようす
今年の織姫祭の注目イベントは、「ご当地キャラクターが演じる七夕物語」。コバトン(埼玉県マスコット)、星夢(すたむ)ちゃん(小川町商工会青年部)、カパル((財)志木市文化スポーツ振興公社マスコットキャラクター)、ゾウキリン(新座市イメージキャラクター)を招き、十文字学園女子大学のマスコットキャラクター、プラスちゃんと、舞台で共演するという、初の試みだ。「せっかくだから学科内の閉じたイベントではなく、キャラクター好きな学生と一緒にイベントを盛り上げたい」―そういう思いから後藤さんたちスタッフは、他学科の学生にも企画・運営を呼びかけた。
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十文字学園女子大学 織姫祭実行委員・文芸文化学科2年生の後藤詩乃さん
文芸文化学科のスタッフと共に企画・運営の中心となったのは、生活情報学科4年生の佐藤佳奈さん。「ゆるキャラが好きで、卒論ではSNSとゆるキャラの関係がテーマ。『プラスちゃんくらぶ』というサークルの部長を務めています。プラスちゃんグッズを開発したり、プラスちゃんを地域イベントに送り込んだり、プラスちゃんと一緒にさまざまな経験をしています。そして、プラスちゃんというキャラクターを育てていくことで、大学の知名度アップにも貢献することも活動の目的です」。
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十文字学園女子大学 織姫祭「ご当地キャラクターが演じる七夕物語」企画/運営・生活情報学科4年生の佐藤佳奈さん
織姫祭実行委員の後藤さんもプラスちゃんくらぶのメンバー。これまで多くの地域イベントに参加し、ご当地キャラクターとご縁をつないできた2人。同大学と関係の深いご当地キャラクターたちに呼びかけ、ステージでの共演が実現した。
「ゆるキャラにオファーを出すためには、各自治体や団体に申請書類を提出しなければなりません。申請を通すためには、きちんと企画書も書かなければなりませんでした。先生に助けてもらいながらでしたが、大人の仕事の一端を経験させていただきました」と佐藤さん。
脚本は、文芸文化学科の学生が担当した。「七夕物語をベースに、ご当地キャラクターが活躍できるようストーリーをアレンジしました」と後藤さん。
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十文字学園女子大学「織姫祭2017」注目イベント「ご当地キャラクターが演じる七夕物語」終演後に駆け寄る子どもたち
不安だったのは集客。「どのくらいの人が来るのかわからず不安でした。でも、人気のキャラクターたちが登場するので、外部からもキャラクター目当てに来てくれるかも、と少し期待していました」。結果は狙い通り。「附属幼稚園の子どもたちだけでなく、地域の方々、地域の子どもたちも数多く来てくれました。地域を巻き込んだイベントにすることができてよかったです」と佐藤さん。
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夜空に願いを「夜空をつくるフォトグラムワークショップ」・写真作家を招いての作品作り
◆外国では七夕をどう過ごしている?留学生たちにインタビュー
もう1つの目玉イベントは学友会とのコラボ企画、「留学生による各国の七夕物語」。同大学のカフェテリアで、浴衣を身にまとった中国人留学生ライカキさん、マイネンさん、ベトナム人留学生のチャン ティダランさんが、自国の恋の歌を披露。学友会の学生による司会進行で、「中国では、七夕は恋人と過ごす日。どちらかというと、日本のバレンタインデーに似ている」「ベトナムでは、日本のようなお祭りはなく、好きな人と過ごす」など、自国での七夕の過ごし方を語ってくれた。
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十文字学園女子大学 織姫祭2017 学友会とのコラボ企画「留学生による各国の七夕物語」のようす
浴衣を着た感想は「見たときはきれいと思ったけど、着てみたらきつくて驚いた」「とても貴重な体験ができた」「着物を着るとみんなが『きれい』と言って注目してくれる。自分もきれいになったように感じました」。留学生たちにとって織姫祭は、日本での印象的な一日となったに違いない。
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浴衣姿の十文字学園女子大学のベトナム人留学生のチャン・ティダランさん(織姫祭2017)
◆学生主体で!来年にも引き継いでいきたい
織姫祭は、学生主体で行うことが特徴のイベントでもある。授業の合間に企画会議を重ね、コンセプトやイベントの内容を決めて、当日に向けて準備をする。
中心となって準備をしてきた後藤さんは、「みんなで1つのものを作ることの難しさを実感しました。人によって意識が異なり、LINEグループで協力を呼びかけてもなかなか皆の思いが1つにならない。どうやって責任感を持ってもらうかに悩みました。でも先輩たちから助言をもらいながら、なんとか今日を迎えることができました」と語った。
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十文字学園女子大学 織姫祭 について語る文芸文化学科2年生の後藤詩乃さんと生活情報学科4年生の佐藤佳奈さん
しかし、「まだ終わった感はないです。これまでを振り返り、反省を次にどう活かすか考えて、後輩に引き継ぎをするまで安心できないですね。今後も織姫祭を続けていきたいので」と、後藤さんは頼もしい表情で締めくくった。
「最初は文芸文化学科だけのイベントでしたが、年々学内に浸透し、他学科の学生はもちろん、地域の人たちの参加も増えてきました。織姫祭が、外の世界との架け橋なればいいと思います」と佐藤さん。
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浴衣姿の十文字学園女子大学の学生の皆さん(織姫祭2017)
来年は、どんな企画が飛び出すのか。学生らしい新鮮なアイデアと若い表現力が今から楽しみだ。
提供元:十文字学園女子大学