JSCによると、学校の管理下における熱中症死亡事故は、ほとんどが体育・スポーツ活動によるもの。25~30度とそれほど高くない気温でも、湿度が高い場合は発生している。また、午前10時から午後4時が多いが、暑い季節は朝や夕方でも発生することがあるという。
1975年から2017年(速報値)まで、学校の管理下における熱中症死亡事例は170人。このうち、部活動が146人を占めている。部活動の場所・スポーツ種目別では、「野球」が37人と圧倒的に多く、「ラグビー」17人、「柔道」16人、「サッカー」14人、「剣道」11人、「山岳」9人、「陸上」「ハンドボール」7人と続いている。
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学校の管理下における熱中症死亡事例の発生傾向(部活動の場合別・スポーツ種目別、1975~2017年
部活動以外では、「登山」の8人が最多で、「マラソン」4人、「長距離徒歩」3人、「遠足」「サッカー」2人など。熱中症死亡事例は、屋外で行うスポーツにおいて多く発生しているほか、防具や厚手の衣装を着用しているスポーツ、長時間にわたって行うスポーツに多い傾向がみられた。
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学校の管理下における熱中症死亡事例の発生傾向(学校行事など部活動以外の場合別・スポーツ種目別、1975~2017年)
男女別では、男子が159人と全体の93.5%を占めている。学年別では、高校1年の67人が最多で、高校2年の41人と合わせて、高校1~2年生が全体の6割以上。このほか、中学2年19人、中学1年16人、高校3年15人など。もっとも多い高校1年男子は、全体の4割近い65人にのぼる。
JSCでは、熱中症について「気温・湿度などの環境条件を把握し、それに応じた運動・水分補給・休憩をとることや児童生徒等の健康観察、健康管理を徹底することによって防止することができる。また、万が一発症した場合でも、必要な処置を迅速に実施することにより回復できる疾病」と解説。熱中症予防のための啓発資料作成などを通して、注意喚起している。