個人的な事情ではありますが、私は東京でサラリーマンを営みながら、屋久島に家族が住む2重生活を6年以上続けており、1,2ヶ月に一度、島に渡って生活しています。その時には、リモートワークしたり、facetimeを利用して会議に参加するなど、遠隔地で仕事をしたため、定期的に往来しやすい状況でした。それは、会社が用意してくれていたインフラがあって成立できたと思っています。家族は「便利な世の中になったね~」など感心していました。
そしていま、会社では新たな試みとして、場所を選ばない、個々の事情に合わせたリモートワークを実験しています。働き方、場所や時間を自分でコーディネートできる制度が加わったことで、かなりの制約がなくなって来ました。いったいどこまで自由にできるか実験してみようと、今回はお盆休みに加え、有給休暇、在宅勤務をそれぞれ2日組み合わせて計8日間の長期滞在を実施しました。本稿も屋久島で執筆しています。
これまでも、会社の制度をはみ出さない範囲で、有給休暇を利用しながら、必要に応じて電話やTV会議などで業務を行っていました。そういうことが可能だったのは、会社の風土や上司、同僚の懐の深さのおかげだと、大変感謝しています。もし、しゃくし定規に、休んでいるときには仕事してはダメだと言われていたら、恐らくこんなに頻繁には家族に会いに来れなかったでしょう。
では実際に離島でリモートワークをしてみてわかったことをお伝えします。
今回実験してわかったこと
1.ハイシーズンでも、安い運賃で移動ができる
会社の休みにあわせていったら、往復8万円かかるところが、在宅を組むことで日程の自由度を持てたため、マイレージ特典や格安運賃を利用できて、現金支出は4万円未満で済んだこと。(普段はLCCを駆使して、成田-鹿児島-屋久島の往復で3万円ほど)
2.休暇のメリハリがもてたこと
意識的に休暇と仕事する日を区分できたことを実感。在宅勤務制度ではなく、休暇のみで対応していた時には、合間に仕事をすることがあり、際限なくなる傾向があった。
3.意外に服装にも気を遣う
社外関係者とTV会議をすることになったため、服装に困りました。実際、襟付きのものに着替えたりしました。TV会議がなくても、服をちゃんと着替えることで気分も仕事モードにすることができます。
4.回線が細いという意外な盲点
屋久島の回線はADSLなので、TV会議は少し不安定。音声会議とメールでの資料共有でミーティングを行うとよいことがわかりました。
5.島から出れない事態に
台風19号の影響を受け、東京に戻るための交通機関の欠航が相次ぎ、チケットの手配などに四苦八苦したこと。長期間不在にしていただけに、予定通りオフィスに戻らなくてはならないという精神的な重圧がかかりました。
屋久島でリモートワークしてみて
今回のリモートワークを通じて、離れた家族との時間を大切にできたり、余暇を楽しんだりと、かなり充実した時間を持てました。晩御飯を一緒に食べるために、「仕事は17時まで」と決めて時間がきたら終わらせる、という単純だけど大切なことも意識的にできたことは、ちょっとした成果だと思います。
一方で執務としての環境面には課題が多くありました。通常であれば冷房なしでも過ごせるところを、集中するために空調を入れたり、テレカンするための場所を確保したり、ネットワークの障害に対応したりと、仕事をするためには、それなりの空間や環境があった方がよいことも実感しました。
離島で過ごすことは極端にしても、働き方を選ぶという流れは、もう後戻りできないと強く感じています。豊かな生活のために、今後もいろんな働き方の可能性を探っていきたいと思います。
【今日の楽しく働く相棒】#03
毎回コラムの最後に、楽しく働くためのツールをご紹介します。今日のアイテムは、『バッグインバッグ〈Bizrack up〉(A6)』です。
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(中身は、上から、ライトニング充電器(紫なのでほかの人のものと区別しやすい)、モバイルルーター、facetime会議用のマイク付きのイヤホン、クリック音がしない(これ重要!)マウス、HDMI接続用のケーブル、いざという時のためのハンコ.)