どうなる?大阪公立【高校受験2019】得意を伸ばして志望校合格へ

 ここ数年、高校入試改革が続いた大阪。2019年度の受験対策で知っておくべきポイントには、どのようなものがあるだろうか。ウィザスの高澤隆一氏に、大阪の公立高校入試ならではの特徴や考慮すべき点、直前の勉強法について聞いた。

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ウィザス 第一教育本部情報企画室室長の高澤隆一氏
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 ここ数年、高校入試改革が続いた大阪。2019年度の受験対策で知っておくべきポイントには、どのようなものがあるだろうか。大阪の公立高校入試で実績をもつ第一ゼミナールやファロス個別指導学院等を運営しているウィザス 第一教育本部情報企画室室長の高澤隆一氏に、大阪の公立高校入試ならではの特徴や考慮すべき点、直前の勉強法について聞いた。

中学3年間の内申点で評価



--大阪公立高校入試の特徴を教えてください。

 大阪の公立高校入試では、中学3年生だけでなく、中学1年生、2年生の内申も含まれることになりました。その比率は、1:1:3。1年と2年を合わせて2のウエイト、3年生が3のウエイトになっています。3年生から本気で取り組めば逆転できるという状況ではなくなってきました。

 新しい大学入試にもポートフォリオが導入され、内申が重視されるようになるので、中学生も高校生も、学校生活での頑張りが大切になってきていると言えます。

--2019年度入試で、特に意識しておくべき点がありましたら教えてください。

 ここ複数年にわたる入試改革に一区切りついた状況で、2019年度には大幅な変更点はありませんが、現在話題の的になっているのは大阪市立水都国際中学校・高等学校です。日本初の公設民営の中高一貫校で、中学校の説明会には800名もの保護者が参加するほど、注目を集めています。

 大阪の入試制度は高校によって2月の特別選抜と3月の一般選抜に分かれていますが、水都国際高等学校は特別選抜です。たとえ特別選抜でダメだったとしても、一般選抜を受験すればいいわけですから、水都国際を受検してみようという生徒はたくさんいるでしょう。高校は80名募集しますが、倍率は高くなりそうです。

 また、水都国際では、公立では珍しくIB(*1)が導入されています。大阪女学院がIBを導入していますが、大阪の公立では初めてです。IBは思考力・判断力・表現力を身に付けるのにマッチしたカリキュラムになっていますから、たいへん魅力的です。ただ知っておいてほしいのは、IBは卒業時に資格試験があり、ある程度のスコアを取得する必要があるのです。そのスコアが低い場合、行きたい大学に行けない可能性があります。

*1:IBは国際バカロレア(International Baccalaureate)の略称。ジュネーブに本部がある国際バカロレア機構が提供している国際的な教育プログラムで、国際的な視野を持った人材育成を目指し、世界140以上の国・地域、4,846校において実施されている(平成29年6月1日現在)。

大学入試改革を見据えた高校選びを



--大阪の公立高校入試において、大学入試改革に先んじて英語外部検定が導入されていますが、具体的にどのように評価されているのでしょうか。

 実際に英検の資格をもって受験された方は、試験の点数よりも英検の見なし得点のほうが若干上目に出ている、つまり得をしているようです。ただし、得点換算率は、英検準1級以上で100%、2級以上で80%。準2級は対象に入っていません。中学3年生で2級以上となると、難易度の高いレベルだと言えます。早い時期から英検対策ができるように、第一ゼミナールやファロス個別指導学院では、新英検チャレンジコースを設置し、オンラインレッスンとアプリを併用した指導を行っております。

--2018年度入試では、難関校であるグローバルリーダーズハイスクール(GLHS)10校が文理学科のみの募集となりました(*2)が、影響はありましたか。

*2:平成30年度~平成32年度のGLHS指定校(全日制)は、北野高校、豊中高校、茨木高校、大手前高校、四條畷高校、高津高校、天王寺高校、生野高校、三国丘高校、岸和田高校の10校。平成28年度、29年度は北野高校と天王寺高校が文理学科のみの募集だったが、平成30年度からは10校すべてが文理学科のみの募集となった。

 昨年の入試前に、「文理学科だけになっても定員は変わらないので、合格最低点にはあまり変動がないだろう」、ただし、「それまで天王寺高校を志望していた堺市の優秀なお子さんは、地元の三国丘高校を志願するのではないか」とお話しました。予想どおり、三国丘高校の倍率は1.5倍を超え、10校のなかで一番高い倍率になりました。2019年度もあまり変わらないと思いますが、天王寺高校への揺り戻しがあるかもしれません。

--文理学科の人気の理由、普通科の違いは何ですか。

 文理学科については、「特進クラス」という位置づけとして考えてよいと思います。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)、SGH(スーパーグローバルハイスクール)は、文理学科に多く設置されています。探求学習はもちろん、高大連携での大学の施設を使った実験、最先端の識者を招いての講演など、アカデミックな知識好奇心を駆り立ててくれる講義が組まれています。

 オンライン英会話や留学といった英語4技能を強化するための取組みも、普通科より文理学科のほうが進んでいます。一方で、私立高校もまた、2020年度の入試改革に向けて着々と準備をしています。そこで、現高校1年生が受験する入試改革初年度は、文理か、私立か、地元の公立か、どこの高校に通っていたかで、その後の学力差が開くのではないかと懸念されます。

天王寺高校合格には難関私立合格の学力が必要



--併願校の選び方を、難関校志願者・中堅校志願者別にアドバイスください。

 大阪府のトップ校である北野高校ですと、近畿圏の難関私立である東大寺学園とか洛南、西大和学園に合格できるくらいの学力がないと合格は難しいですね。天王寺高校は、やはり西大和学園、清風南海学園、四天王寺が併願校になるかと思います。

 中堅校については人気校が多く倍率が高くなりますから、倍率にはじかれないような受験対策が必要になってきます。皆が解ける問題はしっかり解けるようにし、ケアレスミスを防ぐことが必要です。

 塾によって考え方は異なると思いますが、私どもでは、合格範囲の真ん中で受かるようにさせてあげたいと思っています。もちろん、よっぽど難関校へのあこがれと覚悟があるのであれば、たとえギリギリ合格圏内の場合も一緒に合格を目指します。しかしそうでない場合は、勉強の楽しさを携えながら高校生活を送れるようにしてあげたいと考えています。

ウィザス 第一教育本部情報企画室室長の高澤隆一氏
インタビューに応える高澤隆一氏

現中3の皆さんへ--5教科トータルの得点を伸ばせ



--2019年度受験生(現中3)に、入試本番までの学習についてアドバイスをお願いします。

 夏休みまでは各科目とも目標を決めて取り組むことが大切ですが、入試100日前くらいには、5科目トータルでの足し算引き算が重要になってくる時期になります。特に入試直前では苦手な部分に取り組むよりは、得意なところをもっと伸ばすことを考えてほしいですね。

 たとえば、入試直前まで英語の長文の読み込みを気にされる方がいますが、苦手な英語の長文に取り組むよりは、理科、社会の暗記科目に時間をかけるほうが、得点を上げることができます。5教科はすべて同じ比率ですから、もっとも伸びる教科を学習して、トータルで得点をアップしていく戦術をとってください。

現中2の皆さんへ--早めの英検対策を



--2020年度受験生(現中2)に、志望校選択や学習のアドバイスをお願いします。

 英検対策を早めに始めてほしいですね。いきなり2級から受けるのは難しいですから、3級から始めて、ステップアップしていくことを考えて対策を練る必要があります。

 また、国語力をつけることも大切だと思います。私は高校生の数学の指導もしていますが、数学の問題の意図がわからないというお子さんがいます。国語力の幼さ、語彙力の乏しさから、喜怒哀楽を言葉にできないお子さんが多くなってきているように感じています。「なんかイライラする」といっても、どういう過程でそういう気持ちになったのかをうまく伝えられないのです。最近は、本どころか漫画も読まない子どももいて、そういうお子さんは文章の中での疑似コミュニケーションに触れる機会がありません。国語の勉強は家でもあまりしないかもしれませんが、週に何時間かは良本に触れるなど、国語の勉強をしてほしいです。

--アクティブラーニング型の授業も取り入れていますか。

 小中学生を対象に、一部の地域で第一ゼミアクティバという教室を立ち上げています。子ども自身が自分の課題や目標を考え、学習計画を立てて学ぶといった新しいスタイルの学び方で自立できる力を育てています。

ファロス個別指導学院では、家庭学習の状況も共有



--ファロス個別指導学院の特長についてお話ください。

 ファロス個別指導学院は、生徒さん2人に対して1人の先生という個別スタイルが主流ですが、高校生は映像授業などを併用し、バランスのよい学習を進めています。

 また、アプリを使って生徒さん自身で計画を立て、自ら進捗管理をするコースも開設していきます。そしてその進捗管理を、講師も見ることができ、家庭学習の状況も把握しています。計画表に、「数学の教科書の〇ページまでやる」と書いてあれば、生徒が塾に来たときに、〇ページまでやったかどうかを塾講師が聞けるわけです。日本では、先生の言うことは聞くという文化がありますから、保護者の皆さまは、ぜひ我々をうまく利用してもらえればと思います。

 生徒ひとりひとりの成長を促す意欲喚起教育が我々の根幹になっています。これからも、生徒たちと向き合って学習意欲を伸ばし、豊かな学校生活と成績向上と志望校合格をサポートしていきたいと考えています。

ウィザス 第一教育本部情報企画室室長の高澤隆一氏
インタビューに応える高澤隆一氏

--ありがとうございました。

 高澤氏の話を聞いて、2020年度の大学入試改革を前にどのような高校を選ぶかが大切だとあらためて実感した。子どもの特性によって入試対策が変わることもわかった。変化の激しい時代だけに、お子さんが豊かに伸びていけるような受験をしてほしいと心から願う。

ファロス個別指導学院の体験授業



 勉強と部活の両立も身に付く「ファロス個別指導学院」では、無料体験授業を実施している。希望の科目や時間割で、2回までの無料体験授業を受講することができる。

《渡邊淳子》

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