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5回目となる同イベントは、仙台市が2005年から産業協定を結んでいるフィンランド共和国オウル市との独自ネットワークを活用し、仙台・東北にゲーム/ICT産業を構築するために設立されたコンソーシアム「グローバルラボ仙台」、「仙台アプリコンテストDA・TE・APPS!実行委員会」、仙台市が主催しています。
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設立の経緯について、「グローバルラボ仙台」GMの白岩靖史氏は「フィンランド・オウル市にある地元企業と学校が結びついたゲーム開発者教育機関『オウルゲームラボ』にインスパイアされ、仙台でも同じものを作りたいと考えた」と語りました。ちなみに今回は日本の学生だけでなく、初めて「オウルゲームラボ」から学生チームが参加しています。
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オウル市はフィンランド北部の西海岸に位置する人口約20万人の都市。学生が約2万5千人と多く、同国内通信機器大手ノキアの次世代通信規格5G研究開発拠点があり、フィンランドで4番目に大きなゲーム会社「フィンガーソフト」を始めとしたパブリッシャーやインディーズまで様々な企業が存在しています。
同日は「フィンガーソフト」パブリッシング副責任者ダニエル・ランタラ氏が同社について説明し、さらにはCEOのテーム・ナルヒ氏が特別審査員を務めました。
■ゲームコンテスト「ゲーム部門」
「ゲームコンテスト」はゲームの面白さを競う「ゲーム部門」と、ゲームの売上を競う「GLS for Education部門」に分かれ、それぞれの最優秀賞には賞金30万円と副賞である「TSUKUMO賞」、「ASUS賞」が授与されます。また、会場には実際にアプリを体験できるブースも用意されました。
「ゲーム部門」は、東北6県の学生を対象としており、1年間かけて制作したゲームで競いあいます。26チームの応募の中から一次審査を通過した7チームが特別審査員を前に1分半のプレゼンテーションを行い、3分間の質疑応答の時間が設けられました。年々、学生たちのレベルが上がっていることから、あえて厳しいコメントをする審査員も。
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<特別審査員>
・『NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム』の開発などで知られるサイバーコネクトツー 代表取締役の松山洋氏。
・セガゲームス 執行役員クリエイティブオフィサーの大橋修氏。
・コナミデジタルエンタテインメント プロダクト推進室プロジェクトマネージャー、アートディレクターの根岸豊氏。
・インフィニットループ 執行役員 仙台支社長、仙台ゲームコート代表の澤田周氏。
・フィンガーソフト社 CEOのテーム・ナルヒ氏。
1.『paletter』/国際情報工科自動車大学校
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カメレオンを操作して工場からの脱出を目指す横スクロールアクション。カメレオンを近づけてブロックの色を、ボタンを押して背景の色を変えることができます。障害物であるブロックは背景を同じ色にすることで透明化されて先に進むことができます。
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澤田氏は「最初、システムがなかなか理解できなかった。あとどこに助けるべき仲間がいるのか分からないと、先を考えて進行を組み立てられない」と課題を述べました。
2.『COSMOS』/東北電子専門学校
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L字のブロックを回転させて光の道を作るパズルゲーム。光の線をスタートからオレンジ色のダイヤまで導くことでクリアとなります。現在、100ステージあり、ステージごとに様々なギミックが用意されています。
大橋氏は「やるとすごく面白い。ただ、似たようなゲームを僕らも以前、スマホゲームで出したんですが売れなかった。売れているパズルゲームは偶然による5連鎖、6連鎖を達成する喜びがある。このゲームはロジックで攻めていくが、偶然性がないので驚く瞬間がない。ここをどうクリアしていくかがこのゲームのポイント」とアドバイスを送りました。
3.『アソートファクトリー』/東北電子専門学校
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2種類のバーを動かしながら、上から落ちて来るアイテムを決められたカゴに入れていく仕分けゲーム。コンボが成功したときの爽快感が醍醐味です。
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根岸氏は「土管から落ちてくる仕分け物が分かりにくかったのと、バーも本数がどんどん増えていくようにしたほうが配置も変わって深く遊べるのかなと思いました」とデザインの改善点を提案しました。
プランナーと2人のみの制作体制だったため、技術及び時間の制約があって難しかったそうですが、大橋氏は「UX(ユーザーエクスペリエンス)がすごく大事で、そこをクリアしないといけない。制作体制や時間不足はお客さんにとって関係ない。プログラマーを連れて来るとか、頑張って課題を越えて行く努力をしてほしい」とアドバイスしました。
4.『落華』/仙台高等専門学校
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「パズル」と「避け」を組み合わせた対戦ゲーム。無数にあるピースの中から欲しいピースを選び、要らないピースや黒いピースを避けながらパズルを組み上げていきます。ピースを消すことでゲージが溜まり、奥義を放つことができます。
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「このゲーム開発で達成したかったことは?」の答えが、新しいタイプのゲームシステムを生み出すことだと聞いた澤田氏は、「プレイヤーにどういう体験をさせたいではなく?」と問いかけました。
松山氏も「これに限らずどのタイトルも、自分たちがイメージしたものをシステムに落とし込んで達成できるかの第一段階はクリアしているけど、そもそもの(お客様に楽しい体験を提供する)第0段階が抜け落ちているのではないかと感じました。ゲームは自分が天才なんじゃないかと良い気分になれる瞬間があるから、中毒性が生まれてハマる。自分たちが作りたいだけだったら、お客様はあなた達だけになってしまう」と警鐘を鳴らしました。
5.『コピロボ』/国際情報工科自動車大学校
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ステージ上の物体や敵を吸収することで変身できるロボットを操作し、敵に見つからないようにゴールを目指します。敵に見つからないように移動するハラハラ感が推しポイントです。
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澤田氏は「やりたかったことは緊張感の演出とありますが、BGMがノリノリなのでコンセプトとマッチしているのか?疑問に感じた」と課題を提示しました。
6.『escape ruins』/ヒューマンアカデミー仙台校
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ダンジョンのような落下していく探査メカを操作するアクションゲーム。独特な浮遊感や操作性を味わえるようにするため、ハンドルやフットコントローラーを使用しています。
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大橋氏は「実際にやらせてもらって、残念だったのがハンドルのみと、フットコントローラーも併用した2タイプのどっちで遊んで欲しいか?と聞いたら、どっちでも良いと言われたこと。わざわざフットコントローラーを持って来ているのは、それを活かした作りだからだと思うので、そちらを推して欲しかった。また、それに合わせた操作性をもっと突き詰めて欲しかったと思います」とコメント。
松山氏も「落ちていく探索機をハンドルで操作し、アクセルを踏むことがアイデアとして褒められるところですよ」と伝えました。
「ただ、実際の操作ではアクセルを踏んでいる感があまりない。アクセルは自動車や戦闘機に使われていることが多いので、あの探索機のどこにそれが連動しているかの説得力さえあれば、もう理屈じゃないんですよ」(松山氏)。
7.『影道-シャドウ-』/国際情報工科自動車大学校
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影に囚われた少女イデアが現実世界に帰るためのお手伝いをするパズルゲーム。手前の色が付いたブロックにライトを当てることで、影ができて道になるので、鍵を手に入れてゴールを目指します。
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根岸氏は「遊んでいていると、どこから投影しているのかが分かりにくい。分かりやすくするために、色んな試行錯誤をすべき」と伝えました。
・「ゲーム部門」最優秀賞は『COSMOS』
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審査員がそれぞれ良かったと感じた作品を3つ挙げたところ、唯一全員が選んだ作品が『COSMOS』だったと言います。
松山氏は「作品としては凄くシンプルで表現したいことが明確。一点突破の情熱を評価したい」とし、大橋氏も「ゲームとしては成立するだろうと思うので、そこからマネタイムズまで持って行けたら」と期待を寄せました。
佐々木大智氏は、一番こだわった点について「自分たちのチームはデザイナーがいないので、それをどうカバーして、世の中に出ているパズルゲームのグラフィックに負けないようにするかを考えた時、パーティクル・システムならキレイに見せられると判断して工夫をしました」と述べました。今後は審査委員からのアドバイスを元に、同ゲームをより良い物にしていきたいそうです。
ゲームコンテスト「GLS for Education部門」最優秀作品は?