コナンと謎解き!?思考力が身に付く通信教育の新ブランド「まなびwith」

 新学習指導要領の実施直前となる2019年4月からサービスを開始した小学館集英社プロダクションの「まなびwith」。なぜ、新ブランドにしたのか?そこにはどのような思いがあるのだろうか?新しく変わる教育への思い、教材の特長について聞いた。

教育・受験 小学生
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左から、ShoPro 教材開発課 課長 奥野亮太氏、通信事業部 部長 梅津勇太氏、MOP 取締役COO 圓林真吾氏、辰巳萌佑子氏
左から、ShoPro 教材開発課 課長 奥野亮太氏、通信事業部 部長 梅津勇太氏、MOP 取締役COO 圓林真吾氏、辰巳萌佑子氏 全 19 枚 拡大写真
 「教育が変わる前に、変わろう。」と打ち出す香川照之さんのCMでおなじみの「まなびwith」(まなびウィズ)。新学習指導要領が2020年度に全面実施されることを受け、2019年4月にサービスを開始した。

 それまで小学館集英社プロダクション(以下、ShoPro)では、通信教育「ドラゼミ」を提供してきたが、あえて新しいブランドで幼児から小学生までを対象にしたサービス「まなびwith」をスタート。なぜ、新ブランドにしたのか? そこにはどのような思いがあるのだろうか?

  新サービスの立ち上げから携わってきたShoProの通信教育事業部 部長 梅津勇太氏、教材開発課 課長 奥野亮太氏、また、映像制作や映像に出演する一部講師のコーディネートを担っているメディアオーパスプラス(以下、MOP)の取締役COO 圓林真吾氏、エンジニア 辰巳萌佑子氏に話を聞いた。

新しい学びを届けたい「まなびwith」の挑戦



--新学習指導要領実施を前にスタートされた「まなびwith」に込められた思いについてお聞かせください。

梅津氏:2020年度実施の学習指導要領の改訂は、教育業界にとっても、お子さんたちの今後の人生にとっても大きな意味があるものだと思います。20年以上「ドラゼミ」を運営してきたことを踏まえて、改訂に向けて何ができるのか、我々も議論を重ねてきました。「ブランド変更までしなくてもよいのでは?」という意見もありましたが、この教材改訂に真剣に向き合っていることを示すためにも、新ブランドを立ち上げて再スタートを切ることにしました。

ShoPro 通信事業部 部長 梅津勇太氏ShoPro 通信事業部 部長 梅津勇太氏

奥野氏:これからの子どもたちが生きていくなかで大事なのは、自ら考え、自らの気持ちをきちんと伝えることです。そのために通信教育で何ができるのか、あえてチャレンジしたいと思いました。ドラゼミの良いところを継承しつつ、「考える力を伸ばす」ためのプラスアルファ。それを実現するためのものとして考えを整理し、深め、表現するためのツール「思考の達人ツール」に行き当たりました。このツールがリニューアルのポイントのひとつでもあります。

--サービス開始までに、たくさんの議論と試行錯誤があったのですね。いつから開発が始まったのでしょうか。

梅津氏:2年ほど前になります。約2年間かけて商品の骨格を作りました。社内プロジェクトを立ち上げて、通信教育事業部だけでなくほかの教育関連の事業部や、パートナー企業の方にも入ってもらって、ワークショップを何度もやり、アンケートやインタビューも行いました。そのうえで、サービスへの思いやターゲットを含めたコンセプトシート、設計図を作り、それをもとに奥野たちのチームがカリキュラム作りに入ったわけです。

教材の特長1 図形問題を毎回入れて、感覚を養う



--「まなびwith」のカリキュラムについて教えてください。

奥野氏:これまでは幼児コース、小学生コースという形で分断されていたところがありましたが、幼児から小学生までの9年間をひとつのスパンとして考えて、そのなかでお子さんを育てていくという思いをもって教材、カリキュラムを作りました。

ShoPro 教材開発課 課長 奥野亮太氏ShoPro 教材開発課 課長 奥野亮太氏

 ドラゼミの特長だった「作文」「図形」分野も、これまでは幼児コースには入れていなかったのですが、まなびwithには入れています。たとえば作文では、語彙を増やすもの、自分の気持ちを伝えるための発話を促すもの、短い文章を書くものなど、作文につながる練習問題を設けました。また、図形についてもタイルなどを使って遊びのなかで図形感覚を養うものを入れて、小学生コースとの一貫性をより高めました

--カリキュラムはすべてオリジナルでしょうか。

奥野氏:学習指導要領に基づきながらオリジナルカリキュラムを展開しています。あえて教科書準拠にせず、「お子さんが取り組みやすいこと」「プラスアルファにつながるもの」を意識して作りました。算数では、教科書に対応できる基本ページを設け、さらにこれから大切になってくるであろう発展・応用問題を入れています。

 たとえば図形問題に関しては、教科書では基本的に図形の単元でしか触れませんが、図形は抽象的なものなので理解するのが難しく、苦手意識をもつお子さんが多い分野です。そこで、小さいころから図形について豊かな感覚を身に付け、考える楽しさを感じてもらえるよう、毎月、図形問題を入れています。

「まなびwith」の「図形問題」(小1コースより)「まなびwith」の「図形問題」(小1コースより)

「まなびwith」の「図形問題」(小6コースより)「まなびwith」の「図形問題」(小6コースより)

教材の特長2 ひとりでも学べるように映像で解説



--図形問題は大人でも難しいですよね。

奥野氏:図形問題は高学年になるといっそう難しくなりますので、MOPさんにご協力いただいて映像の解説も付けるようにしています。図形問題については、明星小学校校長 細水保宏先生にご出演いただき解説していただいています。

 算数は、3年生以上でつまずくお子さんが増えてくるので、つまずきやすいところには映像解説を付けて、ひとりでも取り組めるようにしています。映像解説はドラゼミではオプションでしたが、今回は全員提供にしてより学びやすくしました。

 映像がある単元には、映像が視聴できる「まなびチャンネル」の二次元バーコードを掲載しています。導入映像と解説映像の2種類があり、1、2年生には学習を始めるにあたって導入となるアニメーションをご提供しています

--映像に関しては、MOPさんがご担当されていますね。

辰巳氏:そうです。私はMOP所属で、ShoProさんに常駐して、先生方の映像収録のスケジュールや実際の撮影をして、編集し、納品まで行うという映像の一連の業務を担当しています。

「まなびwith」の解説映像「まなびwith」の解説映像

梅津氏:MOPの圓林さんには、ドラゼミ時代から映像制作でお世話になっていて、大変クオリティの高い映像コンテンツを作っていただいてきました。そこで、「まなびwith」でも映像制作をお願いすることにしました。より利用者が使いやすいものにしようと、辰巳さんには工夫を重ねていただいています。

MOP 辰巳萌佑子氏MOP 辰巳萌佑子氏

教材の特長3 読解問題で読み解く力を育てる



--さまざまな工夫が施されているのですね。国語に関してはいかがでしょうか。

奥野氏:国語もオリジナルカリキュラムです。語彙や文法などの基礎学力を高め、さらに読解問題で読み解く力を育て、作文でアウトプットにつなげていく、という一連の流れを作っています。読解問題については、より多くの作品にふれることで自分にとって良い作品に出会ってほしいと、伝記、古典、海外作品などたくさんの作品を入れているのが特長です。学年にもよりますが、たとえば小1コースでは教科書の約3倍の作品を扱っています。

 また、「読解のポイント」を新たに追加しました。いかに作品を深く読み解くかに重点をおき、1年生から6年生まで体系的に取り組んでいくことで、読解力を養えるようにしています。

教材の特長4 思考力を養う「思考の達人ツール」



--今回新しく小学生コースで提供されている「思考の達人ツール」について教えていただけますか。

奥野氏:お子さんに「よく考えてごらん」と言っても、お子さんからしてみれば、何を手がかりに考えればよいのかわかりにくいものです。そこで、考えていることを可視化できるよう、手助けをするツールが有効になります。それが思考の達人ツールです。比較する、分類する、多面的にみる、関連付けるなど、思考スキルを学びます。たとえば比較をするときにはベン図を使って、同じもの、違うものを書き込むことで見えてくるものがあります。

 考えるときには、視点が大事です。たとえばりんごとみかんを比べるときに、色なのか形なのか、着目するポイントを決めて、整理していく。そして考えたことを頭の中で考えているだけでは人には伝わらないので、書き込むことでアウトプットします。さらにそれに取り組んでみてどうだったのか、振り返りを書きます。それが次の学びにもつながると思います。

「まなびwith」の「思考の達人ツール」(小2コースより)「まなびwith」の「思考の達人ツール」(小2コースより)

「まなびwith」の「思考の達人ツール」(小6コースより)「まなびwith」の「思考の達人ツール」(小6コースより)

 思考の達人ツールは、監修者である三宅貴久子先生が、関西大学初等部で取り組まれてきた実践をもとに開発しています。このツールを体系的に家庭用教材で扱うのは初めてです。ほかの友だちが考えたことや自分が考えたことを合わせてみて思考を深めることが大切ですが、その前段階として、考え方の方法論を学ぶ。それをひとつのゴールとしています。

--小学3年生で入会しても、小学1年生で学ぶ思考の達人ツールを学習できるでしょうか。

奥野氏:映像も作っていますから、途中から入会していただいても、映像を見て過去に扱った思考の達人ツールに取り組めます。また、スパイラルな学習カリキュラムになっておりますので、一度学習して終わりではなく何度も練習していきます。

--幼児コースでも思考力を身に付ける教材はありますか。

奥野氏:幼児のときから「考える力」が身に付くように、毎月4ページ分の「ちえ」の学習ページがあります。ワークブック内にも、ひらがなや数字をなぞるだけでなく考えるきっかけになる仕掛けがたくさんつまっています。そのほか、ブロックやカードといった考える力を伸ばす、教材と連動した特別教材もお届けしています。

教材の特長5 ナゾトキ学習や図鑑を使って調べる学習で楽しく学ぶ



奥野氏:思考力というところでは、楽しく学ぶきっかけとして、小学校コースでは毎月教材と共にお届けしている会報誌「月刊 わくわく研究所」にて、謎解き問題も用意しています。AnotherVisionという東京大学の学生を中心とした謎解き制作集団から、毎月問題を出してもらい、それを「名探偵コナン」のコナンくんたちと一緒に解くという「ナゾトキ学習」は、楽しく学習するきっかけとなっています。謎解き問題は教材と連動しているため、謎を解くには教材に取り組む必要があります。このように自ら教材に取り組みたくなる仕掛けとして提供しているナゾトキ学習もポイントのひとつです。

東京大学の学生を中心とした謎解き制作集団AnotherVision制作の問題と、毎月お届けの「月刊 わくわく研究所」
東京大学の学生を中心とした謎解き制作集団AnotherVision制作の問題と、毎月お届けの「月刊 わくわく研究所」
東京大学の学生を中心とした謎解き制作集団AnotherVision制作の問題と、毎月お届けの「月刊 わくわく研究所」東京大学の学生を中心とした謎解き制作集団AnotherVision制作の問題と、毎月お届けの「月刊 わくわく研究所」

梅津氏:コナンくんは毎月お届けしている「月刊 わくわく研究所」に登場して、「思考の達人ツール」の導入としてツールの使用例もナビゲートしています。

--月刊誌からのアプローチもあるわけですね。

圓林氏:紙の教材の良さとデジタル教材の良さを使い分けされて、両方とも作り込んでいるところも魅力ですね。

MOP 取締役COO 圓林真吾氏MOP 取締役COO 圓林真吾氏

奥野氏:幼児コースには「小学館の図鑑NEOシリーズ」から抜粋した図鑑のページと、その内容に連動した学習ページを用意していて、ご好評をいただいています。

「まなびwith」の幼児コースには「小学館の図鑑NEOシリーズ」から抜粋した図鑑のページも「まなびwith」の幼児コースには「小学館の図鑑NEOシリーズ」から抜粋した図鑑のページも

図鑑のページを使って取り組むページ図鑑のページを使って取り組むページ

教材の特長6 小学生コースに標準でついている充実の英語教材



--これから大きく変わる英語は、どうでしょうか。

奥野氏:青山学院大学のアレン玉井先生に教材開発に携わっていただき、1年生から6年生まで英語を楽しく学べる教材を提供しています。1、2年生では歌と物語によって英語独特のリズム感覚や発音を自然に耳から習得できるものになっています。

 そして3年生から6年生にはゲーム的要素が入った、「スゴロクENGLISH」というアドベンチャーゲームを提供しています。このゲームは、パソコンはもちろんスマホ、タブレットでもできます。

「まなびwith」の英語教材、RPG風のスゴロク型アドベンチャーゲーム「スゴロクENGLISH」
「まなびwith」の英語教材、RPG風のスゴロク型アドベンチャーゲーム「スゴロクENGLISH」「まなびwith」の英語教材、RPG風のスゴロク型アドベンチャーゲーム「スゴロクENGLISH」

「まなびwith」で、学び続ける力を身に付けてほしい



--4月から開始して、利用されている方々の反応はいかがでしょうか。

梅津氏:教材の良さをわかっていただきたいと思い、4月号無料キャンペーンを実施しましたが、ドラゼミ時代以上に教材内容が良くなっていると高評価をいただきました。キャンペーン後も多くの会員の方に継続していただけました。

--お子さんの学習に試行錯誤する保護者の方にメッセージをお願いします。

圓林氏:中学入試を目指すお子さん、目指さないお子さん、それぞれに地頭力を付けることができる素晴らしい教材だと思います。紙とデジタルの両面から、「学び続ける力」を身に付ける王道のアプローチをされています。コストパフォーマンスが高いサービスだと実感しています。

辰巳氏:教材への熱意をひしひしと感じながら映像を作らせていただいています。映像だけでなく、特別教材なども、思いを込められています。今後、映像もますます充実させていきたいと思います。

奥野氏:お子さんたちはひとりひとりに個性があり、それぞれに違います。「まなびwith」は、いろいろな「きっかけ」をちりばめながら作っています。一方的に与えるだけでなく、いろいろなものに触れていただくことでお子さんの得意を伸ばしてほしい、それを促すことができる「まなびwith」でありたいです。

梅津氏:教材をあらためて作るにあたり、「思考力」にこだわりました。現代は物事の移り変わりのスピードが激しく、漠然とした将来への不安をおもちの方が多いと思いますが、この教材が未来に向かう一助になればと願っています。今後も、アウトプットとして「紙に書く」というところにこだわっていきたいですし、楽しみながら「学びのコツ」「学ぶくせ」が付けられるサービスにしていきたいと思います。

「まなびwith」の教材

◆「まなびwith」夏の入会キャンペーン
締切日:8月19日(月)
・夏休み期間限定 2か月受講
・のりかえ割キャンペーン 初月会費1,000円オフ
・8月号入会者全員に「おふろでまなべるポスター」プレゼント

《渡邊淳子》

渡邊淳子

IT系メディアのエディター、ライター。趣味はピアノ。

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