保育園・託児所市場に関する調査は2019年4~7月、保育園・託児所関連サービス参入企業や関連団体などを対象に矢野経済研究所の専門研究員が直接面談、電話・メールによるヒアリング、文献調査併用により実施したもの。なお、この調査での「保育園・託児所市場」は民間が運営する認可保育所と認可外保育施設に限り、公営施設は対象外。
2018年度の保育園・託児所市場規模は、前年度比6.0%増の3兆3,500億円の見込み。2019年度も待機児童解消に向けた国や自治体の施策のもと、施設開設や利用児童数の増加が見込まれることから、3兆5,500億円と拡大基調を予測している。
矢野経済研究所によると、子どもの預かり需要の多様化に対応したサービスを提供するため、企業主導型保育事業、事業所内保育事業、小規模保育事業、ベビーシッター事業などに取り組む事業者が増加。施設を自前で作らず、自社の施設運営ノウハウやサービスコンテンツをコンサルティングサービスとして販売する動きも活発化。女性が多い企業では、保育施設が仕事と育児の両立支援に欠かせない福利厚生サービスと位置付けられるようになってきたという。
将来展望については、現在は新規開設を強化する事業者が多いが、保育士不足への対応に加え、いずれは待機児童問題も解消に向かうとみられることから、今後は徐々に新規開設数を減らす大手保育事業者が増え、市場成長率は鈍化すると分析している。