東京都統一体力テスト、小学校全学年で前年度より体力低下

 東京都教育委員会は2020年1月30日、「2019年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果」を発表した。体力合計点平均値は、小学校は男女全学年、中学校は中2女子以外の男女全学年で、前年度より低下していた。

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体力合計点平均値の前年度との比較
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 東京都教育委員会は2020年1月30日、「2019年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果」を発表した。体力合計点平均値は、小学校は男女全学年、中学校は中2女子以外の男女全学年で、前年度より低下していた。

 通称「東京都統一体力テスト」は、東京都内の公立学校(小学校、中学校、中等教育学校、高等学校全日制・定時制・通信制、特別支援学校)計2,171校の全児童・生徒合計94万62人を対象に実施。調査内容は、児童・生徒に対して、体力・運動能力調査と生活・運動習慣などの実態に関する質問紙調査、学校に対する質問紙調査を行った。調査時期は2019年6月。

 各学年の体力合計点平均値を2018年度に比べると、小学校では全学年で男女ともに低下、中学校では2年生女子以外の全学年で男女ともに低下した。高校では3年生男子が低下したが、1・2年生は男女ともに向上している。もっとも大きく向上したのは、高校1年生男子(0.2点向上)、高校1年生女子(0.7点向上)であった。

 運動習慣と総合評価の相関では、総合評価「A」層の児童・生徒は、1日の運動・スポーツ実施時間が2時間以上の割合が多く、「E」層は30分未満の割合が多い。高2女子を例に運動・スポーツ実施時間をみると、「A」層は「2時間以上」が58.7%で「30分未満」は13.7%だったが、「E」層は「30分未満」が80.4%で「2時間以上」は2.6%だった。D・E層の30分未満の児童・生徒に対しては、これまでの取組みに加え運動習慣が身に付く取組みを講じる必要があるとしている。

 また、平日1日あたりのテレビ、スマートフォン、ゲーム機などによる視聴時間を示す「スクリーンタイム」が長いほど、体力合計点が低い傾向がみられた。小5男子では、「まったく見ない」は体力合計点が55.5点だったのに対して、「2時間以上3時間未満」では53.8点、「5時間以上」では50.8点だった。

 東京都では、2019年度・2020年度に10地区指定で「国際的なスポーツ大会を契機とした体力向上事業」に取り組む。国際的なスポーツ大会を契機として、スポーツへの興味・関心を高めより運動に親しむことで、「運動が苦手」「運動が嫌い」な児童・生徒をなくして体力の向上を図るというもの。たとえば千代田区教育委員会では、小学校全校で体育の授業にてタグラグビーを実施、箱根駅伝優勝経験者を特別コーチとして招いた「中学生ランニング講座」の実施などに取り組んでいる。東京都は2021年度から、体力の二極化などに対応した取組みを全地区で展開するという。

《黄金崎綾乃》

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