教育への公的支出、日本は38か国中37位…OECD調査

 2017年の初等教育から高等教育の公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合は、日本が2.9%と、比較可能な38か国中37位であることが、OECD(経済協力開発機構)が2020年9月8日に発表した調査結果より明らかになった。

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OECD諸国の教育機関への公的支出割合(1/2) ※画像:OECD「Education at a Glance 2020」をもとに作成
OECD諸国の教育機関への公的支出割合(1/2) ※画像:OECD「Education at a Glance 2020」をもとに作成 全 3 枚 拡大写真
 2017年の初等教育から高等教育の公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合は、日本が2.9%と、比較可能な38か国中37位であることが、OECD(経済協力開発機構)が2020年9月8日に発表した調査結果より明らかになった。

 OECDの報告書「図表でみる教育2020年版」(Education at a Glance 2020)は、世界各国の教育の現状を測った比較可能な統計データを収録している。OECD加盟37か国のほか、アルゼンチン、ブラジル、中国、コスタリカ、インド、インドネシア、ロシア、サウジアラビア、南アフリカの教育制度を分析。今回は、新型コロナウイルス危機の影響を分析したレポートも附録している。

 2017年の初等教育から高等教育の公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合は、「ノルウェー」が6.4%ともっとも高く、「コスタリカ」5.6%、「アイスランド」5.5%、「デンマーク」5.4%、「ベルギー」「スウェーデン」各5.2%、「ブラジル」5.1%、「フィンランド」5.0%などが続いた。一方、「日本」は2.9%と比較可能な38か国中で最下位から2番目。OECD諸国平均は4.1%、EU23か国平均は3.9%だった。

 OECDは「新型コロナウイルスのパンデミックが教育支出に及ぼしている影響の全貌はまだ明らかになっていないが、各国政府は経済の停滞、税収の減少、医療費と社会保障費の増大により公的資金の配分を巡って難しい決断を迫られることになる」と指摘。アンヘル・グリアOECD事務総長は、パリで行われた発表会見で「教育制度の強化は、政府の危機回復計画の中心に据えるべきで、若者には成功するために必要な技能と能力を身に付けさせる必要がある。この危機によって、多くの国々ですでに明らかになっている教育の不平等を拡大させないように、できる限りの取り組みをしなければならない。我々は、現在の危機によって大規模な混乱に対処する能力があるかを試されている。今、この危機の遺産として危機対応能力が高い社会を構築できるか否かは、我々にかかっている」と述べた。

《工藤めぐみ》

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