リセマムでは、医系予備校のメディカルラボより全国の2021年度の大学医学部の入試の変更点の一覧を入手した。一覧と合わせ、変更点のポイントについて紹介する。今回は私立大学医学部について紹介する。
学費変更を行う大学も
概要としては、試験科目についての変更が目立つのは国立大の医学部と同様だ。試験時間や配点を変更するところも多く注意が必要だ。
そんな中、目を引くのは東京女子医科大の学費変更。6年間の合計が3,409万6,000円だったものが、4,621万4,000円と、約1,200万円の増額となる。
出願資格の変更を行うところもある。たとえば獨協医科大の総合型(旧AO)試験での出願資格は大学入学時の年齢が26歳以下だったものが30歳未満へと変更となり門戸が広がったのに対し、福岡大の学校推薦型(地域枠推薦)は高等学校卒業後2年まで出願可とされていたものが、高等学校卒業後1年まで出願可となり、こちらは1年狭まった形だ。
出願方法を変更する大学も。これまで紙による出願を行っていた昭和大は今年度より紙による出願を廃止し、インターネット出願を導入するとしている。
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試験会場の変更を発表している大学としては、国際医療福祉大の一般試験の1次試験。当初予定されていた試験場の収容定員を超えた場合、東京会場と大阪会場に追加試験会場を設定するとしている。このほか会場数の変更は2校。日本大のN方式(第1期)は全国19会場だったものに高崎会場が追加となり、今年度は20会場での試験に。近畿大は全国6会場で実施していたが、大阪狭山キャンパス会場を廃止して5会場での実施となる。
また、出願要件としてエッセイの提出を求める大学も。慶応大の一般試験では、Web出願時に100字以上500字以内で「主体性」「多様性」「協働性」についてどのように考え、心掛けてきたかを入力する必要がある。日本大の共通テスト・一般試験でも同様に、Web出願時に「主体性」「多様な人々との協働性」についての経験の記入が課される。東海大も同じく出願時に、50字から300字程度で「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の経験について記し提出することが求められている。川崎医科大は、Web出願時に「本学を志望した理由」「自己 PR」の入力が必要となる。いずれの大学も選抜時にはこれを用いて判定することはないとしている。
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配点や試験科目など合否に直結する部分での変更も多いため、出願前に改めて確認し、出願決定の戦略を練るなど、対策をとってほしい。