東京五輪、簡素化による経済損失は約1兆3,898億円
2020年の東京オリンピック・パラリンピックが1年間延期され、さらに2021年には簡素化されて開催された時に失われる経済効果の総額は、約1兆3,898億円にのぼることが、関西大学の宮本勝浩名誉教授による試算から明らかになった。
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関西大学の宮本勝浩名誉教授は、「東京オリンピック・パラリンピックが簡素化された時に失われる経済効果」について、2020年11月10日に分析結果を発表した。
オリンピック・パラリンピックの経済効果は、大会開催前・中・後の3種類に分類できる。東京都オリンピック・パラリンピック準備局が2017年4月に発表した「東京2020大会開催に伴う経済波及効果」では、大会期間中の経済効果よりも大会終了後のレガシーの経済効果は3倍以上の金額になると予測している。
2020年に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックが1年間延期され、さらに2021年に簡素化されて開催される場合、延期に伴う経済的損失と簡素化されることによる経済的損失の2種類の損失を被ることになる。
1年間延期に伴う経済的損失は、競技場・選手村など施設の1年間の維持、修理、管理の費用や、チケットの払い戻し・再販売にかかる費用など大会延期にかかる諸費用が約4,225億円、大会延期により失われる経済効果が約2,183億円の計約6,408億円。
東京五輪が簡素化された時に失われる経済効果の総額は、大会運営費削減により失われる経済効果が約648億円、観戦者制限により大会開催中に失われる経済効果が約2,476億円、観戦者制限により大会終了後に失われるレガシーの経済効果が約4,366億円の計約7,490億円。これに先の延期に伴う経済的損失約6,408億円を合計して、約1兆3,898億円となると推定される。
宮本勝浩名誉教授が2020年3月19日に発表した「2020年東京オリンピック・パラリンピックが延期または中止になった時の経済的損失」の報告書によると、万一中止になった時の経済的損失は約4兆5,151億円という膨大な金額にのぼる。中止になった時の経済的損失と比べると、たとえ観戦者数が制約されても新型コロナ対策を十分とったうえで五輪が開催されれば、日本にとっての経済的損失はある程度の金額に留まることがわかった。
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