【年頭所感】教育業界のキーマンに聞く2021年…ポストコロナの教育を見据えて

 コロナ禍のみならず、ポストコロナまで見越したニューノーマルな教育業界の未来について、業界のキーマンはどのように考えるのか。これからの教育を率いていかれるであろう方々に、2021年の年頭所感をお寄せいただいた。

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リセマムでは、これからの教育を率いていかれるであろう方々に2021年の年頭所感をお寄せいただいた
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 GIGAスクール構想の話題で幕を開けた2020年、春からの新型コロナウイルスの影響で大きな変化の年となりました。とりわけ学校教育においてコロナ対策の休校措置がICT活用の追い風となり一気に導入が進んだこと、おうち時間が増えたことで家庭教育の重要性があらためて見直されたことなど、誰しもがオンラインでの学びやEdTechの可能性を実感したことでしょう。

 コロナ禍のみならず、ポストコロナまで見越したニューノーマルな教育業界の未来について、業界のキーマンはどのように考えるのか。これからの教育を率いていかれるであろう方々に、2021年の年頭所感をお寄せいただきました(掲載は、お名前五十音順)。

超教育協会 石戸奈々子氏


2021年の年頭所感をお寄せくださった超教育協会 理事長の石戸奈々子氏

超教育協会 理事長 石戸奈々子氏
 新型コロナウイルス蔓延により教育にもさまざまな変化がもたらされています。
 大学入学共通テストの導入や学習指導要領の改訂などの教育改革に加え、オンラインと対面のハイブリッドな学びの場の構築などウィズコロナ時代の新たな対応が求められ、それは学びの選択肢を増やし、教育の可能性を広げることになります。
 それを多様な子どもたちを一人も取り残さない教育の実現につなげなければなりません。
 超教育教会は、IoT、ブロックチェーン、AIなど超スマート技術がもたらすものを超教育と名付けています。それは、教科、試験、学校など、学びの内容・環境・評価を問い直す変化をもたらす可能性があります。
 学校ICT化では遅れをとった日本の教育ですが、工業社会においては世界に誇る教育を実現しました。それは現場の先生方が極めて優秀で情熱を持って子どもに接してきてくれたからだと考えます。その日本の底力を持ってすれば「Society 5.0」時代の教育においても世界最先端の学びを日本から作っていくことができると考えています。
 今こそ全ての大人が手を取り合い、未来の教育を創造すべき時です。超教育協会はこれからも世界最先端の学びをつくるために尽力してまいりたいと思います。

公式Web:超教育協会



素材図書 小川大介氏


2021年の年頭所感をお寄せくださった素材図書 代表の小川大介氏

素材図書 代表 小川大介氏
 新年明けましておめでとうございます。
 昨年2020年はコロナ禍により社会のあり方が一変した1年となりました。
 突然の休校要請、リモートワークの拡大、経済不安など、子育てを取り巻く環境が激変し、日本中の子どもたちと親御さんが、とても苦しい思いを重ねることとなりました。
 その一方で、オンラインでの学びが進展し、家庭内での子どもの学びに向き合った結果として多くの親御さんが家庭学習の重要性に気づけたこと、子育てにおいて親と子それぞれにメンタルサポートが必要だという理解が社会に広がったことは、前進だったと思います。
 弊社は、子どもの学習と親子関係に関するコンサルティングやカウンセリングサービスを保護者様向けに、また教育関係企業様向けに提供していますが、本年は、子どもを信頼するための知識と技術の体系である「見守る子育て」メソッドを世に広める活動に注力していきます。
 わが子への信頼を深め、子育てと自分自身への自信も深まるコミュニティである、オンラインサロン「見守る子育て研究所」を開設。「見守る子育て」メンターの養成、塾・各種教室への「見守る子育て」メソッドの導入など、日本社会全体に「見守る子育て」をお届けしていきます。子どもたちそれぞれの才能と可能性を引き出し、親御さんの笑顔が広がるように、弊社のそして私自身の務めを果たしていきます。応援のほどなにとぞよろしくお願いいたします。

公式Web:小川大介の見守る子育て研究所



steAm 中島さち子氏


2021年の年頭所感をお寄せくださったsteAm 代表取締役の中島さち子氏

steAm 代表取締役、音楽x数学xSTEAM研究、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー 中島さち子氏
 動乱の2020年が終わり、まだ先が見えない中、2021年がやってきました。今不安な方、心や身体が弱っている方もたくさんいらっしゃると思います。それはある意味でとても自然なこと。まずは自分たちの心や身体の声を大事に聞いて、丁寧にゆっくり正直に向き合うことが大切だと思っています。
 その上で、試練や苦難の時は、私たちに多くのものを気づかせてくれます。きっとこうした苦難の中だからこそ、自分たちの中に隠れていた、さまざまな創造性や想像力、動き始めようとする力のかけらが少しずつ花咲き、今を生きる一人ひとりが時代を大きく動かそうとしている。21世紀はそもそも、創造性の民主化時代・越境時代だと私は感じています。一人ひとりの中に眠る創造性が、インターネットやさまざまな開かれた知や道具の出現により刺激され、誰かと一緒に形にしようとする衝動が沸き起こる時代。さまざまな<与える・与えられる>といった分断を乗り越える時代。特にこうした課題や危機を前にした時、私たちの中で何かが少しずつ動き始めている・・・どんな未来を描いていくかは私たち次第。多様な人間たちと自然とものとAIたちとともに生み出す、一つ一つのいのちが輝く参加型未来社会を、これからきっと描けるはず。素敵な未来への小さな一歩一歩を、皆様と一緒に大事に築いていくことができれば幸いです。
 21世紀の学びは、そうした一人ひとりの中に輝くいのちの灯火を燃え上がらせ、生きる喜びや自信につながるものでありたい。そのように願っています。皆様、改めて本年もどうぞよろしくお願いいたします。

公式Web:steAm



情報通信総合研究所 平井聡一郎氏


2021年の年頭所感をお寄せくださった情報通信総合研究所 ICTリサーチコンサルティング部特別研究員の平井聡一郎氏

ICTリサーチコンサルティング部特別研究員 平井聡一郎氏
 あけましておめでとうございます。
 「これからの社会がどんなに変化して予測困難になっても、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれが思い描く幸せを実現して欲しい」これは、新しい学習指導要領の願う学びの姿であり、それを支えるためGIGAスクール構想がスタートしました。そして、そのタイミングでのCOVID-19流行による3月からの臨時休業はまさしく「社会が変化して予測困難になった」状況と言え、GIGAとCOVID -19は学校に混乱をもたらしました。しかし同時に社会全体の意識変革をもたらしたとも言えます。これまでの当たり前が、当たり前でないことを、国全体で自覚したことにより、世の中を変えていいんだ、変わっていいんだということに気づいたのです。企業ではテレワークが急速に普及し、あっという間に日常化しました。学校でも「一人一台のデバイス」「デバイス持ち帰り」「クラウド」「オンライン授業」「デジタル教科書」など、これまで、いつになったら実現できるのかと考えてきたことが、一気に日常化したのです。これこそ、まさにピンチがチャンスです。今なら日本の学びを変えることができます。そして、今でなきゃ変えることはできないかもしれません。2021年は学校が混乱を乗り越え、ポスト・GIGAの教育改革に向け、学校が歩みだす重要な一年です。
 私は、よく、先生方に「つべこべ言わずやってみろ」と話しかけますが、それは自分自身への叱咤です。私達、教育に関わる人間には、行動を躊躇う理由も、余裕もありません。走りながら考えればいいことです。未来を生きる子どもたちの学びのために、すべての教育に関わる人たちが手を取り合って教育改革に取り組んでいきましょう。

公式Web:情報通信総合研究所



Shigeko Bork BYBS Coaching LLC ボーク重子氏


2021年の年頭所感をお寄せくださったShigeko Bork BYBS Coaching LLC 代表 のボーク重子氏

ICF(国際コーチング連盟)会員ライフコーチ ボーク重子氏
 あけましておめでとうございます。昨年というとんでもない1年を乗り越えた者同士、今年は希望を胸にみんなで最高の年にしていきたいと願っています。
 「子どもの非認知能力の育成」「女性の新しい生き方を応援する」という2つのミッションのもと、日本でコーチングを展開して今年で6年目になります。
 コーチングは、正しい目標設定から始まって、目標達成を邪魔する思考と行動の習慣を変え、確実に目標を達成するお手伝いをする仕事です。
 グローバル化・多様化・女性活躍・人生100年時代と変化の激しい時代だからこそ、コーチングの需要は高まっています。
特に昨年は正解のない問題を突きつけられたことで人生を切り開くスキル、非認知能力の重要性が高まったこともあり、これまで以上に多くの方々とコーチングをする機会をいただきました。それは私にとって大きな学びと気づき、そして成長の1年でもあったのです。
 今年はみなさんのニーズにお答えすべく、新たなコースを開講します。幸せな人生を切り開くスキルを、自分のため、お子さんのためにぜひBYBS(Be Your Best Self)コーチングで身につけて頂けたら嬉しいです。
 顧客満足度100%の「非認知能力を育む子育てコーチング」に加えて、「自己肯定感を高めるコーチング」「ワークライフバランスコーチング」「パパのための非認知能力子育てコーチング」でみなさんのお役に立てるようパッションで邁進していきますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

公式Web:ボーク重子



 年の瀬のお忙しい時期にも関わらずご寄稿いただいた皆さま、ご調整いただきました広報担当の皆さま、誠にありがとうございました。リセマム編集部一同、この場を借りて、あらためて厚く御礼申し上げます。

 なお2020年10月20日、リセマムは10周年を迎えました。読者の皆さま、教育にかかわる多くの皆さま、関係者の皆さまの多大なるご支援に、編集部一同心より感謝申し上げます。

 こらからもお子さまのよりよい未来のために、教育の「今」がわかる時代に即した情報を発信していくよう努めてまいります。今後も一層のご愛読ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

《編集部》

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