【大学受験2021】過去最少の志願者数を更新…河合塾、国公立大の概況

 文部科学省は2021年2月24日、2021年度国公立大学一般選抜の確定志願者数を発表した。河合塾の大学入試情報サイトのKei-Netは、出願状況について概況をまとめた。総志願者数は42万5,415人、志願倍率は4.3倍で、前年より0.1ポイント減少している。

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 文部科学省は2021年2月24日、2021年度国公立大学一般選抜の確定志願者数を発表した。河合塾の大学入試情報サイトのKei-Netは、出願状況について概況をまとめた。総志願者数は42万5,415人、志願倍率は4.3倍で、前年より0.1ポイント減少している。

 2021年度の国公立大学一般選抜の総志願者数は、42万5,415人と前年から約1万4,000人減少。募集人員に対する志願倍率は前年の4.4倍から0.1ポイント減少の4.3倍となった。前期日程でみると、志願者数は23万5,403人(前年比97%)で、志願者は2年連続で減少し過去最少の志願者数を更新した。志願倍率も初めて3割を割り込んでいる。ただし、18歳人口の減少により志願者数自体の減少が見込まれており、国公立大学の敬遠を示す数字ではないという。

 大学所在地区別の志願状況では、北陸、東海地区では志願者が増加したほか、近畿地区は前年並みの志願者数となった。一方、北海道、北関東、甲信越地区は前年から1割近く減少した。また、今年度は大学入学共通テストの実施初年度であることと、新型コロナウイルスの影響で、出願直前まで選抜方法などの変更が発表され、志願動向にも影響を及ぼした。2次試験中止を発表した横浜国立大学の前期日程の志願者数は、前年比66%と大幅に減少。同様に2次試験を中止した宇都宮大学は同86%、信州大学同71%(人文)・同83%(経法)など志願者が減少した。

 前期日程の学部系統別にみると、文系では「文・人文」学系の減少率がやや高くなったが、前年入試で1割減となった社会科学系では「社会・国際」「経済・経営・商」の減少率は小幅にとどまった。「教育-教員養成課程」も地元志向や資格系統の人気を反映して減少率は小幅となった。理系は「理」学系で前年並み、医療系は「歯」をのぞき志願者が増加、なかでも「薬」は前年から1割近く増加した。また、「医」の志願者は前年比101%と前期日程では7年ぶりに増加に転じている

 旧帝大を中心とした難関10大学(北海道・東北・東京・東京工業・一橋・名古屋・京都・大阪・神戸・九州)の志願者は前期日程で5万4,880人(前年比99%)と前年並みとなった。大学別にみると、5大学の志願者が増加しており、とくに神戸大学は前年比111%となっている。東京大学の志願者は前年比98%で、既卒生が前年から約2割減少している。例年、志願者の3分の1を既卒生が占めるが、現役生が積極的に挑戦したようすがみられる。京都大学の前期日程の志願者は前年比96%で、2013年度をピークに8年連続の減少となった。多くの理系生が選択する地理Bの平均点が大きくダウンしたことも志願者数減の一因とみている。

《田中志実》

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