子どもの教育費、6割超「負担重い」コロナ禍の影響も

 子どもの教育費の負担を重いと感じる親が63.9%にのぼることが2021年3月2日、ソニー生命保険の調査結果より明らかになった。コロナ禍で教育資金の備えが減少したという親は61.4%、教育資金に対する不安が増加したという親は71.4%にのぼった。

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子どもの教育費の負担を重いと感じる
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 子どもの教育費の負担を重いと感じる親が63.9%にのぼることが2021年3月2日、ソニー生命保険の調査結果より明らかになった。コロナ禍で教育資金の備えが減少したという親は61.4%、教育資金に対する不安が増加したという親は71.4%にのぼった。

 「子どもの教育資金に関する調査」は、大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1,000名が対象。8回目となる2021年は、1月18日~20日の3日間で調査を実施した。

 「子どもの教育費の負担を重いと感じる」という設問に「あてはまる」と回答した親は63.9%。子どもの就学段階別に「あてはまる」と回答した人を見ると、「未就学児」46.0%、「小学生」60.9%、「中高生」67.1%、「大学生等(予備校生・浪人生・大学生・短期大学生・専門学校生)」81.3%と、就学段階が上がるほど、負担の重さを感じる人が増える傾向にあった。

 「子どもの教育資金に不安を感じる」と回答した親は73.9%。子どもの就学段階別では、未就学児の親が76.6%ともっとも多かった。不安を感じる理由は、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」56.3%が最多だった。

 未就学児の親248人に、子どもが小学生から社会人になるまでに教育資金はいくらくらい必要だと思うか尋ねた結果は、「1,000万円~1,400万円」が36.2%と最多で、平均予想金額は1,266万円。2020年の1,381万円から115万円減少した。

 全回答者にスポーツや芸術などの習い事、家庭学習、教室学習など、学校外教育費の支出状況を聞いたところ、平均支出金額は1か月1万3,267円。2020年の1万5,120円と比較すると、1,853円の大幅減となった。ソニー生命保険では「コロナ禍で学習教室などが臨時休校になり学校外教育費が減少したという人や、家計の悪化から学校外教育費にお金を費やす余裕が少なくなったという人が増えたのではないか」と分析している。

 子どもの就学段階別に学校外教育費の1か月の平均支出金額を見ると、「未就学児」7,797円、「小学生」1万4,760円、「中高生」2万569円、「大学生等」9,881円。中高生の親の支出がもっとも多かった。

 高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親751人に、子どもの進学費用のための備えとして1人あたり月々いくらくらい支出しているか尋ねた結果は、「0円」が28.0%と最多。このほか、「1万円~1万4,999円」19.3%、「2万円~2万9,999円」15.3%、「3万円以上」14.8%などにも回答が集まった。平均支出金額は1万4,189円で、2年連続の減少となった。

 一方、家計や教育へのコロナ禍の影響については、60.6%が「子どもの学力が低下した」、55.9%が「教育熱が低下した」、74.8%が「家計が悪化した」と回答。「コロナ禍で教育資金に対する不安が増加した」という親は71.4%にのぼった。「教育資金の備え」は、「減少した」が61.4%で、家計が悪化した人に限ると「減少した」は71.4%を占めた。

《奥山直美》

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