国際高専のリケジョが語る、苦手なものが「没頭するほどの趣味」になるまで

 Fusion 360 学生デザインコンテストで特賞を受賞した国際高等専門学校の2年生(受賞時は1年生)の山崎史依さんに、コンテストについてや、どのような学生生活を送っているかなどについて話を聞いた。

教育・受験 中学生
国際高専2年生の山崎史依さん
国際高専2年生の山崎史依さん 全 5 枚 拡大写真
 昨今、専門性の高いデザインソフトを使用してのデザインコンテストが多く開催されるようになった。「Fusion 360 学生デザインコンテスト」もそのひとつ。学生を対象とした3Dデザインコンテストだ。3D CADソフトの「Fusion 360」を学んでもらうため、テーマを変えてほぼ毎月(2021年度は全11回)、販売元のAutodesk社が開催している。

 この「Fusion 360学生デザインコンテスト2020」において特賞を受賞したのが、国際高等専門学校(以下、国際高専)の2年生(受賞時は1年生)の山崎史依さんだ。

 そこでリセマム編集部では、山崎さんにコンテストや自身の作品制作、どのような学生生活を送っているかなどについて話を聞いた。

いつの間にか徹夜して没頭するほどに



--Fusion 360学生デザインコンテストでの受賞、おめでとうございます。まずはこのコンテストに応募したきっかけを教えてください。

 応募しようと思ったのは2020年12月でした。そのころは新型コロナの影響に加え、私たちのキャンパスのある白山麓では例年にない大雪の影響も重なって、なかなか外に出かけられない日々が続いていました。私は屋内で過ごすのは嫌いなわけではないのですが、ゲームが趣味でもないので何とするわけでもなく、ずっとベッドの上でゴロゴロする日々を過ごしていたんです。

特賞を受賞した山崎さんの作品「ブックツリー」
特賞を受賞した山崎さんの作品「ブックツリー」

 12月の中旬に偶然、Autodeskの学生コンテストが開かれることを知りました。自分で本格的に作った最初の作品が意外ときれいな出来栄えだったので、これを提出できるCGのコンテスト的なものが何かないだろうかと思って検索したんです。それでも、最初は応募する気持ちはなかったのですが、私の試作品を見た学校の友達と先生に背中を押され、応募することを決めたんです。

--どのくらいの期間で作品を作ったのですか。

 応募しようと思ってから1週間ほどです。その後、友達にレンダリング(表示用のデータをもとに整形して表示すること)をしてもらい、冬休み中に提出しました。冬休みの終わり、ちょうど学校に帰ってきた2021年1月6日にAutodeskから連絡があり、私の作品が特賞を受賞したことを知りました。

レンダリング前(左)とレンダリング後(右)
レンダリング前(左)とレンダリング後(右)

--ちなみに、Fusion360はいつごろから学び始めたのでしょうか。

 国際高専に入学したての、1年生の最初のころです。エンジニアリングデザインの授業で基礎を学びました。たまたま後学期のエンジニアリングデザインで再び触る機会があり、授業のプロジェクト活動の一環で本格的に触るようになったんです。最初は使い方も忘れていたし、作品制作に対してのモチベーションも高くはなかったのですが、いつの間にかそれが趣味になって。気が付けば、コロナ禍のステイホームでの生活の中、徹夜をしてやるほど没頭していました。

--山崎さんは現在ご自身のSNSアカウントを複数もって、自ら制作したCAD作品を公開するなど、積極的に情報発信をしていますね。山崎さんのTwitterを拝見したところ「ふれあいFusion360教室」というイベントをご自身で開催したとのこと。そこまで山崎さんが打ち込むようになったFusion360の魅力は、どんなところにあると感じていますか。

 初めはエンジニアリングデザインのプロジェクトを成功させるためという目的で使い始めました。使い続けていくうちに次第と、分からないところを学習する意欲がわいてきて。楽しいもの・あったら良いものを作ろう、よりリアルなものを作ろうという目的が芽生えました。さらにFusion360は、3DCADソフトの中では操作が比較的簡単なほうで、サポートも充実しているという魅力もあります。

 私にとってのきっかけはFusion360でしたが、これに限らず何事も、きっかけと目的があればその魅力にハマり、没頭することができると思っています。

 5月26日に私が開催した「ふれあいFusion360教室」では、モデリングしてレンダリングやアニメーションを作るカリキュラムと、モデリングしたデータを3Dプリンタやレーザーカッターを使用して実際にものを作るという、2つのカリキュラムで構成しました。参加者は学生・教員合わせて11人でした。この教室を通してFusion360の魅力と、今後の授業に生かせるスキルを伝えられていたら良いなと思っています。

SNSで積極的に情報発信をしている
SNSで積極的に情報発信をしている

「親近感」のある学校で、のびのびと学ぶ



--国際高専での学びについてお聞きします。普段はどんなことを学んでいますか。特にFusion360に触れるきっかけとなった、エンジニアリングデザインの授業について詳しく教えてください。

 国際高専では、普段は国語と社会を除くすべての教科を英語で勉強しています。学校外ではFusion360のスキル習得の他に、自分の趣味について勉強しています。

 学校のメインの教科であるエンジニアリングデザインでは、身近にある課題解決からSDGsを含む社会問題の解決について学習します。1年前期は、学校生活で困ったことや、改善できると思うことを解決するために、3Dプリンタやレーザーカッターを使用してものづくりをしました。

 1年の後期は学校の温泉施設・警備・クリーニングなど、私たちの寮生活を支えてくれているスタッフの方々と協力して、レゴマインドストームEV3を使用したシステムをつくりました。私は今年2年生になりましたが、2年生では白山麓で多発している獣害問題を解決するためにAIやIoTを使ったサル撃退システムをつくるチームと、休耕田でサツマイモを育てて実際に売るというビジネスチームに別れて、近隣地域の課題解決に取り組んでいます。

国際高専2年生の山崎史依さん
国際高専2年生の山崎史依さん

--国際高専の学びで山崎さんが一番魅力に感じているのはどんなところですか。

 「親近感」です。学生同士、学生と先生、それだけでなく自分の苦手なことにも親近感を抱けるところです。

 この学校に入学した当初は、英語もFusion360もさっぱり分かりませんでした。Fusion360は授業でやっても何も分からなくて、初めは大嫌いだったんです。でも、英語もFusion360も苦手な教科も、分からなかったり理解できなかったりするからこそ、分かるようになりたいという意欲が湧いてきました。

 英語に関しては、授業以外でも時間があるときは海外各国出身の先生とコミュニケーションをとったり、悩みを相談したりしたおかげで、スキルが成長したと感じています。こういう風に学生と先生間の距離が近いのも影響していると思います。

--今後はどんなことにチャレンジしたいと考えているか教えてください。

 できる限りたくさんのことを、学べるだけ学びたいと思っています。具体的には、ハードウェアについて勉強したいです。今、Fusion360を早くきれいにレンダリングするための自作PCを持っているのですが、これを安全にスムーズに運ぶための自動運転ロボットを作りたいので、ハードウェアについて勉強していきたいと思っています。

--身近なところから自ら課題を見つけて、それを目標にされているんですね。これからも頑張ってください。本日はありがとうございました。

白山麓での学びを知ろう



 山崎さんの在籍する国際高専では2021年6月13日と7月11日の両日、「オンライン進学説明会」を開催する。

 このオンライン進学説明会では、国際高専の学びの特色や学生生活についての説明のほか、2022年度の入試説明や学生によるキャンパスツアー、オンラインEnglish STEM教育体験、学生による成果発表が行われる。チャットでの質問も随時受け付けるという。なお、7月11日の成果発表時は、今回インタビューに応じてくれた山崎史依さん本人も登場する予定だ。

「オンライン進学説明会」詳細・申込はこちらから

 また、国際高専の1年生と2年生が学び、寮生活を送っている白山麓キャンパス自体を見る機会「学校見学会」も8月8日に開催される。この日は感染症対策を講じたうえで、中学生と保護者にキャンパスを開放。英語でエンジニアリングデザイン&English STEM教育体験や、キャンパスツアーの実施が実施されるほか、個別相談にも応じる予定だ。

「学校見学会」詳細・参加申込はこちらから

 いずれのイベントも要予約となっている。国際高専の教育について詳細を知りたい方は、ぜひ早めにWebサイトにアクセスしてほしい。

《編集部》

この記事はいかがでしたか?

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集