芝浦工業大、修士課程の奨学金制度一新…女子枠新設

　芝浦工業大学は「理工系女子技術者・研究者育成促進」を目指し、2023年度大学院修士課程の奨学金制度において、学科成績女子1位の女子学生（合計16人）に最大60万を給付する「女子枠」を設置。大学院修士課程に関わる奨学金制度全体を一新し、給付対象者を拡大する。

教育・受験大学生

2022.3.10 Thu 17:15

　芝浦工業大学は「理工系女子技術者・研究者育成促進」を目指し、2023年度大学院修士課程の奨学金制度において、学科成績女子1位の女子学生（合計16人）に最大60万を給付する「女子枠」を設置。大学院修士課程に関わる奨学金制度全体を一新し、給付対象者を拡大する。

　2020年度文部科学省学校基本調査によると、日本の工学系分野における大学院の女子学生比率は14.6％。世界と比較して低水準で、また学部卒業者の大学院進学率も11.3％と、こちらも主要国との比較で非常に低い状況にある。

　芝浦工業大学は理工系女性育成貢献のためにさまざまな施策を行っている。2014年に13.8％であった学部生女子学生比率は現在18.7％に向上。女子学生の大学院進学率も2021年に3割を超えた。さらに2027年の設立100周年に向け、女子学生比率30％、大学院進学率60％を目標として掲げ、今回の奨学金制度拡充によって女子学生の理工系進学を支援し、大学院進学率全体の底上げを目指している。

　2022年度からは100人超の成績優秀な学部女子入学者へ入学金相当（28万円）を給付する奨学金制度も開始。2023年度は大学院進学者から学科推薦による成績優秀な女子学生16人に、修士課程の2年間で合計60万円（年間30万円）を奨学金として給付する。また、あわせて大学院修士課程に関わる奨学金制度全体を一新し、給付対象者を大幅に拡大する。

　これまで複数の制度が運営され、学生や保護者にとって複雑でわかりにくかった大学院修士課程の奨学金制度を2023年度から2種類に集約する。新制度の「修士課程進学奨励給付奨学金（学科推薦の成績上位者対象／女子枠も含む）」は、奨学金の支給対象範囲を拡大する。

　学科成績上位者に対しては修士課程の2年間で合計120万円（年間60万円）給付、60万円（年間30万円）給付の他、学科成績上位50％まで20万円（年間10万円）を給付する。また、継続制度となる「グローバル理工系人材育成大学院給付奨学金（TOEIC L＆Rのスコア550点以上が対象）」では、採用枠を100人追加し、対象者の拡充を図る。

　大学院博士（後期）課程における給付奨学金にも「女性枠」の追加検討を進めている。内容が確定次第、芝浦工業大学Webサイト等で知らせる。